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遥かなる時空の中で 17巻 感想


 家に届いて封を切って表紙を見たときにまさかと思った。まさか誰かとくっつくラストになるとは思わなかった。あえて誰ともくっつかないで終わらせるものだと思っていたもので……。
 表紙見てわかる通り、コミックスの「遥かなる時空の中で」は頼久エンディングとなりましたとさ。……う〜ん。これはやっぱり作者が頼久好きだからこそのラストなんだろうね。

 最初はゲームの通りにするのかなと思っていたけど、どんどん内容が変わってきて服装も色々変わって、絵も最初に比べてものすごく綺麗になったので、そういうのは真新しくて良かったかなぁと思う。それにしても10年もかかっていたのかー。
 最初からあかねのことを好きだと言っていた天真がちょっと可哀そうだなと思ったけど、途中で永泉も、いつの間にやら詩紋もイノリも鷹通も泰明だってあかねを好きになっていたから皆可哀そうかな。でも、神子の心の動きは八葉に筒抜けだったようなので、最終的に皆は自分の感情ではなくあかねの幸せを選んだということなんだろうね。

 思い返せば頼久が寝ぼけて(?)あかねにキスしてしまうシーンがあったけど、あのときから既に頼久エンディングに向かっていたのはうすうす感じていたんだけど、あの後に皆の記憶がなくなるというのがあったから無くなってしまうのかなとも思っていた。
 今回の話で一番は現代にお持ち帰りされた頼久の髪型! 短くなってるーー!!と驚かされた。私は男の挑発は好きではないので、この頼久の髪型はお気に入り。おまけに口調は丁寧なのに名前は「あかね」と呼び捨てなのが更にいいよ!
 それにしてもラストはゲームでもあった台詞があったけど、あっさり終わってしまったなという印象だった。現代に連れ帰る頼久のために白龍が色々お膳立てしてくれたと天真が呆れながら言っていたけど、それは……ちょっとというかかなりご都合的だなと思った。しかしそんなに便利な存在だったなら、「遥か3」の白龍はどうなんだろうかとちょっと考えてしまった(笑)

 長期の連載が終わってしまったけど、次は何を描かれるのかがとても気になる! 個人的には「遥か3」か「遥か4」を連載してもらいたいなと思うけど、もうこのシリーズは漫画化されないのかなー。

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at 21:40, 真神恵, 遥かなる時空の中で

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遙かなる時空の中で2 感想


 「2」の文庫がやっと出た! そしてすぐ読めてしまった……。懐かしいなぁと思いつつ、ああ、そんな内容だったなぁと思い出しながら読んでいた。
 ゲームを全くしていない人が読むならこれでいいかもしれないけど、今まで発行された中では一番面白くなかったと思った。いや、面白くないという言い方は間違っているかな。正直「何これ?」と思ってしまったし。
 何だろう? 何でそう思ったんだろう……。多分、あれだけの内容を250ページ程度に収めてしまったからじゃないだろうか。別に八葉の誰かと花梨がくっつけばいいのにとかそういう風には思わない。というか、一冊で終わらせるのにそこまで入らないとは思う。「2」って主人公は最初は一人きりで、八葉集めもすんなりいかないんだよね。時間をかけて集めていたと思うのに、それが小説ではあっさりと集まるんだもの(苦笑) しかもかなりご都合的な展開になっていたと思う。だから「何これ」と思ってしまったのかも。
 他には……花梨が明るい前向きな女の子だという設定はいいと思う。思うけど、八葉たちがあまりにもあっさりと彼女を受け入れているというのもなぁ……。こんなんだったっけ!?と思ってしまうんだよね。と偉そうには言っているけれど、私が「2」をプレイしたのってかなり前だし、しかも全キャラ攻略したかどうかも覚えていなかったりして(汗) 一人につきエンディングは二種あったっけ? それぞれで片方しか見ていなかったような気がする。

 他の本はまぁ、普通に読めただけにこの作品はとても残念だったと思う。


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 以下、日記。
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at 23:59, 真神恵, 遥かなる時空の中で

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遙かなる時空の中で4 〜エンディング〜 感想


 え〜、最近は時間の余裕がないために攻略本を見ながら進めていたんだけど、久し振りに最初は何も見ないでプレイしようかなと思った。そう決めたときから最初は誰とも結ばれることのないエンディングになるだろうなーとは思っていた。そしてそのとおりになった(笑) でも大団円だからいいかな? 二度目からは恋愛エンディングを見ていこうと思う〜。

 プレイした人の感想を少し読んだのだけど、遥かシリーズの原点のような宣伝ぶりなのに、どこがそうなのかがわからないとあった。そして最初のエンディングを見終えて確かにそうだなぁと私も思った。キーワードは出てきたけどねー。ラスボスの名前を知って最初は何者!?とは思ったけど、映像見て最初からこの因縁はあるんだなぁとか。でも、もともとは悪いものでもなかっただろうにとか思うことはあったけど、また何度もプレイしている内に事情がわかってくるんだろうね。

 ブログの左カラムに「一番好きなシリーズ」とずっと画像を掲載している通り、私は「遥か3」が好き。だからなんだろうけど、「4」の世界にいまいちハマれなかった。ま、これはキャラクターのことをまだ掘り下げたシナリオを全く見ていないからなんだろうけど。また泣かせる展開なのかなぁ。二回目がいつプレイできるのかが不明なのが残念だなぁ。

 千尋が可愛い。シリーズ中で一番可愛いんじゃないだろうか? 綺麗で可愛い。望美は勇ましいがピッタリな女の子だなぁと改めて思った。彼女が弓使いなのは、望美が剣を使っていたから他の物にしたんだろうなー。しかし、プレイするのは私なので、選択肢は当然ながら前向きなものばかり。おかげでお目当ての星が上がらないという展開に(汗) いやしかしフルコンプを目指すなら、自分とは正反対な選択肢を選ぶ必要もあるんだよね。まぁ今までもそうしてきているんだけど。途中で元に繋がるなら、リロードしてやり直すだけだからまぁいいか。既読メッセージを早送りできるのは嬉しい。

 ただ不満なのがフルボイスではないということ! こんなにフルボイスとか出ているご時世でそれはないだろう……。しかもこれは私もおかしいなと最近思っていたのだけど、他のブログを読んでいて納得したことがあった。商売するのは大事かもそれないけど、姑息だなと思うよ。でも踊らされているとわかりつつも買ってしまうんだよねぇ(苦笑)

 思い入れがないと最初に書いたけど、公式サイトで公開された情報を見て一番気になるキャラはアシュヴィンだった。まずはビジュアルで一番いいなと思って、とどめは声だったなー。しかも一番好みのタイプの声だ。一番気になるキャラの声が石田さんだったのがとても嬉しいな。いつできるかは不明……ってさっきも書いたけど、もちろん次に攻略するのは絶対に彼だと決めている(笑)

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at 23:59, 真神恵, 遥かなる時空の中で

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遙かなる時空の中で〜遙かなる夢ものがたり 感想


 あー……一度書いた記事が消えると本当に何もする気がなくなるね。何で消えるかな。と言っても短い記事だったんだけどさ。最近、本当に通信状態が悪すぎるよ。まともに繋がっている方が短いんじゃないだろうか……。繋がらないからこうやってバックアップを取らずにうっかり更新しようとしたら消えてしまうしさ。さっきからメールサーバに繋がらないし!! ……でもまぁ、来月からは多分このストレスもなくなるだろう。

 私この文庫をほとんど買っているなぁ(苦笑) そして今気づいたけど、こんなに薄いのにこんな値段だったんだね! 何も考えずに買ったのは明らかだ……。書き下ろしじゃなくて大判で出ていたのを文庫化になったものなんだよね。
 前の方は買っていたんだけど、置き場所がなかったから売ってしまったんだよねぇ。何冊かあった内、まったく読まずに売ってしまったっけ。だから文庫になったらまた買ってしまったんだろう(苦笑) これは読んでいた筈なのに、記憶に残っていないというのがまた凄い。覚えているのって詩紋がメインの話だけなんだもの。

 全4話収録されていた。4話通して共通しているのは、あかねが物忌みで外出できないということ。庭にも出てはいけないなんて大変だ。そして暇を持て余しているあかねは、その日一緒に過ごすことになった八葉に話をしてとせがむんだよね。ここに収められているのはそんな話だった。
 頼久、永泉、友雅に詩紋と。前の三人は過去の体験談を神子に話していたのだけど、詩紋はあかねと一緒に異世界・京へ飛ばされた少年である。だから話と言ったら最近体験したことしか話せないよね。で、その話は現在進行形だったという感じだった。そして私が覚えていたのはこの4話目で、見ればページ数も一番多かった。

 上記の4人がメインだったけれど、他の八葉もちゃんと出てきたのが嬉しかった。泰明の登場シーンって多かったんじゃないだろうか。
 一番面白かったシーンは、天真とイノリの会話だった。4話目で皆で詩紋を捜索するのだけど、彼を攫った者を探せと言われて「動くのは俺たちかよ!」と言いつつ、大人しく探しに行ったときに天真が言ったこと。彼はイノリに自分たちの世界ではこういうのを何と言うか知っているかと聞いていた。当然イノリがそんなことを知る筈もなく、天真は「パシリ」というんだと続けていた。聞いたイノリが嫌な感じだと意味は聞かずとも言葉の響きでそう感じていたというシーンが面白かった。

 ところで、作中の台詞はもちろん全て脳内では声優の声で喋っている(笑) 「遥か1」って発売されてからどうれくらい経ったんだろうhねぇ。あとがきには2001年と載っていて、文庫版のあとがきでは2008年になっていた。7年間も続いていたんだねぇ。
 著者の名前は知らない。というかそもそも私は作家の名前なんてほとんど知らないんだけど。自分のサイトでプレイ日記を書いていたら、コーエーから小説を書きませんかと声をかけられたらしい。物書きの仕事ってそんな風に舞い込んでくるものなんだろうか……。

 あ、思いついたことを書いていったらそれなりの長さになったぞ。今度はちゃんとバックアップ取ってから更新するとしよう。 


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at 23:55, 真神恵, 遥かなる時空の中で

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遙かなる時空の中で3〜紅の月〜 特典物の感想


 本編の感想は以前に書いたので、今回は特典物の感想を。

 通常版と豪華版と限定版の三種類が発売されたんだっけ。最近のコーエーって、ゲームでも三種類出すようになったよね。嫌らしいやり方だなぁと思う。思うけどいつも一番高いものを買ってしまう(苦笑)

 封を切ったとき、どこから開けたらいいんだろうかと戸惑った。限定版というのは生産数が5000だという。……正直、本当に5000なのかとは思っているけど(笑) で、この限定版は三分の二と三分の一で切れ目があった。そこから開けるということなのだろう。面積の大きい方が蓋になるようで、上へスライドして開けた。中には本編DVDと特典DVDとCD入ったケースがの二つ。それから設定資料集とカラーブックレット、台紙つきポストカードが入っていた。もちろんディスクはピクチャーレーベル。
 設定するのも見るのも好きな私にはとても魅力的な特典だった。というか、限定版を買ったのもこのためだったのかもしれない(苦笑) 絵を描かなくなってもう随分経つのに、やはりこういうものは見るだけで楽しい。
 カラーブックレットは雑誌に掲載されたイラストだった。青竜はいいとして、朱雀も多かったなー。一番人気があるから? 弁慶はどの絵も腹黒そうな表情なのが笑える。あれと、一点だけ知盛がいたのが嬉しかった。
 ポストカードのイラストは、公式サイトのトップ絵だった。でも、これは一度見たらおしまいなものだね(苦笑)

 特典ディスクのCDは「紅の月」のモノローグ集だった。一度しか聞いていないのだけど、本編中に八葉たちが何を思っていたのか、というのが語られていたと思う。あまり覚えてない(汗)
 DVDはちびキャラアニメが収録されていた。10分程度だったと思う。これは面白かった。キャラは小さいのに声のトーンはあのままだし。温泉にやってきた皆が……というもので、罰ゲームでリズヴァーンのマスクを負けた者が取りに行くというものだった。やっていたゲームって何だったっけな(汗) 面白かったという割には一度しか見ていないのよね。例によって例のごとく時間が……ということで。
 ヒノエと譲と敦盛が温泉に浸かっているリズヴァーンのマスクを狙うんだけど、敦盛は水に濡れると変化してしまうので困っていたのが可愛かった。結局落っこちてしまうんだけど、二人とも驚いてなかったなー。これ、望美しか知らない事実じゃなかったっけ?
 結局三人は取れずに、何をしているとやってきたドジっ子九郎が偶然リズヴァーンのマスクを取っていた。しかし……という感じかな。まぁ、オチは読めるものだけどこれは良かったと思う。一本だけでなく三本くらい欲しかったなと我儘なファンは思ってしまうのだけど(笑) 因みに大人組の二人はゆっくり温泉に浸かっていたよ。で、彼らもお約束といった感じ。
 アフレコ風景はナレーションもなく、本当にアフレコしている様子を録画しているものだった。でも、そういうのも嬉しいからいい。
 実写部分で一番楽しみなのが声優さんたちのトーク。今回は4組に分かれてテーマに沿って話されていた。その中で青竜組の関さんのコメントが興味深い。今回は将臣×望美な内容だったけど、ということは、八本作れるんじゃないかと関さんは言い始め、そして水面下で動いているという発言が飛び出た! 実現したならそれは嬉しいなぁ。でもまぁ、本音を言うならTVで4クール放送で、大団円EDでいいので放送してくれないかなぁと思う。それくらいあったら十六夜と迷宮だって入れられるだろうし。などと言い出すとキリがないか(苦笑)
 他のメンバーでは玄武組が面白かった。イベントでのことを話をしていたんだけど、互いに押し付けあっていたんだってね。ネオロマのイベントは行ったことがないんだよね。「おお振り」でイベントの楽しさを実感してしまったので、時間があったら行きたいなと思い始めたよ(笑)
 放送前に紹介番組があったようで、それに井上さんが出演されていた。しかし内容に関しては何も言えないと司会者に聞かれて答えていたなー。それで最後に結局何も教えてもらえませんでしたが、なんて言っていたっけ(苦笑) そういう指示を受けていたんだから仕方がないじゃない。それに、見る前にネタばれされても私は嬉しくないし。
 他にはノンテロップのOPとEDが収録されていた。EDのDVDバージョンって何だろうと思っていたら、キャストやスタッフを表示する黒の部分はなく、そのときに表示されていた映像の方をフルサイズにして歌が流れるものだった。

 本編ディスクにも映像特典があった。CM集とイベントの告知だったかなー。それからジャケットイラストを使ったカードも封入されていた。カードは未開封なのだけど、一番上になっている将臣の絵がジャケットと同じだから間違ってはいないだろう。

 DVDを入手したというのに、まだHDDから削除できないでいる(苦笑) 消そうと思うんだけど、その度にもう一度本編を見てしまうんだよなぁ……。時間がないと上記しているのに矛盾していると思うけど、やっぱりそのまま見入っている。

 特典物のみの感想だったけど、書いているとまた見たくなってしまった。それからもう一つ。今の私は将臣を見るとロックオンが被ってくるよ。だって声はともかく口調まで似ているんだものー。

at 23:59, 真神恵, 遥かなる時空の中で

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文庫版 遙かなる時空の中で〜舞一夜 感想


 映画を何度も見たしなぁと思っていたら、この文庫版の「舞一夜」は違う話なのだと聞いた。だから買ってみた。……文庫版だったらネオロマシリーズを全て買っているかもしれない。というか、現時点でそうなっているよ(笑) 以前、大判で出されていたものがあったけど、それも文庫になっていくのだとか。CDはとうの昔に買うのを止め、書籍類もまた然り。攻略本も、遥か以外は買わなくなってしまったというのに、文庫だからと手を出してしまった……。

 確かに違っていた。何が違うって季史だけでなく、彼の下に4体怨霊がいたことかな。そして八葉たちのそれぞれの天地で、片方が相手を信じられなくなるようにしていた。他には、季史の中に怨霊となった季史もいて互いに会話できていたこととか。そして、別に神子としてのあかねの力を利用するということではなく、あかねを力づくで手に入れろと怨霊がそう囁いていたっけ。
 劇場版と文庫版で大きく違うのが、季史が自分の名と、自分が舞手であるを覚えていたということだった。それから、多家での事情も違っていた。彼は貰われっ子ではなくて、れっきとした多家の人間だった。そして斎陵王を舞って亡くなったのは同じだけど、それを舞った経緯がこちらにはあった。そして彼の父親は舞手として季史を厳しく育てたけど、愛情があったということ。当の季史は父が自分を舞手にしか見ていないと思い込んだまま亡くなっていた。

 一方のあかねは、抱えている悩みというのは劇場版と同じだった。季史に安らぎを感じていたのも、彼があかねを神子としてではなくあかねという個人に対して接していたからというのも同じだった。しかし文庫版のあかねは劇場版以上に屋敷をしょっちゅう抜け出して季史と逢っていたと思う。それだけでなく、こちらは出かける度に衰弱して遂には床に伏せっていたっけ。
 そんな状態になりながらも屋敷を抜け出していたのは、神子としての自分でなくても良かったからだね。まぁ、元にしているのが劇場版なので天真があかねのことを異性として見ている設定は同じだったけど、文庫版では彼だけに与えられた役割があった。彼もあかねと同様に異世界から一緒に召喚された人間で、あかねの友人で。なのに彼は思い悩んでいるあかねに一番言ってはいけない言葉を言ってしまうんだよね。
 あかねに対して彼は、彼も「龍神の神子なんだから」という台詞を言ってしまう。天真にとってはそれがあかねを励ます言葉だと思って言ったんだけど、あかねにとってはただのあかねだった頃からの友人にまで「龍神の神子」だと言われてショックを受けてしまっていた。

 季史を封印するラストは同じだった。読んでからそんなに時間は経っていないはずなのにあまり覚えていないとは(汗)
 劇場版の季史は八葉が攻撃を自分に仕掛けてきたため、お前たちも自分を拒絶するのかと怒っていた。しかし、文庫版の季史が固執していたのはあかねだけで、彼女が大事に思っている人たちより自分を選べと怨霊化した彼はあかねにそう迫っていたなぁ。恋愛という面ではこちらの方がより強調されているように感じた。

 イラストは嫌いではなかった。そしてモノクロよりはカラーの方がいいなと思った。ただ、モノクロのイラストを見てキャラの表情があまりうまく描けていないなと思った。柔らかい表情とか、儚げに微笑むとか、そういった感情はいいのだけど、悔しそうにしているだとか緊張しているような顔はそうは見えなかったのが残念に思う。絵柄が柔らかいものだから、いいと思った表情はうまく描けるのかもしれない。反対に激しさを伴う表情はまだまだという感じ。

 私は実写には興味がないので、舞台になった「舞一夜」には全く興味が湧かない(苦笑) だから「遥か」関連はこの文庫版で終わってしまうのかなと思うとちょっと寂しいと思う。

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at 23:59, 真神恵, 遥かなる時空の中で

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遙かなる時空の中で3 紅の月 アニメ感想


 少なくとも三回は見た気がするなぁ。小説版を読んでいたのでだいたいの内容は知っていたけど、アニメは小説とは違っていた。ま、後書きでも原作となってもアニメでは変わっているかもしれないとは書いてあったけどね。どう転んだって60分程度でこの話を描くのは不可能なので、まずはアニメ化したことだけを喜びたい。三月にDVDが発売されるけど、当然ながら見る前に予約済みである(笑) 関連商品はDVDは中身を見ないで即予約だからなぁ……。

 私は八葉の中では将臣×望美が好き。一番は知盛×望美だけどね。嬉しいことに今回のアニメでは将臣×望美だった! しかし将臣ルートって早々に攻略したものだから、実は細かい部分は覚えていなかったりする(汗) 今は友人に貸しているしね。とは言っても私はバッドエンディングなんて全く見ていないので、同人誌でそれを知って驚いたのは覚えているな(苦笑) 同人的には美味しい設定だったのは確かだ。でも、二人の性格を考えたらそんなエンディングはあり得ないんだけどね。でも戻ってきたらみてみようかなと思う。小説とアニメを見たら無印をプレイしたくなってきた。
 その友人とはこのアニメを録画してもらっていたので、ダビングさせてもらうために昨日会っていた。そして「遥か」話で盛り上がっていた。一度は止まっていたものの、再びプレイし始めてはまってくれたそうで嬉しかったな。そして将臣ルートは王道だよなぁと話していた。幼馴染だし、何でもできてしまうし、あちらの世界に行ったら敵同士に分かれてしまうし。他にも話したけど、設定がもろそれだものね。今までの天の青龍って主に絶対服従タイプたっだのに「3」になったらガラっとタイプが変わっていたのには驚いたなぁ。しかし、この世界においては八葉って今までとは役割が違うのも特色だったかな。

 実際に見る前にブログで感想を少しだけ読んでいたのだけど、そこで書かれていたのがOPについてだった。いや本当に最初から最後まで裸だらけだったよ(笑) 何故とか言う前にもうこれはどう見ても手抜き以外の何ものでもないだろう。何よりも、この時点で将臣×望美だと描いてしまうのは大いに問題があると思う。
 それにね、望美が顔を上げた後で八葉が映ったところからサビが始まるのだけど、曲を聞いていたら望美が戦っているシーンとかの方がいいんじゃないかなぁ。しかも平家方まで裸って(苦笑) そこは知盛と刃を交える方がいいんじゃないの? ま、これがTVシリーズで後半だったら還内府と刃を交えるという方が絵的にはいいのだけど、それじゃネタばれだから。曲はなかなかいいのでもったいない……。
 最後の方で望美と将臣が手を繋ぐシーンがあるけど、ここも誰と繋いでいるのかというのを見せないでほしかった。でもOPの絵は綺麗な方だったかなー。ま、ゲームに入っていた動画と比べたらこちらの方が格段にいいんだけどね。比べるのも失礼なくらいに(苦笑)

 突っ込みどころの多いアニメだったのは確かだな。望美が目を覚ますまで、皆して寝顔を見ていたのか!? 朔、それは許してはいけないだろう(笑) 将臣も普通に傍にいたしな……。幼馴染でも高校生でそれは有りなのか!?
 あ、でも小説で不満だった箇所がアニメではちゃんと描かれていたのでそれだけは評価に値する。というか、それがなかったら「遥か」じゃないだろうからね。剣で斬っただけで浄化できるだなんてあり得ない(苦笑) やはり怨霊を封印するシーンがなくてはね。しかも望美だけでなくちゃんと朔と協力して封印していたのが良かった。何より、力強いのがまた望美らしくていい!

 とりあえず話をなぞっていたけど、一度別れて吉野で将臣と再会したところで望美が将臣への気持ちを自覚していたシーンがあった。別にそれはいい。いいんだけど、将臣の身体に大いに不満を持った。だって傷一つないんだもの! 源平の戦いの日々に異世界へ迷い込んで将臣だけ望美たちとはぐれて大変な目にあったというのに、なんであんなに綺麗な身体をしているんだ? 確かに将臣は何でもできてしまうけど、戦まで無傷で過ごせるなんてご都合主義にもほどがあるのでは? 実際……ええと「迷宮」で刀傷が消えたとか言っていたはずなんだけど? ま、同じことで九郎たちも綺麗すぎる身体は違和感を覚えた。刀傷がまったくないなんてあり得るのか? このアニメで一番不満に思ったのはその辺りだったかなぁ。いやまぁ、もちろん不満は他にもあるんだけどね。戦のシーンも、確かに描くのは大変だと重々承知しているのだが、お粗末とは言いすぎかもしれないけど物足りないと思った。将臣が戦っているところなんて光がズバズバ出ていただけだしね。あとは八葉は一人が一騎当千なのかと言いたくなるような戦い方だったなぁ。リズヴァーンは強いのは間違いないけど、いまいちその強さが描ききっていなかったように見えたな。譲も望美を守るためなら人を殺すのにももう躊躇がないというか、異世界に流されて何か月経っていたんだっけ? 現代人なのにね。

 それでも泣けるシーンはあった。リズヴァーンがやられてしまったのを皮切りに、八葉がやられて望美だけが現代に戻された一連のシーンがそうだね。
 互いが源氏の神子、還内府だと知って茫然としている望美と将臣のシーンも良かったな。ただ、戦場でしかもトップがそんな隙を作っちゃいかんだろ(苦笑) 源氏方は兵士たちが「神子をお守りしろ!」と、望美を庇いに行ったのに対して、将臣の方は知盛が彼を守るようにその前に着地したのが良かったな。大将を守らないといけないというよりは、源氏の神子なる存在と戦いたいという気持ちの方が遙かに大きいとは思うけど(笑) 馬から飛び降りて着地、そして望美めがけてかけ出すところは格好よかったのだけど、望美に攻撃を仕掛けている映像が単調なものだったのが残念だったな。
 ただでさえ弁慶が平家について動揺しているというのに、敵の大将が将臣だなんて信じられない展開だったろうなぁ。ゲームでもショッキングではあったな。アニメの場合影にして描いていなくても声でバレてしまうというのが悲しいところだなぁ。
 そして一周目の悲惨なラスト……。アニメは、知盛と戦うリズヴァーンを襲おうとする平家の兵と望美が剣を交えているときに、幕が下りて弓兵が望美を狙って矢を構えていた。それに気づいて望美を助けようとして無防備に背中を向けてしまったため、リズヴァーンは知盛に剣を投げつけられるなんて致命傷を負わされ、更に矢をまともに食らってあっさりと絶命してしまった(汗)
 ゲームでは皆を逃がすために背中を向けて、ただ一人で敵のただ中に飛び込んでいくシーンしかなかったので、望美の目の前で絶命してしまったので驚いてしまった。 ゲームでは割と無敵なんじゃないかと思えるくらい強いと思い込んでいたのでかなり驚いた。しかもアニメではありがちな死ぬ前に延々と何かを言って「喋ってはダメ」的な会話もなしで逃げろとだけ言って事切れるんだものね。ただ、それで望美が絶叫するというのはよくあるパターンだなと思ってしまった。ま、甲高い声が響いて九郎たちが最悪の事態が起きたと勘付いたシーンは良かったけどね。 目の前で師匠が倒れるのを茫然と見た後で、刃を交えていた平家の兵を邪魔だと言わんばかりに斬り伏せた望美はとても素敵だったけどその後がいけない。戦場で泣き崩れているなんて殺してくださいと言っているようなものなのじゃないの。初めて大切な人を失うという悲しみに耐えきれないというのは解らないではないけど……。幸いだったのが、「遥か」の知盛は普通の感覚を持つ人ではなかったことだな(苦笑)
 さらに、第二矢を構えていた敵を威嚇射撃して、景時が望美を救いだしたときがまたよかったねー。将臣と望美の表情が。
 そして最悪の結末。ここはゲームと場所が違っていたし、残りの八葉が炎にまかれる具体的なシーンもなかったんだよね。惟盛が直接攻撃したので、逃れることのできない炎だというのが酷過ぎる……。
 全体的に説明不足だったのは否めないけど、それは仕方がないと思う。全部書いていたら説明だけで終わってしまうもの。でも、白龍に関しては何もなかったので、初めて見た人なんて混乱するんじゃないだろうか。個人的には小さい白龍が神子の周りをウロチョロしてほしかったんだけど(笑) 意味ありげに彼の喉元を映したり喉に手をあてているシーンを描いていたのはわざとらしいなと思った。白龍が喉にある逆鱗で時空を超えられると望美を現代に戻そうとするのはいいよ。でも、それを外したら白龍が死ぬと望美は知っていて、だから止めろと言ってなかったっけ? なのにアニメの場合、自分だけが戻されることに対して「待って」と言っていたようにしか見えなかったなぁ……。

 自分一人だけ戻されて最初は夢なのかと望美は茫然としていたけど、倒れたリズヴァーンに縋りついて泣いていたときに付いた彼の血を見て夢じゃないと望美は知った。しかも、その血がたった今付いたという証明のように雨で流れるという演出がいいよ。何が起きたのかを思い出して息を乱し苦しんでいるところと、雨の中にかけ出して自分だけが戻されたことに慟哭するシーンなんて泣かずにはいられなかった。
 でも、そこで終わらないのが「遥か3」で望美。というか、そこからが本当の始まりだものね。いつの間にかポケットにあった逆鱗を見て、それがどういうものなのか白龍を思い出して「運命なんて変える!」と決意して迷わず戻る望美の何とも勇ましいこと。だから私は「遥か3」が好きだ。

 それでアニメの冒頭のシーンに戻るというのがまたいい。運命を変えると決めた望美の行動というか尺の問題もあるけど展開が早い早い(苦笑) 大事な話があると言って、滝の傍で雅臣と話して別れるところでは、足を滑らせた望美を抱きとめた将臣が、すぐに手を離さず彼女を更に強く抱きしめていた。言葉にしないからこそ気持ちが伝わってくる。唯一のラブシーンだったけど、一番いいシーンでもあったな。

 当然一時間程度で収まらないとはわかりきったことだったけど、またえらく半端なところで終ったな(苦笑) 初めて見る人に対してこれって続きはゲームをしてねと言っているようなものじゃないか。今までそんな風に思ったことはなかったのだけど、他所でレビューを見てちょっと嫌ぁなものを見てしまった。そして考えてみたらそうだなと思っってしまった(汗)
 ガンダムのDVDボックスでも発売元が叩かれていたけど、結局コーエーだって同じことをしていたんだなと。このDVDも高いけど、三月発売予定の「4」にしたって一番高いのって一万を超えているんだよね(汗)
 こんな短いものじゃなくて一年ものでTV化してほしいよ。ゲームのアニメ化というのは難しいとは言われているけど、少なくとも「遥か」を見て私は満足した。「コルダ」はまだ全部見ていないけど、悪くはないんじゃないかなと思った。でも、それらと同じように2クールでは設定考えたら難しいと思うんだよね。今回のアニメ化は実験みたいなものだと思えるので、TVアニメ化へと動いてほしいなと思う。なんだかんだ言ってファンはDVDは買うんだし。

 聞いていて望美のことを「神子」と呼ぶのが八葉では二人なんだなぁと改めて思った。あと、OPとEDは良かったのに、BGMが浮いているなと残念に思った。合っているものもあったけど、合ってないなと思った方が多かった……。ゲーム内の音楽を使っていたのかな。でもあんな曲あったかな。全然覚えていないな(苦笑)
 作画は……時々崩れるというほどではなかったけど、荒いものがあったのが残念だな。綺麗なところは本当に綺麗だったのに。小説の表紙のような絵がずっと続けば良かったのになぁ。「ネオアンジェリーク」は「コルダ」のスタッフが制作するようなので、作画に関して大丈夫かなと思う。今回「3」のスタッフは「遥か」と同じだと思うのだけど、時間がなかったのかなぁ……。OPもあんなだったし(汗)

 そういや、今私は「かけら遊び」をプレイしている最中なのだけど、運命を変えるという全く同じフレーズを言っていたなぁと思った。そして望美は挫けないんだなぁと。彼女の場合は梨花と違って自身で時空を超えられるし、剣術も覚えて一人でも怨霊を封印できるとても強いから比べちゃいけないんだけど(苦笑) いや、作品が違うから比べる方がおかしいか。

at 23:47, 真神恵, 遥かなる時空の中で

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遙かなる時空の中で3 紅の月 感想



 12月28日の23時から「遥か3」のアニメが放送される。紅の月というタイトルがついていて、公式サイトからはそれ以上の情報がなかった。おまけにキッズステーションで放送なので私はDVDが出るまで見られないんだよねー。仮に見られたとしても、その日はもう東京のホテルにいるし。早めに寝ていたとしたらその時間には寝ているかもしれない。ま、今の職場では同じくアニメが好きな人がいて、他になにも被ってなかったら録画してもらえることになっているから年明けには見られるのだけどね。
 で、放送を楽しみにしているのだけど、何と文庫本が発売されると知った。発売日までは把握していなかったのだけど、冬コミのカタログを買いに行ったときにそれを見つけた。最初は発売を知っても買わないでおこうと思っていたけど……やっぱりというか手にしていた(笑) 表紙絵は公式サイトのトップにもあるものだけど、TV版「遥か」のスタッフとどうやら同じらしい。アンジェシリーズのOVAのときはこの人の絵は合ってないと思っていたけど、「遥か」だったら安心して見ていられる。何しろゲームの方はちょっと嬉しくないものだったし(苦笑)

 値段の割に薄くてすぐに読めてしまった……。感想は……ネタばれしないで書くのが難しいな(汗) まず、ゲームとは怨霊を封印する方法が違っていた。でもこれは歴代の神子たちも使うものなので変えてほしくなかったなぁと思う。しかも朔が完全に脇役だったし。確かに彼女は怨霊を封印することはできないけど、鎮めることはできたのにな。アニメ原作ということで時間の制約のために入れられなかったのはわかるが残念に思ってしまうのも仕方がない。白龍の成長のしかたも違っていたけど、これは別にいいかな。
 あとは……多分、ゲームをしていない人にはわからない箇所も多いのではないかと思う。説明はしてあるけど、さらっと流した感じかなぁ。ま、これはゲームをしてねという宣伝も兼ねているのかもしれなけどね。
 主人公サイドは全員出てくるし、平家方も知盛が出るので嬉しい。あーでも重衡はどうやら出ないので残念だな。他には経正とか。源氏方も頼朝は名前は出てくるけど本人は出てなかった。政子は出ていた。

 物語は最初からではなくて一周目ラストから始まっていた。作品時間では二周目がメイン。その中で一周目のできごとを望美が回想していた。しかし、この作品、TV放送した「遥か」以上に長いので、アニメにするなら2クールだって足りないんじゃないかと思う。だから、それをまとめるなんて至難の業だろうなと思うよ。放送後にはDVDが出るけど、それは3月1日らしい。もちろん私はいつも買っているところで予約受付が始まったら豪華版を購入さ(笑) これが成功して、一年ものでTVアニメ化してくれないかなぁ。もちろん、今回のような改変はなくてゲームに沿って。

 後書きを先に読むと楽しみが奪われてしまうかもしれない。あー……となるとここでも書かない方がいいのかもしれないなぁ。後書き読んでもハッキリとわかることはないけど、そこかしこにそれを明示するものがあるしな。初版分を買ってしまうと読む前から分かってしまうだろうな(汗) いつものノベライズとは違っているのは確かだ。そして私には嬉しい展開で、譲が相変わらず不憫だということかな。
 これを読んでまた最初からプレイしてみたいなと思った。ここは改変なのかそうではないのかわからない箇所があったんだよねー。特に知盛とのシーンとか。最初は攻略対象ではなかったのにあんな台詞言ってたのかなぁと思って。

 コーエーは今後も文庫本を出していくようで、遥かシリーズだけでなくコルダも出るらしい。「舞一夜」もラインナップされていた。オリジナルということなので、映画や舞台とはまた違った話になるんだろう。……買っているだろうな(笑) 他にも気になるシリーズがあったし。
 笑ったのが作品募集のページ! 公序良俗に反する作品はもちろんのこと、そっち系も対象外になっていた。同列扱いにも見えたしこれは嬉しい注意書きだ。安心して買えるしね。とはいっても表紙みたらそっち系かどうかすぐにわかるけど。ただ、同じ場所には置いてほしくないと思う。

 ま、原作小説と言っても、アニメはアニメでまた内容が違っているかもしれないので、今は見られる日が来るのを楽しみにしておこう。いつになるかは不明だけど、もちろん感想は書くつもりだ。

 公式サイトに行けばわかることだけど、他にも遥かシリーズのOVAが放送されるので、是非見てほしいなと思う。個人的には全て買っているので複雑な心境なのは否定できないけど(苦笑)
 他には待ちに待った情報があったな。来年の春に「遥かなる時空の中で4」が発売されるのだもの! ……ってこれも以前に書いたっけ?? もちろんプレミアム版が出たらそれを買うし、何としてでも時間を作って攻略するつもり。その時になってもPS2には「Fate/stay night」が入っているだろうけど(笑)、そっちは休んで毎日しているかもしれないなぁ。公式サイトにはまだキャラクターの一部しか公開されていないのだけど、次のもキャラクターのイメージがガラリと変わっていて楽しみで仕方がない! とは言っても、見た目で誰が声を当てるのかはわかるものだけどねー。ああ、春が待ち遠しい!!

 ……って、小説の感想をほとんど書いてなかったな(汗) まぁいいか。ちゃんと書くとネタばれは避けられないものね。
 ネオロマシリーズアニメ化ついでにもう一つ。なんと、またもやアンジェリークがアニメ化するらしい。次は「ネオアンジェリーク」だ! ……ヤバい(汗) 封すら切ってないゲームだよ! そしてまた出費する作品が放送されるのか〜。こちらで見られるアニメだったらいいけど、その時は引っ越しが終わっているのかもしれないな。



 以下、日記。
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at 23:59, 真神恵, 遥かなる時空の中で

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遥かなる時空の中で 14巻 感想

評価:
水野 十子
白泉社
¥ 410
(2007-11-05)
Amazonおすすめ度:

 八葉たちに黒い矢が刺さってしまい、どうなってしまうのだろうというところで終ってしまった前巻。あれからどれくらい経ったのだろうか? この14巻は連載している雑誌が変わってから初めて発売されたコミックスだという。
 表紙が季史なのには驚いたけど、これって特別編での扉イラストだったのね。表紙が描き下ろしでないのが残念だー。

 アクラムはあかねに八葉の心を砕いたと言っていた。……そういえばゲームでも心のかけらを集めて八葉たちの力を上げていたっけ。ただ、ゲームは最初から心のかけらを失った状態で、集めながら神子との親密度も上げていたんだよね。それが、漫画版では一度確立した絆が壊されて、もう一度最初から始めるというのが違った展開でいい。しかもあかねも自分の気持ちに気づいたようだし? 私はこのキャラにはこのキャラと思うとそれ以外は受け付けない性格なのだけど、この遥かシリーズは、もともとがそういうゲームだからなのか、自分が好きな八葉以外とのカップリングでも不思議なことに読めてしまうんだよねー。感想記事の後でちょっと書くけど。

 ああしかし、あかねをあんなに優しい目で見ていた頼久が、あんな眼であかねを見て追い払おうとするなんて、これはこれでショックだったな。意識下では覚えていなくても、無意識下ではどうやら覚えているようなのでホッとした。
 記憶がないことでイノリが一番厄介なことになりそうな気がするなぁ。イクティダールがたくさん出ていることからも絶対悶着があって、詩紋も巻き込んでセフルの話とともにいろいろありそうで楽しみだ。セフルに関してはアニメのような結末になってくれたらいいんだけどなぁ。

 泰明とあかねがはち合わせたシーンでの泰明の表情が良かった。感情が表情に出ないキャラだものね。また、次の扉絵もそのシーンを引きずっていたのがいい。神泉苑にいるものを調伏するためにいると言っていた彼が追っているものは、影しか描かれていなくてもすぐに何かがわかる。そうか、アクラムはまだ黒麒麟を手中にはおさめてなかったんだー。となると、まだまだ先は長そうだなぁ。
 ただ、台詞を見ると泰明はあかねのことを覚えているような感じだね。覚えているのかというあかねの問いに、彼は「神子であること以外知らぬ」に答えていたし。平静を装っているものの心は乱れている鷹通とは違っているとあかねも感じていたし。
 これは神子に対しての感情が無くなってしまったということなんだろうな。自分を人ではないと思っている泰明にとっては、あかねに対して抱いた感情を不可解なものとして恐れていたから、なくなってスッキリしている状態なのかもしれない。でも、あかねとまた行動を共にしていたら、他のキャラ同様に泰明だって同じ気持ちを抱くはず。だから、そのときまた苦しんで姿をくらましてしまうんじゃないかと心配だなぁ。そうならないためにも早く心のかけらを……ではなく、漫画版は呪詛の種を浄化するという話だったっけ? うまく浄化できればいいんだけど、あかねは屋敷を出ようとしたところを頼久に見つかってしまったよ。まぁ、彼女の護衛なので気づかれないで外に出るなんてのはあかねには無理だろうなぁ(苦笑)

 特別編は「舞一夜」の物語が始まる前の話だった。映画の季史とは性格が違うというか子供っぽいので新鮮だった。あとがきでそれを反省されているようだったけど、この連載って基本的にコーエーが監督しているんじゃなかったっけ? OKが出ていたんならこれはこれで有なんじゃないかなぁと思う。

 遥かに限らず、アニメ化した作品というのは漫画を読むときはキャラの声って声優の声で読んでいるので、季史は当然櫻井さんの声だった。しかし、性格が違っているのでその辺りは声なしになりそうになっていたかなぁ。



 遥かついでに「3」の話を続きにて。
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at 23:59, 真神恵, 遥かなる時空の中で

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劇場版 遥かなる時空の中で〜舞一夜〜 感想

 季史役を誰があてるのかを楽しみにしていた気がするなぁ。本当は映画館で見たかったけど、見たくても終了する時間が最終バスが出発する時間だったので諦めた覚えがある。そして「時空をかける少女」を見に行ったときにパンフレットだけ買ってきたんだっけなぁ。もちろん豪華版で!(笑)

 TV版の「遥か」は視聴が可能な地域での放送ではなかったので、DVDで全話を見た。その感想は全部ではないけれど、同じカテゴリー内で見られるかと。確か、セフルのときに感動して熱く語っていたんだっけ。このシリーズは、今後も私の住む地方で放送されなかったとしても、DVDは必ず買っていることだろう(笑) って、実際にこの「舞一夜」買ってるし!
 そしてTVシリーズは本編も良かったし、絵も綺麗だったからこの劇場版だってガッカリすることはないだろうと思った。パンフレットに掲載されていたカットも綺麗だったしね。あかねが八葉以外と恋に落ちるなんて面白そうだと思った。

 面白いことは面白かった。ラストでは泣いてしまったものなぁ。まず幻想的という言葉がピッタリな作品だったと思う。あと、演出が素晴らしい。特に、塀の内と外側であかねと季史が歩いているシーン。

 他には平安時代という描写かな。貴族と庶民の生活なんか面白かった。ゲームをしたのは随分前になるので、忘れている部分が多いなぁ……。まだあかねは封印の能力がない頃だった。しかしこの時代の生活にはすっかり慣れた様子で最初は生き生きしているように見えた。
 あかねと季史の出会いは雨の中を橋ですれ違ったときだった。お互い振り向いたのは、似た思いを抱えていたからだったのかなー。
 皆から神子と呼ばれ守られ大事にされ、いてくれるだけでいいのだと言われても、あかねにとっては自分に何か力があるならそれを使って役に立ちたいと思っているからもどかしいだろうなぁ。彼女が明るい表情を浮かべていたのって冒頭だけだものね。

 ゲームでは力がついたから怨霊の封印が可能になったと言われて、はいそうですかとサクッと封印していた。今回の映画はあかねが初めて怨霊を封印するという話なんだね。しかしゲームとは違い、最初は失敗という流れになっていた。
 庶民が住んでいるところへイノリと詩紋が行くと、子どもの姿が見えない。聞けば子どもを攫う怨霊がいるとかで、だから外で遊ばせないようにしているんだという。そして藤姫に自分にしかできないという力を聞いたあかねはその怨霊を封印しようとして失敗。
 封印へ至るまでの過程がこうやって映像化されるのが面白かった。怨霊の恨みや悲しみ、苦しみを知ることにもなる。神子はそれを包み込んで浄化できる。そう言われて実行しようとしてできず、そして泰明にサポートしてもらい今だと言われても「できない」と言って結局調伏することになってしまった。
 そりゃね、神子に選ばれるくらいだから綺麗な心を持っているんだろうと思うけど、見た目に騙されるなんてなぁと思う。というか、何が怨霊の救いになるかと考えたら封印はできるんだけどなぁ。優しい心が仇となったと言う鷹通の台詞には納得できなかったなぁ(苦笑) いや、本当のことなんだけど。しかしあれは本当の優しさじゃないだろう。

 最初に出会ったときに衣をかけてくれた季史に返すために橋で待っていたら、またもや雨に降られた。来るかどうかもわからない人を待っている自分に「何やってるんだろう」と思っていたところへ季史が来てくれた。
 祠の前で雨宿りして話しているシーンは音楽がまたいいんだよね。持っている背景というのは違うけと同じ悩みを抱えた二人というシチュエーションもまたいい。今あかねが欲しい言葉をくれる季史に、彼女の心が急速に彼に向っていくのがよくわかる。
 帰り道に自分の記憶がないと言う季史から、彼が大事そうに持っていた斎陵王の面を預かった直後、あかねは自分を呼ぶ天真の声に反応して行きかけた。季史もあかねに気持ちが行っているということなんだろうね。咄嗟に彼女の手を掴もうとしたのは。その瞬間、あかねの身体を何かが流れた。でも、この描写は先ほど子どもの怨霊と接触したときに彼女が怨霊の感情に呑まれそうになったときと同じだった。映画を見ている人間はすぐに気付いただろうけど、あかねはよく解っていないようだった。二度目程度だと解らないものなのかなぁ。

 面について早速尋ねると、鷹通は面を見た瞬間に驚いていた。しかし斎陵王の舞にまつわる話をした後で神子が持つのは相応しくないから持ち主に返すようアドバイスしていた。ここでまたあかねを落ち込ませることを鷹通が言ってしまった(汗) 神子はたった一人の大切なひとだからと。この台詞は今のあかねにとって最も欲しくないものなのにね。
 でも八葉である頼久には彼が普通の人間ではないと感じ取っているようだった。普通に藤原の屋敷の前を歩いている季史に驚いたけど(苦笑)

 今日の平安を祈願するための奉納舞を舞う舞殿は建設すると燃えるらしく、怨霊の仕業ではないかと調査を依頼された泰明は、この怨霊の恨みが強くて神子の力で封印してもらわないといけないと言っていた。
 あかねが湯浴みをしていると藤姫から聞いた永泉が頬を赤くしていたのが初々しいなぁと思った。あかねの様子がおかしいと話していたときに、季史宛ての手紙を古寺に置いて帰ってきた小天狗を、泰明が脅して白状させたために彼女が恋をしているのではないかと友雅が見立てていた。
 これに鷹通は斎陵王の面とあかねが何か関係があるのではないかと思いつき、泰明はそれが何なのか理解できない様子(笑) 永泉と天馬はあかねに片想いしているだけにショックだったろうなぁ。部屋を出ていく天真を気遣わしげに見るイノリがいいねぇ。イノリだってあかねが好きだろうに。そして舞殿に巣くう怨霊を封印してほしいと言われたあかねは「ごめんなさい」と言って皆の前から自室に戻ってしまった。

 小天狗が届けた文には面に関する詳細が記されていた。「斎陵王」と呟いた途端に季史は苦しみだした。フラッシュバックした記憶の中に、冒頭の舞で倒れた舞人が映し出された。まぁ、最初からわかっていたんだけどね。
 怖い目で舞殿に現れた季史は、舞台に上ろうとした。すると彼の足もとから火が現れた。そのまま行ったらまた舞殿が全焼してしまうんだなぁと思っていたら、あかねの「あなたの名前が知りたい」という台詞を思い出して階段に置いた足を地面に戻していた。
 この後に上記した塀の内側と外側で歩くあかねと季史のシーンがあるんだよねぇ。頼久に京を一望できる場所に連れて行ってもらい、京を守る龍神の神子として力があるなら、自分が好きな人たちをその力で守りたいと改めて決意したばかりだというのに、その封印するのが好きな人だったなんてなぁ。また、二人とも互いがいるとは知らないのに同じ位置で立ち止まるんだものなぁ。塀さえなかったら会えたのに。

 あかねは神気を高めるために塗籠に籠ってしまった。八葉と藤姫たちは、舞殿に巣くう怨霊の正体を知った。そこで冒頭の舞が流れた。本編とは別にまだ20代の友雅と、まだ出家していない幼い永泉が嬉しい映像でもあったな。
 そのとき舞われていたのは斎陵王で、逸話の通りに舞手は死んでしまった。舞殿が建てられる度に焼失するようになったのはそれからだと友雅が永泉の説明に付け加えていた。この話には続きがあると言った友雅は、鷹通に先を促した。そしてあかねが彼に見せた面の話を始めた。人から預かったと、詩紋がどうしてあかねがそれを持っていたのかと呟くと鷹通はあかねが言ったことを話した。それを聞いた瞬間に天真がその相手に嫉妬するのを見てああいいなぁと思った。アニメ、というか漫画版の天真は熱くていいよ。
 気になった鷹通は、舞を司る多家へ赴いた。そこで舞手の名が多季史で、10年前に死んだのが彼だけでなくその兄弟もといのがわかった。そして多家では斎陵王を舞うことを永遠に禁じたのだという。斎陵王の祟りだと多家は信じていたが、季史が呪詛にかけられ殺された。殺したのは彼の兄弟で、その彼らも呪詛の威力が強かったために死んでしまったとは泰明の解説だった。人を呪わば穴二つということだね。
 鷹通の話は続き、多家では面を供養しようとしたが、いつの間にかなくなっていたんだという。それをあかねが持っていた。そして皆はあかねが会っている相手が怨霊で彼女が想っている相手だと予測していた。そしてあかねは知らないだろうけど、怨霊の方は彼女が神子と知って近づいたかもしれないと。何故なら舞殿は神域であるため怨霊である季史は舞台に上ることができない。しかし神子が一緒なら上がれるから。そこで友雅は、昨日に10年前と全く変わらぬ姿の季史を見たと決定的な情報を皆に伝えた。
 相手が季史だとあかねはまた失敗して傷つくかも知れない。だから泰明に調伏してもらう方向で話が決まった。そしtれ永泉はこのことをあかねに伝えに行った。

 そしてあかねは……怨霊の正体を知って嗚咽した。永泉は幼い頃に見たその舞手が素晴らしい舞を舞う者だったと最後に話していた。それを聞いているのかいないのか、あかねは「神子……あの人は、あの人だけは私を神子とは呼ばなかった。私が何者でも構わないって……!」と声を出して泣き始めた。
 聞く者までが涙してしまうその鳴き声に、永泉は神子と言いかけてハッと口元を抑え「あかね殿……」と呟いて涙を零すとその場を立ち去った。永泉が初めて「あかね」と呼んでいたのも見どころの一つなのかもしれないなぁ。季史の正体を知って嘆き悲しむあかねは壁に自分の身体をぶつけていた(汗) ここ、あかねの悲しい気持ちは伝わってはくるのだけど、部屋の中のものを倒したり、壁に身体をぶつけたりするのはオーバーだなぁと思った。

 翌朝、姿を現したあかねの心は定まったのか、「行きましょう」と強い瞳で言った。そして、彼女らが出発してしばらくした頃に斎陵王の面が姿を消した。

 舞殿に季史が姿を現してから、ラストシーンまでは涙なくしては見られないと思う。

 あかねが舞殿に上ると同時に雨が降ってきて季史が現れた。あかねは「やっぱり貴方だったの!?」と愕然としているけれど、当の本人はどういう状況なのかわかっていないようだった。ただ、あかねがこちらを見ているのに気付いて「あかね?」と呟いているだけだった。
 そして悲しそうな顔で言った永泉の「多季史殿……」という言葉を聞いて彼は全てを思い出してしまった。呪詛をかけられ殺された瞬間に怨霊になってしまった自分を。都一と謳われた舞手であった自分は殺された。叫んだ季史にあかねは駆け寄ろったが、その時には彼はもう怨霊としての姿に変わってしまってた。
 天真が「止めろ!」と叫んでもあかねは季史に近寄り、その頬に手を伸ばした。そしてとうとう怨霊として目覚めた季史は、あかねえを神子と呼んで自分を連れて舞殿に上がるように命じた。自分は後少しで斎陵王を舞終わることができるのに、舞殿に上がろうとすると炎が舞い上がり近づけないからと言って。

 あかねにとって最も悲しかったのは、季史が怨霊だったことよりも舞殿に自分と一緒に上がるように命じたことよりも、自分を「龍神の神子」と呼んだことだった。そう呼ばれた瞬間のあかねの悲しそうな顔が見ていてとても辛い。
 あかねを助けようとして反撃された天真の元へ、咄嗟に駆け寄ろうとしたあかねの手を季史は掴んだ。それと同時にあかねの中には季史の記憶が流れ込んできた。そしてそれは八葉にも見えるものだたらしい。

母親に捨てられ多家に連れてこられたこと。
多家の子どもたちが母親の傍にいるのを離れたところから盗み見ていたこと。
三人の兄弟には完全に無視されて孤独だった幼少時代。
舞を教わる多家の子どもたちを下働きしながら見ていた少年時代。
独りで見よう見真似で練習していたら、それが認められたこと。
貴族たちの前で舞い、評価されたこと。
そのことを羨んだ多家の子どもたちに嫌がらせを受けたこと。
そして最期の日、斎陵王の面をつけた瞬間。

 あかねはそれを着けては駄目だと必死に叫んだけど、これは過去の映像なのでそれが覆るはずもない。何も持たなかった自分が舞の才能を認められた。それなのに舞を待っている途中に命が尽きてしまった。だから最後まで舞いたいという執念で季史は怨霊になったのだと彼は自分でもそう思っていたんだろう。
 気絶したあかねを抱えて舞殿に上がると火は出てこなかった。彼が舞台の中央に立つと火が噴き出た。何故と動揺する季史から、イノリがあかねを取り戻していた。そのまま季史を押さえつけ、天真にあかねを連れていくように言っていた。このときのイノリは確かに格好良かった!

 しかし季史は天真とイノリの動きなど目に入っていなかった。茫然と何故と呟いたあと、母親に手を放された瞬間と多家の子どもたちが母親に愛されている姿を思い出していた。

「何故私を受け入れてくれぬ!?」

 母親だけでなく、多家の人間にも受け入れてもらえずに傷ついていた少年時代、虐げられたときを思い出していた。そして唸りだした季史は雄たけびを上げた。その瞬間イノリは吹き飛ばされた。季史の怒りはもう舞を舞えなかったことではなく、自分に危害を加えようとした八葉への怒りへ変わっていた。お前たちまで私を受け入れないというのかと。
 そこから八葉と季史の戦いになるんだけど、怒りというより悲しみだよね。八葉も季史の過去を見ていただろうに……。
 戦いの途中で鷹通は友雅と永泉にどうしたのですかと声を上げた。八葉の力を結集しないと、と彼は言うけれど二人にとって季史は知っている人だものなぁ。更にその過去を知ってしまっては倒すなんて考えられないし、助けたいとしか思っていないんじゃないかなぁ。しかし季史強いな。
 再び舞殿に上がった季史は、火が噴き出し燃え広がるのを見てあかねに火を消せるのは神子だけだと言って目覚めよと声を出した。その直後、永泉の奏でる笛の音が聞こえてきた。その音に季史から荒々しさが和らいだ。そして友雅が彼の名を呼ぶと、季史も友雅の名を口にした。そして改めてあかねを渡すようにと季史は要求した。
 しかし友雅は季史が斎陵王の舞を舞い終えても心は満たされないだろうと言い出した。この火は季史の悲しみ。その悲しみが季史自身を焼き尽くそうとしているのだと。笛を吹くのを止めた永泉は、季史の舞う舞は素晴らしかったし、自分も最後まで見たいと思ったがと言葉を濁した。そして天真からあかねを託され、守るように彼女をしっかりと腕に抱いていた詩紋は、舞を舞うことが本当の望みなのかと尋ねた。本当は誰かに愛されたかっただけではないのかと。このときに詩紋ではなくあかねが映されていたのがまたいい。その誰かというのがあかねのことだと言っていると思わせる見せ方だもの。

「どんなに神子の力を借りようと、貴方のその悲しみが消えぬ限り、
炎も消えることはないのです」

 この火が自分の悲しみだと言われ、過去の記憶を思い出す季史は茫然として友雅の言葉を聞いていた。そして胸を押さえて彼は苦しみだした。その苦悶の声にあかねが気づいた。イノリは早く封印してしまえと促すが、あかねはできないと涙を浮かべていた。
 顔を覆って泣き出したあかねを鷹通が相手は怨霊だと言うが、天真は彼女の肩に手を置き「もういい」と声をかけた。そして泰明にやれと言った。季史はその間にとうとう膝をついて苦しみ続けていた。それを見た泰明は「調伏すれば神子が泣く」と言って動こうとはしなかった。
 そんな中、永泉は救えるのは神子だけだと発言した。「救う」という言葉にどうして怨霊を助けなければならないんだと反発するイノリに、今度は「それが神子の望みだからだ」と泰明が答えていた。どうすれば……最後にそう言った鷹通に、振り返った友雅が答えた。

「それを決めるのは神子殿だよ」

 ゆっくりと顔をあげたあかねに天真は道を譲った。泰明は季史が蹲っている舞殿の中央辺りまでの火の勢いを弱めてあげた。そしてあかねは季史の前まで進むとしゃがんだ。
 顔を上げた季史は、神子も自分を消すのかと胸を押さえながら尋ねてきた。しかしあかねは首を振り自分は季史と一緒にいると告げた。「まことか?」と尋ねる季史に、あかねは首を縦に振り、今にも泣き出しそうな顔で季史を見つめた。その瞳に映った自分の顔を見て、季史は戸惑うように自分の頬に刻まれている涙のような紋様の辺りに手をあてた。

「これが私か……? なんと醜い……」
「そう。これも貴方。そして雨に濡れないように私に衣をかけてくれた
 優しい人も貴方。私は……色んな貴方を知っている」

 そうして季史の手をあかねが握った瞬間に、頬に刻まれていた紋様が消えて季史は人間だった姿に戻っていった。

「……季史さん。やっと貴方の名前が呼べた」
「……私の名を呼ぶ者など、誰もいなかった……。
 そうだ……私は……優しい声で、
 ただ名を呼んでもらいたかっただけなのだ」
「……季史さん。もう、大丈夫だよ。
 季史さん……季史さん……季史さん……季史さん……!!」

 繰り返し季史の名を呼ぶと、あかねはこらえきれずに季史にしがみついて泣き始めた。自分の本当の望みを知り、あかねがそれを叶えてくれたからだろう。季史は「もう他に望むものはない」と静かに言った。そして傍に落ちていた斎陵王の面も燃えていた。
 あかねの肩を掴んでその顔を上げさせた季史は、あかねに自分の舞を見てくれと頼んだ。しかし穢れたこの身体であかねのために舞う舞を舞いたくない。だから自分を清めてくれと。。え、と茫然と自分を見るあかねに、季史はほほ笑んだ。

「そなたが龍神の神子でよかった……」

 そしてあかねは、季史の願いを聞いて彼を封印しますと答えた。彼女の答えに季史は満足そうに微笑んで「ありふがとう、あかね」と礼を述べた。舞殿から戻ったあかねは八葉の力を借りて季史を封印し始めた。神々しく光を放つあかねを、季史は炎に包まれた舞殿から穏やかな表情で見守っていた。
 永泉の笛と友雅の笙の音に合わせてあかねのために舞う季史の身体はほのかに光っていた。そして舞い終わると彼はあかねの傍へとやってきて、彼女の肩に手を置いて……。うーん。こういうのも抱き合うと表現してもいいんだろうか? 二人の身体が少し離れているんだよね。お互い見つめあったまま、季史はそのまま光を放ち天へと昇っていった。

 エピローグでは、あかねが自分が好きな人のために京を守ると決意を新たにしたあの場所へ皆と共に来ていた。藤姫にとっては重労働だったろうな(苦笑) その眺めにそれぞれの感想を言っている姿を見ていたあかねは心の中で一人一人の名前を呼んだ。皆大切な人たちと。「そして……もう一人」と思ったあかねは、最後に空を見上げた。

―――その人は、とても優しい人でした―――

 こんなにいい話だとは思わなくて、最初に見たときはもうボロボロ泣いてしまったなぁ。初めて見たあと、その後に三回くらい見たと思う。何度見ても泣いてしまう。これは「遥か」を見たことがない人にも是非見てほしい話だと思うよ。

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at 23:47, 真神恵, 遥かなる時空の中で

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