季史役を誰があてるのかを楽しみにしていた気がするなぁ。本当は映画館で見たかったけど、見たくても終了する時間が最終バスが出発する時間だったので諦めた覚えがある。そして「時空をかける少女」を見に行ったときにパンフレットだけ買ってきたんだっけなぁ。もちろん
豪華版で!(笑)
TV版の「遥か」は視聴が可能な地域での放送ではなかったので、DVDで全話を見た。その感想は全部ではないけれど、同じカテゴリー内で見られるかと。確か、セフルのときに感動して熱く語っていたんだっけ。このシリーズは、今後も私の住む地方で放送されなかったとしても、DVDは必ず買っていることだろう(笑) って、実際にこの「舞一夜」買ってるし!
そしてTVシリーズは本編も良かったし、絵も綺麗だったからこの劇場版だってガッカリすることはないだろうと思った。パンフレットに掲載されていたカットも綺麗だったしね。あかねが八葉以外と恋に落ちるなんて面白そうだと思った。
面白いことは面白かった。ラストでは泣いてしまったものなぁ。まず幻想的という言葉がピッタリな作品だったと思う。あと、演出が素晴らしい。特に、塀の内と外側であかねと季史が歩いているシーン。
他には平安時代という描写かな。貴族と庶民の生活なんか面白かった。ゲームをしたのは随分前になるので、忘れている部分が多いなぁ……。まだあかねは封印の能力がない頃だった。しかしこの時代の生活にはすっかり慣れた様子で最初は生き生きしているように見えた。
あかねと季史の出会いは雨の中を橋ですれ違ったときだった。お互い振り向いたのは、似た思いを抱えていたからだったのかなー。
皆から神子と呼ばれ守られ大事にされ、いてくれるだけでいいのだと言われても、あかねにとっては自分に何か力があるならそれを使って役に立ちたいと思っているからもどかしいだろうなぁ。彼女が明るい表情を浮かべていたのって冒頭だけだものね。
ゲームでは力がついたから怨霊の封印が可能になったと言われて、はいそうですかとサクッと封印していた。今回の映画はあかねが初めて怨霊を封印するという話なんだね。しかしゲームとは違い、最初は失敗という流れになっていた。
庶民が住んでいるところへイノリと詩紋が行くと、子どもの姿が見えない。聞けば子どもを攫う怨霊がいるとかで、だから外で遊ばせないようにしているんだという。そして藤姫に自分にしかできないという力を聞いたあかねはその怨霊を封印しようとして失敗。
封印へ至るまでの過程がこうやって映像化されるのが面白かった。怨霊の恨みや悲しみ、苦しみを知ることにもなる。神子はそれを包み込んで浄化できる。そう言われて実行しようとしてできず、そして泰明にサポートしてもらい今だと言われても「できない」と言って結局調伏することになってしまった。
そりゃね、神子に選ばれるくらいだから綺麗な心を持っているんだろうと思うけど、見た目に騙されるなんてなぁと思う。というか、何が怨霊の救いになるかと考えたら封印はできるんだけどなぁ。優しい心が仇となったと言う鷹通の台詞には納得できなかったなぁ(苦笑) いや、本当のことなんだけど。しかしあれは本当の優しさじゃないだろう。
最初に出会ったときに衣をかけてくれた季史に返すために橋で待っていたら、またもや雨に降られた。来るかどうかもわからない人を待っている自分に「何やってるんだろう」と思っていたところへ季史が来てくれた。
祠の前で雨宿りして話しているシーンは音楽がまたいいんだよね。持っている背景というのは違うけと同じ悩みを抱えた二人というシチュエーションもまたいい。今あかねが欲しい言葉をくれる季史に、彼女の心が急速に彼に向っていくのがよくわかる。
帰り道に自分の記憶がないと言う季史から、彼が大事そうに持っていた斎陵王の面を預かった直後、あかねは自分を呼ぶ天真の声に反応して行きかけた。季史もあかねに気持ちが行っているということなんだろうね。咄嗟に彼女の手を掴もうとしたのは。その瞬間、あかねの身体を何かが流れた。でも、この描写は先ほど子どもの怨霊と接触したときに彼女が怨霊の感情に呑まれそうになったときと同じだった。映画を見ている人間はすぐに気付いただろうけど、あかねはよく解っていないようだった。二度目程度だと解らないものなのかなぁ。
面について早速尋ねると、鷹通は面を見た瞬間に驚いていた。しかし斎陵王の舞にまつわる話をした後で神子が持つのは相応しくないから持ち主に返すようアドバイスしていた。ここでまたあかねを落ち込ませることを鷹通が言ってしまった(汗) 神子はたった一人の大切なひとだからと。この台詞は今のあかねにとって最も欲しくないものなのにね。
でも八葉である頼久には彼が普通の人間ではないと感じ取っているようだった。普通に藤原の屋敷の前を歩いている季史に驚いたけど(苦笑)
今日の平安を祈願するための奉納舞を舞う舞殿は建設すると燃えるらしく、怨霊の仕業ではないかと調査を依頼された泰明は、この怨霊の恨みが強くて神子の力で封印してもらわないといけないと言っていた。
あかねが湯浴みをしていると藤姫から聞いた永泉が頬を赤くしていたのが初々しいなぁと思った。あかねの様子がおかしいと話していたときに、季史宛ての手紙を古寺に置いて帰ってきた小天狗を、泰明が脅して白状させたために彼女が恋をしているのではないかと友雅が見立てていた。
これに鷹通は斎陵王の面とあかねが何か関係があるのではないかと思いつき、泰明はそれが何なのか理解できない様子(笑) 永泉と天馬はあかねに片想いしているだけにショックだったろうなぁ。部屋を出ていく天真を気遣わしげに見るイノリがいいねぇ。イノリだってあかねが好きだろうに。そして舞殿に巣くう怨霊を封印してほしいと言われたあかねは「ごめんなさい」と言って皆の前から自室に戻ってしまった。
小天狗が届けた文には面に関する詳細が記されていた。「斎陵王」と呟いた途端に季史は苦しみだした。フラッシュバックした記憶の中に、冒頭の舞で倒れた舞人が映し出された。まぁ、最初からわかっていたんだけどね。
怖い目で舞殿に現れた季史は、舞台に上ろうとした。すると彼の足もとから火が現れた。そのまま行ったらまた舞殿が全焼してしまうんだなぁと思っていたら、あかねの「あなたの名前が知りたい」という台詞を思い出して階段に置いた足を地面に戻していた。
この後に上記した塀の内側と外側で歩くあかねと季史のシーンがあるんだよねぇ。頼久に京を一望できる場所に連れて行ってもらい、京を守る龍神の神子として力があるなら、自分が好きな人たちをその力で守りたいと改めて決意したばかりだというのに、その封印するのが好きな人だったなんてなぁ。また、二人とも互いがいるとは知らないのに同じ位置で立ち止まるんだものなぁ。塀さえなかったら会えたのに。
あかねは神気を高めるために塗籠に籠ってしまった。八葉と藤姫たちは、舞殿に巣くう怨霊の正体を知った。そこで冒頭の舞が流れた。本編とは別にまだ20代の友雅と、まだ出家していない幼い永泉が嬉しい映像でもあったな。
そのとき舞われていたのは斎陵王で、逸話の通りに舞手は死んでしまった。舞殿が建てられる度に焼失するようになったのはそれからだと友雅が永泉の説明に付け加えていた。この話には続きがあると言った友雅は、鷹通に先を促した。そしてあかねが彼に見せた面の話を始めた。人から預かったと、詩紋がどうしてあかねがそれを持っていたのかと呟くと鷹通はあかねが言ったことを話した。それを聞いた瞬間に天真がその相手に嫉妬するのを見てああいいなぁと思った。アニメ、というか漫画版の天真は熱くていいよ。
気になった鷹通は、舞を司る多家へ赴いた。そこで舞手の名が多季史で、10年前に死んだのが彼だけでなくその兄弟もといのがわかった。そして多家では斎陵王を舞うことを永遠に禁じたのだという。斎陵王の祟りだと多家は信じていたが、季史が呪詛にかけられ殺された。殺したのは彼の兄弟で、その彼らも呪詛の威力が強かったために死んでしまったとは泰明の解説だった。人を呪わば穴二つということだね。
鷹通の話は続き、多家では面を供養しようとしたが、いつの間にかなくなっていたんだという。それをあかねが持っていた。そして皆はあかねが会っている相手が怨霊で彼女が想っている相手だと予測していた。そしてあかねは知らないだろうけど、怨霊の方は彼女が神子と知って近づいたかもしれないと。何故なら舞殿は神域であるため怨霊である季史は舞台に上ることができない。しかし神子が一緒なら上がれるから。そこで友雅は、昨日に10年前と全く変わらぬ姿の季史を見たと決定的な情報を皆に伝えた。
相手が季史だとあかねはまた失敗して傷つくかも知れない。だから泰明に調伏してもらう方向で話が決まった。そしtれ永泉はこのことをあかねに伝えに行った。
そしてあかねは……怨霊の正体を知って嗚咽した。永泉は幼い頃に見たその舞手が素晴らしい舞を舞う者だったと最後に話していた。それを聞いているのかいないのか、あかねは「神子……あの人は、あの人だけは私を神子とは呼ばなかった。私が何者でも構わないって……!」と声を出して泣き始めた。
聞く者までが涙してしまうその鳴き声に、永泉は神子と言いかけてハッと口元を抑え「あかね殿……」と呟いて涙を零すとその場を立ち去った。永泉が初めて「あかね」と呼んでいたのも見どころの一つなのかもしれないなぁ。季史の正体を知って嘆き悲しむあかねは壁に自分の身体をぶつけていた(汗) ここ、あかねの悲しい気持ちは伝わってはくるのだけど、部屋の中のものを倒したり、壁に身体をぶつけたりするのはオーバーだなぁと思った。
翌朝、姿を現したあかねの心は定まったのか、「行きましょう」と強い瞳で言った。そして、彼女らが出発してしばらくした頃に斎陵王の面が姿を消した。
舞殿に季史が姿を現してから、ラストシーンまでは涙なくしては見られないと思う。
あかねが舞殿に上ると同時に雨が降ってきて季史が現れた。あかねは「やっぱり貴方だったの!?」と愕然としているけれど、当の本人はどういう状況なのかわかっていないようだった。ただ、あかねがこちらを見ているのに気付いて「あかね?」と呟いているだけだった。
そして悲しそうな顔で言った永泉の「多季史殿……」という言葉を聞いて彼は全てを思い出してしまった。呪詛をかけられ殺された瞬間に怨霊になってしまった自分を。都一と謳われた舞手であった自分は殺された。叫んだ季史にあかねは駆け寄ろったが、その時には彼はもう怨霊としての姿に変わってしまってた。
天真が「止めろ!」と叫んでもあかねは季史に近寄り、その頬に手を伸ばした。そしてとうとう怨霊として目覚めた季史は、あかねえを神子と呼んで自分を連れて舞殿に上がるように命じた。自分は後少しで斎陵王を舞終わることができるのに、舞殿に上がろうとすると炎が舞い上がり近づけないからと言って。
あかねにとって最も悲しかったのは、季史が怨霊だったことよりも舞殿に自分と一緒に上がるように命じたことよりも、自分を「龍神の神子」と呼んだことだった。そう呼ばれた瞬間のあかねの悲しそうな顔が見ていてとても辛い。
あかねを助けようとして反撃された天真の元へ、咄嗟に駆け寄ろうとしたあかねの手を季史は掴んだ。それと同時にあかねの中には季史の記憶が流れ込んできた。そしてそれは八葉にも見えるものだたらしい。
母親に捨てられ多家に連れてこられたこと。
多家の子どもたちが母親の傍にいるのを離れたところから盗み見ていたこと。
三人の兄弟には完全に無視されて孤独だった幼少時代。
舞を教わる多家の子どもたちを下働きしながら見ていた少年時代。
独りで見よう見真似で練習していたら、それが認められたこと。
貴族たちの前で舞い、評価されたこと。
そのことを羨んだ多家の子どもたちに嫌がらせを受けたこと。
そして最期の日、斎陵王の面をつけた瞬間。
あかねはそれを着けては駄目だと必死に叫んだけど、これは過去の映像なのでそれが覆るはずもない。何も持たなかった自分が舞の才能を認められた。それなのに舞を待っている途中に命が尽きてしまった。だから最後まで舞いたいという執念で季史は怨霊になったのだと彼は自分でもそう思っていたんだろう。
気絶したあかねを抱えて舞殿に上がると火は出てこなかった。彼が舞台の中央に立つと火が噴き出た。何故と動揺する季史から、イノリがあかねを取り戻していた。そのまま季史を押さえつけ、天真にあかねを連れていくように言っていた。このときのイノリは確かに格好良かった!
しかし季史は天真とイノリの動きなど目に入っていなかった。茫然と何故と呟いたあと、母親に手を放された瞬間と多家の子どもたちが母親に愛されている姿を思い出していた。
「何故私を受け入れてくれぬ!?」
母親だけでなく、多家の人間にも受け入れてもらえずに傷ついていた少年時代、虐げられたときを思い出していた。そして唸りだした季史は雄たけびを上げた。その瞬間イノリは吹き飛ばされた。季史の怒りはもう舞を舞えなかったことではなく、自分に危害を加えようとした八葉への怒りへ変わっていた。お前たちまで私を受け入れないというのかと。
そこから八葉と季史の戦いになるんだけど、怒りというより悲しみだよね。八葉も季史の過去を見ていただろうに……。
戦いの途中で鷹通は友雅と永泉にどうしたのですかと声を上げた。八葉の力を結集しないと、と彼は言うけれど二人にとって季史は知っている人だものなぁ。更にその過去を知ってしまっては倒すなんて考えられないし、助けたいとしか思っていないんじゃないかなぁ。しかし季史強いな。
再び舞殿に上がった季史は、火が噴き出し燃え広がるのを見てあかねに火を消せるのは神子だけだと言って目覚めよと声を出した。その直後、永泉の奏でる笛の音が聞こえてきた。その音に季史から荒々しさが和らいだ。そして友雅が彼の名を呼ぶと、季史も友雅の名を口にした。そして改めてあかねを渡すようにと季史は要求した。
しかし友雅は季史が斎陵王の舞を舞い終えても心は満たされないだろうと言い出した。この火は季史の悲しみ。その悲しみが季史自身を焼き尽くそうとしているのだと。笛を吹くのを止めた永泉は、季史の舞う舞は素晴らしかったし、自分も最後まで見たいと思ったがと言葉を濁した。そして天真からあかねを託され、守るように彼女をしっかりと腕に抱いていた詩紋は、舞を舞うことが本当の望みなのかと尋ねた。本当は誰かに愛されたかっただけではないのかと。このときに詩紋ではなくあかねが映されていたのがまたいい。その誰かというのがあかねのことだと言っていると思わせる見せ方だもの。
「どんなに神子の力を借りようと、貴方のその悲しみが消えぬ限り、
炎も消えることはないのです」
この火が自分の悲しみだと言われ、過去の記憶を思い出す季史は茫然として友雅の言葉を聞いていた。そして胸を押さえて彼は苦しみだした。その苦悶の声にあかねが気づいた。イノリは早く封印してしまえと促すが、あかねはできないと涙を浮かべていた。
顔を覆って泣き出したあかねを鷹通が相手は怨霊だと言うが、天真は彼女の肩に手を置き「もういい」と声をかけた。そして泰明にやれと言った。季史はその間にとうとう膝をついて苦しみ続けていた。それを見た泰明は「調伏すれば神子が泣く」と言って動こうとはしなかった。
そんな中、永泉は救えるのは神子だけだと発言した。「救う」という言葉にどうして怨霊を助けなければならないんだと反発するイノリに、今度は「それが神子の望みだからだ」と泰明が答えていた。どうすれば……最後にそう言った鷹通に、振り返った友雅が答えた。
「それを決めるのは神子殿だよ」
ゆっくりと顔をあげたあかねに天真は道を譲った。泰明は季史が蹲っている舞殿の中央辺りまでの火の勢いを弱めてあげた。そしてあかねは季史の前まで進むとしゃがんだ。
顔を上げた季史は、神子も自分を消すのかと胸を押さえながら尋ねてきた。しかしあかねは首を振り自分は季史と一緒にいると告げた。「まことか?」と尋ねる季史に、あかねは首を縦に振り、今にも泣き出しそうな顔で季史を見つめた。その瞳に映った自分の顔を見て、季史は戸惑うように自分の頬に刻まれている涙のような紋様の辺りに手をあてた。
「これが私か……? なんと醜い……」
「そう。これも貴方。そして雨に濡れないように私に衣をかけてくれた
優しい人も貴方。私は……色んな貴方を知っている」
そうして季史の手をあかねが握った瞬間に、頬に刻まれていた紋様が消えて季史は人間だった姿に戻っていった。
「……季史さん。やっと貴方の名前が呼べた」
「……私の名を呼ぶ者など、誰もいなかった……。
そうだ……私は……優しい声で、
ただ名を呼んでもらいたかっただけなのだ」
「……季史さん。もう、大丈夫だよ。
季史さん……季史さん……季史さん……季史さん……!!」
繰り返し季史の名を呼ぶと、あかねはこらえきれずに季史にしがみついて泣き始めた。自分の本当の望みを知り、あかねがそれを叶えてくれたからだろう。季史は「もう他に望むものはない」と静かに言った。そして傍に落ちていた斎陵王の面も燃えていた。
あかねの肩を掴んでその顔を上げさせた季史は、あかねに自分の舞を見てくれと頼んだ。しかし穢れたこの身体であかねのために舞う舞を舞いたくない。だから自分を清めてくれと。。え、と茫然と自分を見るあかねに、季史はほほ笑んだ。
「そなたが龍神の神子でよかった……」
そしてあかねは、季史の願いを聞いて彼を封印しますと答えた。彼女の答えに季史は満足そうに微笑んで「ありふがとう、あかね」と礼を述べた。舞殿から戻ったあかねは八葉の力を借りて季史を封印し始めた。神々しく光を放つあかねを、季史は炎に包まれた舞殿から穏やかな表情で見守っていた。
永泉の笛と友雅の笙の音に合わせてあかねのために舞う季史の身体はほのかに光っていた。そして舞い終わると彼はあかねの傍へとやってきて、彼女の肩に手を置いて……。うーん。こういうのも抱き合うと表現してもいいんだろうか? 二人の身体が少し離れているんだよね。お互い見つめあったまま、季史はそのまま光を放ち天へと昇っていった。
エピローグでは、あかねが自分が好きな人のために京を守ると決意を新たにしたあの場所へ皆と共に来ていた。藤姫にとっては重労働だったろうな(苦笑) その眺めにそれぞれの感想を言っている姿を見ていたあかねは心の中で一人一人の名前を呼んだ。皆大切な人たちと。「そして……もう一人」と思ったあかねは、最後に空を見上げた。
―――その人は、とても優しい人でした―――
こんなにいい話だとは思わなくて、最初に見たときはもうボロボロ泣いてしまったなぁ。初めて見たあと、その後に三回くらい見たと思う。何度見ても泣いてしまう。これは「遥か」を見たことがない人にも是非見てほしい話だと思うよ。