2007.09.28 Friday
DARKER THAN BLACK -黒の契約者- 25話「死神の見る夢は、黒より暗い暗闇化か?」
前回はOPがなかったけど今回はあった。途中からリアルタイムで見て、見終わって首を捻った。CMあったっけ? 翌日確認したら、いつもだったら提供のあとにすぐ本編に入っていたのに、先にCMを入れて最後まで放送してくれていたんだね。
「ゴメンね。私にはもう、時間が残されていないの」
黒と銀が辿り着いたときには笑顔だったアンバーは、今回一転してはかない表情を浮かべていた。また、その口調は辛そうに聞こえた。あと一度しか力を使えないから時間が残されていないというのはわかるが、あの口調が気になった。しんどそうだったのは、幼い身体だとあの空間では耐えられないとかそういうことなのかなぁ?
斉藤と河野が様子を窺う向こうではパンドラの部隊と契約者たちの戦いが続いていた。あの子どもの契約者二人は、一人が攻撃でもう一人が防御担当のコンビで戦っていたようだけど、後ろからの攻撃であっさりやられてしまっていた。……ウェイが力に頼りすぎているとか言っていたけど、彼らもそうだよね。何で後ろから攻撃されると考えなかったんだろうか? それともあの防御って一方向のみ有効だったというんだろうか? まるで戦争だ、と今見たことに呆然としていると、そこへ松本が車でやってきたので二人はそれに乗り込みパンドラに向かった。
アンバーが語る真実。契約者はあるときから変わり始めた。それは誰が、ということではなく少しずつ変わっていったのだという。そして気がつけば契約者同士を「仲間」と呼び合い情報を持ち合うようになった。その中には黒の妹もいたのだという。そして組織の計画を最初に知ったのも彼の妹だった。驚く黒を見て、アンバーは兄を巻き込みたくなかったから何も言わなかったのだと教えた。
アンバーが語った内容で一番驚いたのが黒が契約者でなかったという事実だった。そうだとしたら、彼が対価を払わないのも納得できる。納得できるが、ではどうして契約者のように力を使うことができるのだろうか?
アンバーたちは、契約者の人権を普通の人間たちが認めないだけでなく、契約者全てを消そうとしているので、自分たちが生き延びるためにエクスプロ−ジョンを起こそうとしている。黒が計画に参加するなら人か契約者かのどちらかを選ばないといけなくなる。確かに人である黒にとっては決められないことなのかもしれないね。
これまで黒は妹の命を奪ったのがアンバーだと勘違いして彼女を憎んできたけど、パイが姿を消したのはアンバーのせいではなかった。契約者たちが起こした行動に対しても、妹は自らの意志で参加していたし。
パイはいつから変わったのか。その問いにアンバーは知らないと答えた。ただ、黒が契約者となった彼女を受け入れるため、黒が組織の命令に従うたびにパイは少しずつ傷付いたり悲しんだりして変わっていったんだと思うとアンバーは話した。何故解るのかというと、自分もそうだからとアンバーは続けた。更にそれは銀も同じだという。今はまだ解らないかもしれないが、ド−ルである銀たちも変わり始めているのだとアンバーは言う。
結局、ゲートを作ったのは誰なのか意図も不明のままだった。しかし自分たちが交わした契約は何かの始まりにすぎないとアンバーは言っていた。何故今まで話さなかったのかという問いに、アンバーは黒が今でないと自分の話を信じられないからだと答えていた。信じる信じない以前に、黒はアンバーを憎んでいたじゃないの(苦笑) 普通はそんな相手が何を言おうとも聞く耳は持っていないと思うけどな。
そのとき、銀が「もうすぐアレが来る」と伝えた。契約者とゲートを完全に消してしまうもの。私たちの止めたもの。アレという言葉に疑問符を付けて言う黒にアンバーはそう答えた。そして時計を見ていたアンバーは黒に振り返り「妹に会いたい?」と尋ねた。
アンバーは力を増幅するレンズを手にしていた。そこへ到達する前に砕いた筈なのに元に戻っているのを不思議だよねと言いながら。何のつもりだと問う黒に、アンバーは南米のときと同様に、アレが来る前にパイの力を解放すると告げた。そうすればヘブンズゲートのように誰も近付けなくなるからと言って。
だから黒、お願い。そう言ってレンズを差出すアンバーに、自分に何をしろと言うんだと黒は戸惑ったように尋ねるのだが、アンバーはもう気づいてる筈だと黒を真直ぐ見つめて言った。
「パイはずっと黒の中にいる。彼女が死んだと黒が思ったあのときからずっと。電撃は、パイの能力の始まりの部分でしかない。本当の力は黒、貴方が一番よく知っているはず! さぁ黒、パイに会いに行こう?」
意味がよくわからない……。パイは肉体が滅んで精神が黒の中に宿っているとかそういうこと? で、彼女の対価はしばらくの眠りで、黒が力を使うたびに対価は彼女がちゃんと払っていたというカラクリだったのか?
力を解放するように言うアンバーに、しかし黒は「この街はどうなる?」と尋ねた。自分が力を解放したら、妹に会いたいと望めば、契約者も人間もこの街で暮らす者たちはどうなるのだと。南米のときのように消えてしまうのかと。それを肯定するように、厳しい眼差しで自分を見つめるアンバーに、黒は「俺にはできない」と力なく答えた。黒が力を解放しなかったら、銀や自分も含めたこの星の全ての契約者が、黒一人を残して消えるとだけアンバーは告げた。……黒が迷うのがわかっていたからパイは兄には何も告げていなかった。
西島たちがアレの最終調整を始めていた。シュレーダー博士が「いよいよだよ〜」と悪そうな顔をして言い、西島は発射ボタンを押す準備をしていた。その前に西島は全モニターをつけろと言っていたけど、このときの博士との会話が面白かったな。西島は博士を用済みとは思っていても、別に彼を始末するとかそういう気持ちはないらしい。実験に協力的だからなのかな。
いよいよ発射時刻が迫ってきた。カウントダウンに入ると西島が告げると、博士が喜々として自分がやりたいとマイクを握っていた。やることは残酷なことなのだけど、子どものような博士を見ていると笑ってしまうなぁ。
それまで一言も発さないで事態を見ているだけしかできなかった美咲は、博士のカウントダウンが始まって、モニターに中心付近の映像が映るとそこで起きていることを理解した。そしてBK201は戸惑っているためエクスプロ−ジョンを引き起こさないと必死に訴えたが、彼女の言葉に耳を傾ける者はいなかった。
そして西島が発射ボタンを押す直前、アンバーはレンズを黒の身体に押しつけていた。博士のゼロカウントを告げる声とともに西島がボタンを押してから、中心地点から光が発生した。そしてその光は全てを覆い尽していった。……あれがエクスプロージョン??
白い世界の中で黒は独りで歩いていた。姿は子どもになっていて、目は虚ろな状態に見えた。しばらくすると白かった世界から靄が晴れて、上空には星空が現れた。それを見上げるなり黒は座り込んで嫌だ、こんなことはしたくなかったと泣き始めた。エクスプロージョンを起こして東京に、いや、博士の説明によれば日本全域と言っていたか、とにかく自分が原因で全てが消えてしまったことを悔やんでいた。
「どうしたの?」
その背中に声をかけるのは黒より大きいパイだった。組織に身を置いた黒が命じられるままに人を殺しているまだ幼い黒が「どうもしない」と冷たい目をして答えると、パイすぐに「嘘!」と返した。嘘じゃないと否定する黒に、パイは「だったらどうしてお兄ちゃんは泣いてるの?」と尋ねた。それは前回見たシーンだった。黒が眠るパイの首を絞めようと手をかけたあのときの。あのときパイは兄が泣いているのを見ていたんだね。
パイは自分を受け入れるために兄が望まぬことをしていると気づいていたと告げた。それに黒は「違う!」と答えたが、振り向いた顔には仮面が付けられていた。それこそが黒の気持ちだったんだろう。黒が仮面を付けていたのは、単に敵に顔を知られないためだと思っていたけど、本当は仮面を被っていないと任務を果たせなかったということだったんだね。すぐに取れてしまっていたけど、あれは黒の精神を守るためだったのね。
「違う! 俺は黒の死神だ!」
黒はそう言うが、仮面を着けているだけにそれが強がりにしか聞こえない。そんな兄の言葉にパイはそっと仮面を外して「そうじゃないよ。お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ。だからもう、無理しないで」と言って悲しそうに微笑んだ。外された黒も泣きそうな顔をしていた。
二人しかいなかった空間に現れたのは黄だった。黒の胸ぐらを掴んで放り投げた先にはマオが座っていて、驚く黒の後ろにはノーベンバー11までもが現れた。
黄「まぁったくふざけやがって! 無理して粋がってんじゃねぇよ! お前のその、どっちつかずの態度に俺がどれだけ振り回されたか、わかってんのか!?」
マオ「だが、それが黒の面白いところでもある」
ノーベンバー11「でもまさか、その存在までもがどっち付かずだとは思わなかった。どうりで契約者らしくないとは思ったがね?」
黄「わかったか? ただの人間のお前が契約者の振りをするから話がややこしくなるんだ! どっちか一方が無理なら、両方取れ!」
マオ「契約者らしく、そして人間らしく」
黄「それよ」
黄を除いて黒に関わった契約者たちが現れた中に、ウェイがいたので不思議な気分だった(笑) それに黄は死んでからの方がいいことを言うではないか。
ポカンとしていた黒は、黄の言葉に心を決めたようだった。そこに水を差したのはアンバーだった。昔の姿に戻っていたアンバーは両方を選んだ先には困難しか待っていないと告げて「それでいいの?」と尋ねてきた。組織はどんな手を使ってでも黒を追ってくる。アンバーがそれでいいのと尋ねたのは、そうなるとまた人を殺さざるを得ず、後で黒が苦しむのが解っているからだった。妹に会えて本当の星空を見ることができたのに、戻ればもう手に入らなくなる。それでもいいのかと尚も問おうとするアンバーに、黒は何も言わず彼女を抱き締めた。
アンバーの行動は、全て黒のためだったのか? しかしノーベンバー11はアンバーが黒を手放したくなかったからではないかと指摘していた。何かを言いかけた黒の口を塞いだアンバーは、パイが差し伸べた手を取って彼女の隣に並んだ。そしてパイは満足そうな顔をして兄にさよならを告げた。
「さよなら、お兄ちゃん」
「さよなら……シン」
対する黒の表情にも迷いはなくなっていた。妹の次には黒を諭しに来た皆に、そして最後にアンバーに別れを告げると、再び白い靄が周囲を覆った。驚く黒の前には再び幼い姿のアンバーが現れた。悲しげな表情で黒を見つめるアンバーの姿がどんどん遠ざかっていくと思ったら、次の瞬間黒は濁流に飲み込まれた。黒い空間を漂う黒に、上空から銀の声が聞こえてきた。
「黒、帰ってきて! 私を独りにしないで!!」
呼ばれた瞬間に、黒は銀の名を呼んでいたけど、彼女には聞こえていないらしい。そして黒は流れに逆らい声のする方へ手を伸ばした。感情らしいものが目覚めてきた銀だったけど、ここまで感情的な声を発したのは初めてだった。あのまま黒い……虚無とでも言ったらいいのか、あの空間に落ちていったら黒は死んでいたんだろうか?
黒が意識を取り戻すと、彼は銀に手を繋がれていた。黒の名前を呼ぶ銀の声は元の感情の含まれない声だったけど、心の声はあんなにも黒を必要としているものだったんだね。アンバーは黒に今は解らないかもしれないけどと言っていたが、これで銀にも普通の人間のように感情が芽生えていると知ることができたよね。
気づいた黒がアンバーのことを尋ねると、銀は彼女がいた場所を向いた。その顔は悲しそうな表情に見えた。アンバーが時計の前に立ったときは時計の針は7時ちょうどを示していた。その時計を見上げると熱で変形してしまった針がその15分前を示していた。アンバーが最初からそのつもりだったと知り、黒は自分の成すべきことをしに目的地に向かった。
時間が巻き戻ったのでパンドラ内では同じ光景が映し出されていた。しかしボタンを押す直前に映し出された中心部のモニターには誰もいなかった。BK201は戸惑っている、中心地にはいない。どちらにしてもエクスプロージョンは起こらないのに、契約者を根絶やしにする作戦はそれが起ころうと起こらずとも関係がなかった。パンドラの言い分はここで実行しなければ、次の大黒斑の出現時に同じことが起きる脅威から逃れるためだとなるんだろうな……。
しかし、今度はボタンを押しても何も起こらなかった。黒がシステムを破壊したためだった。そしてその場にいる全員の身体が光りに包まれていた。このとき、ボディチェックを受けたときに没収されたレコーダーが何故か美咲のポケットに戻っていた。これはアンバーの仕業だろうか? 契約者も人間だと言い切った美咲に後のことを託したということなのだろうか?
施設が爆発して青空が見えるほど天井が吹き飛んでしまった。西島はそれに構わず第二射の準備にかかれと命じていたが、それを博士は無駄だと言って止めた。理由を問う西島に、システム内の反ゲート粒子が、BK201の放った電撃に伴なう特殊粒子光により完全に変異してしまったからだと答えた。今の彼の電撃はただの電磁波ではなく、物質そのものを粒子レベルで変異させてしまうのだと言う。それは普通の人間が契約者になってしまうようなものだと言って、博士は説明を終えた。
博士はやっぱり単に実験が好きな科学者だった(笑) 南米のときのように不可侵領域を作ると思っていたのに、サターンリングにピンポイントで攻撃してくるとは思わなかったと笑顔で「一本取られた」と感心していた。これに西島もとうとう本性を出してしまった(苦笑)
博士を殴り摘み出せと命じた西島に、宝来は銃を向けて躊躇いもなく彼を射殺してしまった。撃たれる直前、西島は「組織が私を切るはずが……」と言っていたが、失敗したら殺すように宝来は命じられていたんだね。
宝来は表情を変えず西島を撃ったあと、遺体に近寄りその手に銃を握らせた。職員全員が逃げたあと、その場に残っていたのは宝来と美咲だけだった。そして宝来は自分たちは潜入捜査をしており、対象の西島の容疑は国連法違反と内乱罪だと言った。すぐにそんなものが思いつくなんて、これまでいったいどれだけの人間を葬ってきたんだろう……。
美咲は宝来に組織のそれが組織のやり方なのかと尋ねていた。そしてエクスプロージョンの危機が去っていたにも関わらず、西島と共に契約者の大量殺戮を目論んだと確認を取っていた。先に仕掛けたのはEPRではなく組織の方だった。美咲はそれを指摘するが、宝来に証拠はと問われると答えに詰まった。しかし真相はいずれ明らかにされ、歴史の中で判断お下されるときが来るとだけ返した。いずれにせよ、今回の一件で契約者の存在が明らかになるのは避けられない。そうなる前に全てを闇に消し去るべきだったと語った宝来に、美咲は充分ですとだけ言って会話を打ち切った。そして録音したとレコーダーを見せ、同行を願い出た。
宝来は美咲に「第三の道を選択したと言うワケか」と言うや否や、彼女を殺そうとその首を締め付けた。苦しむ美咲に、彼女が選択した未来だとより激しい社会しか待っていないのに何故わからないのだと言っていた。人類はより契約者を憎み、契約者はより人類を憎む。その先に待ち受ける未来を想像し、宝来は美咲に「誰よりも平和を愛する君がそんなことが解らぬ筈では……」と言うけど……平和を愛するから宝来たち組織のやり方に異議を唱えるんじゃないの。それこそ、そんなことも解らないのかと言いたい。
その宝来の腕に黒のワイヤーが絡んできた。電撃を浴びたものの、彼の腕はどうやら義手だったらしくダメージを与えられなかったようだった。宝来対黒の戦いは、やはり若い黒の勝ち以外あり得なかっただろう。宝来にとどめを刺そうとする黒に、美咲は「駄目!」と言って制止した。
西島の手に握られた銃を取って黒にそれを向け、美咲は待ちなさいと命じた。一瞬動きを止めたものの黒はそのまま立ち去ろうとした。しかし、美咲に「待って! 李くん!」と懇願されると黒は振り向き「李という男はもういない」とだけ告げると今度こそ立ち去ってしまった。……美咲、気づいていたのか。でも確信が持てなかったと。ここで一か八か声をかけてみたということなのかなぁ。
美咲のナレーションでエピローグが語られていた。宝来の言った通り、日常が戻ると契約者絡みの犯罪は増加の一途を辿っているらしい。ここで流れていた映像が、1話と全く同じというのはどういう意味なのだろうか? 同じ能力を持つ契約者が出てきたことがあったけど、誰かが死ぬと別の誰かがその力を得るという仕組みなんだろうか? 映像を見ていたらそんな風にしか思えないなぁ。
以前と違うのは、契約者の存在が明るみになったことだった。とはいえ、組織に関しては全く打つ手なしのようで美咲たちは苦戦しているようだった。宝来が取り調べを受けている光景が描かれていたけど、何だか憔悴した感じがしたなぁ。結局、彼も組織の駒の一つにすぎず、捕まった時点で切り捨てられたのかもしれないね。刑務所に入って出所したとしても、彼に待っているのは組織によって消される運命なんだろう。結局、ゲートに関してと同様に組織についても全貌は全く明らかにされずに終わってしまった。これは、続きを作ろうと思えば作れるぞというアピールなんだろうか。
李は強制送還になったということになったらしい。美咲が彼の住んでいた部屋を訪れて、窓から外を見るというのも1話と同じだと言えなくもない。違っていたのは、美咲が見覚えのある後ろ姿を見つけたということか。
それが黒だと思って追い掛ける美咲がここでモノローグで言っていたのは「私たちは同じ道を選んだのだろうか? 共に生きるという道を」だった。第三の道を、黒も選んだのは確かだろう。ただ、それを黒の口から聞きたいと美咲は切望するが、多分そんな機会はもうないんだろうなと思わせられる最後だった。
最後の最後で出てきたマオにそっくりの猫を抱き上げたのはあの中華料理屋の娘なのだろうか? そして銀の姿をしたあの観測霊は??
これで最後なのかと言わざるを得ないラストだったなぁ。風呂敷を広げたのに、主人公が行ったのは目の前の危機を防いだだけで終わってしまった。契約者といっても人間なのだから、対価が時間に関するものでないかぎりは普通に年を取っていくんだよね。今回のように一気に契約者を消滅させられないとしても、根絶やしにするという目的はなくなっていない筈だし……どうなるんだと思うのだけど……。
黒って結局本名はわからないままだったなぁ。主人公の黒は暗かった……。しかしそのためなのだろうか? マオがとてもいいキャラになっていたと思う。マオ役が沢木さんだと知ってとても驚いた覚えがある。キャラが猫だったらマスコット的な位置付けで女性がするのかなと思っていただけにこれはやられたと思った。またマオに合っていたし! いつもだったらイメージが違うと慣れるまで時間がかかるものだったのだけど、そこはやっぱりベテランが声をあてていたからだろうか? 意外だと思っただけですんなり受け入れられた。
声に関してもう少し言えば、新人から若手、中堅、ベテランと揃っていたのは本当に素晴らしかったと思う。個人的には井上さんと草尾さんが出てきてくれたのが嬉しいかな。この作品は色彩も黒が多くて嬉しかったけど、何を一番にあげるのかと問われたら、この声優の豪華さだと思う! ……って、それっていつも書いていることと同じじゃないの(苦笑) それでもやっぱり私にとっては声が一番比重が大きいんだなぁ。
まぁ、物語に関しては100%良かったとは言えないけど、本当にお疲れさまだとスタッフの人たちには言いたいな。
「ゴメンね。私にはもう、時間が残されていないの」
黒と銀が辿り着いたときには笑顔だったアンバーは、今回一転してはかない表情を浮かべていた。また、その口調は辛そうに聞こえた。あと一度しか力を使えないから時間が残されていないというのはわかるが、あの口調が気になった。しんどそうだったのは、幼い身体だとあの空間では耐えられないとかそういうことなのかなぁ?
斉藤と河野が様子を窺う向こうではパンドラの部隊と契約者たちの戦いが続いていた。あの子どもの契約者二人は、一人が攻撃でもう一人が防御担当のコンビで戦っていたようだけど、後ろからの攻撃であっさりやられてしまっていた。……ウェイが力に頼りすぎているとか言っていたけど、彼らもそうだよね。何で後ろから攻撃されると考えなかったんだろうか? それともあの防御って一方向のみ有効だったというんだろうか? まるで戦争だ、と今見たことに呆然としていると、そこへ松本が車でやってきたので二人はそれに乗り込みパンドラに向かった。
アンバーが語る真実。契約者はあるときから変わり始めた。それは誰が、ということではなく少しずつ変わっていったのだという。そして気がつけば契約者同士を「仲間」と呼び合い情報を持ち合うようになった。その中には黒の妹もいたのだという。そして組織の計画を最初に知ったのも彼の妹だった。驚く黒を見て、アンバーは兄を巻き込みたくなかったから何も言わなかったのだと教えた。
アンバーが語った内容で一番驚いたのが黒が契約者でなかったという事実だった。そうだとしたら、彼が対価を払わないのも納得できる。納得できるが、ではどうして契約者のように力を使うことができるのだろうか?
アンバーたちは、契約者の人権を普通の人間たちが認めないだけでなく、契約者全てを消そうとしているので、自分たちが生き延びるためにエクスプロ−ジョンを起こそうとしている。黒が計画に参加するなら人か契約者かのどちらかを選ばないといけなくなる。確かに人である黒にとっては決められないことなのかもしれないね。
これまで黒は妹の命を奪ったのがアンバーだと勘違いして彼女を憎んできたけど、パイが姿を消したのはアンバーのせいではなかった。契約者たちが起こした行動に対しても、妹は自らの意志で参加していたし。
パイはいつから変わったのか。その問いにアンバーは知らないと答えた。ただ、黒が契約者となった彼女を受け入れるため、黒が組織の命令に従うたびにパイは少しずつ傷付いたり悲しんだりして変わっていったんだと思うとアンバーは話した。何故解るのかというと、自分もそうだからとアンバーは続けた。更にそれは銀も同じだという。今はまだ解らないかもしれないが、ド−ルである銀たちも変わり始めているのだとアンバーは言う。
結局、ゲートを作ったのは誰なのか意図も不明のままだった。しかし自分たちが交わした契約は何かの始まりにすぎないとアンバーは言っていた。何故今まで話さなかったのかという問いに、アンバーは黒が今でないと自分の話を信じられないからだと答えていた。信じる信じない以前に、黒はアンバーを憎んでいたじゃないの(苦笑) 普通はそんな相手が何を言おうとも聞く耳は持っていないと思うけどな。
そのとき、銀が「もうすぐアレが来る」と伝えた。契約者とゲートを完全に消してしまうもの。私たちの止めたもの。アレという言葉に疑問符を付けて言う黒にアンバーはそう答えた。そして時計を見ていたアンバーは黒に振り返り「妹に会いたい?」と尋ねた。
アンバーは力を増幅するレンズを手にしていた。そこへ到達する前に砕いた筈なのに元に戻っているのを不思議だよねと言いながら。何のつもりだと問う黒に、アンバーは南米のときと同様に、アレが来る前にパイの力を解放すると告げた。そうすればヘブンズゲートのように誰も近付けなくなるからと言って。
だから黒、お願い。そう言ってレンズを差出すアンバーに、自分に何をしろと言うんだと黒は戸惑ったように尋ねるのだが、アンバーはもう気づいてる筈だと黒を真直ぐ見つめて言った。
「パイはずっと黒の中にいる。彼女が死んだと黒が思ったあのときからずっと。電撃は、パイの能力の始まりの部分でしかない。本当の力は黒、貴方が一番よく知っているはず! さぁ黒、パイに会いに行こう?」
意味がよくわからない……。パイは肉体が滅んで精神が黒の中に宿っているとかそういうこと? で、彼女の対価はしばらくの眠りで、黒が力を使うたびに対価は彼女がちゃんと払っていたというカラクリだったのか?
力を解放するように言うアンバーに、しかし黒は「この街はどうなる?」と尋ねた。自分が力を解放したら、妹に会いたいと望めば、契約者も人間もこの街で暮らす者たちはどうなるのだと。南米のときのように消えてしまうのかと。それを肯定するように、厳しい眼差しで自分を見つめるアンバーに、黒は「俺にはできない」と力なく答えた。黒が力を解放しなかったら、銀や自分も含めたこの星の全ての契約者が、黒一人を残して消えるとだけアンバーは告げた。……黒が迷うのがわかっていたからパイは兄には何も告げていなかった。
西島たちがアレの最終調整を始めていた。シュレーダー博士が「いよいよだよ〜」と悪そうな顔をして言い、西島は発射ボタンを押す準備をしていた。その前に西島は全モニターをつけろと言っていたけど、このときの博士との会話が面白かったな。西島は博士を用済みとは思っていても、別に彼を始末するとかそういう気持ちはないらしい。実験に協力的だからなのかな。
いよいよ発射時刻が迫ってきた。カウントダウンに入ると西島が告げると、博士が喜々として自分がやりたいとマイクを握っていた。やることは残酷なことなのだけど、子どものような博士を見ていると笑ってしまうなぁ。
それまで一言も発さないで事態を見ているだけしかできなかった美咲は、博士のカウントダウンが始まって、モニターに中心付近の映像が映るとそこで起きていることを理解した。そしてBK201は戸惑っているためエクスプロ−ジョンを引き起こさないと必死に訴えたが、彼女の言葉に耳を傾ける者はいなかった。
そして西島が発射ボタンを押す直前、アンバーはレンズを黒の身体に押しつけていた。博士のゼロカウントを告げる声とともに西島がボタンを押してから、中心地点から光が発生した。そしてその光は全てを覆い尽していった。……あれがエクスプロージョン??
白い世界の中で黒は独りで歩いていた。姿は子どもになっていて、目は虚ろな状態に見えた。しばらくすると白かった世界から靄が晴れて、上空には星空が現れた。それを見上げるなり黒は座り込んで嫌だ、こんなことはしたくなかったと泣き始めた。エクスプロージョンを起こして東京に、いや、博士の説明によれば日本全域と言っていたか、とにかく自分が原因で全てが消えてしまったことを悔やんでいた。
「どうしたの?」
その背中に声をかけるのは黒より大きいパイだった。組織に身を置いた黒が命じられるままに人を殺しているまだ幼い黒が「どうもしない」と冷たい目をして答えると、パイすぐに「嘘!」と返した。嘘じゃないと否定する黒に、パイは「だったらどうしてお兄ちゃんは泣いてるの?」と尋ねた。それは前回見たシーンだった。黒が眠るパイの首を絞めようと手をかけたあのときの。あのときパイは兄が泣いているのを見ていたんだね。
パイは自分を受け入れるために兄が望まぬことをしていると気づいていたと告げた。それに黒は「違う!」と答えたが、振り向いた顔には仮面が付けられていた。それこそが黒の気持ちだったんだろう。黒が仮面を付けていたのは、単に敵に顔を知られないためだと思っていたけど、本当は仮面を被っていないと任務を果たせなかったということだったんだね。すぐに取れてしまっていたけど、あれは黒の精神を守るためだったのね。
「違う! 俺は黒の死神だ!」
黒はそう言うが、仮面を着けているだけにそれが強がりにしか聞こえない。そんな兄の言葉にパイはそっと仮面を外して「そうじゃないよ。お兄ちゃんはお兄ちゃんだよ。だからもう、無理しないで」と言って悲しそうに微笑んだ。外された黒も泣きそうな顔をしていた。
二人しかいなかった空間に現れたのは黄だった。黒の胸ぐらを掴んで放り投げた先にはマオが座っていて、驚く黒の後ろにはノーベンバー11までもが現れた。
黄「まぁったくふざけやがって! 無理して粋がってんじゃねぇよ! お前のその、どっちつかずの態度に俺がどれだけ振り回されたか、わかってんのか!?」
マオ「だが、それが黒の面白いところでもある」
ノーベンバー11「でもまさか、その存在までもがどっち付かずだとは思わなかった。どうりで契約者らしくないとは思ったがね?」
黄「わかったか? ただの人間のお前が契約者の振りをするから話がややこしくなるんだ! どっちか一方が無理なら、両方取れ!」
マオ「契約者らしく、そして人間らしく」
黄「それよ」
黄を除いて黒に関わった契約者たちが現れた中に、ウェイがいたので不思議な気分だった(笑) それに黄は死んでからの方がいいことを言うではないか。
ポカンとしていた黒は、黄の言葉に心を決めたようだった。そこに水を差したのはアンバーだった。昔の姿に戻っていたアンバーは両方を選んだ先には困難しか待っていないと告げて「それでいいの?」と尋ねてきた。組織はどんな手を使ってでも黒を追ってくる。アンバーがそれでいいのと尋ねたのは、そうなるとまた人を殺さざるを得ず、後で黒が苦しむのが解っているからだった。妹に会えて本当の星空を見ることができたのに、戻ればもう手に入らなくなる。それでもいいのかと尚も問おうとするアンバーに、黒は何も言わず彼女を抱き締めた。
アンバーの行動は、全て黒のためだったのか? しかしノーベンバー11はアンバーが黒を手放したくなかったからではないかと指摘していた。何かを言いかけた黒の口を塞いだアンバーは、パイが差し伸べた手を取って彼女の隣に並んだ。そしてパイは満足そうな顔をして兄にさよならを告げた。
「さよなら、お兄ちゃん」
「さよなら……シン」
対する黒の表情にも迷いはなくなっていた。妹の次には黒を諭しに来た皆に、そして最後にアンバーに別れを告げると、再び白い靄が周囲を覆った。驚く黒の前には再び幼い姿のアンバーが現れた。悲しげな表情で黒を見つめるアンバーの姿がどんどん遠ざかっていくと思ったら、次の瞬間黒は濁流に飲み込まれた。黒い空間を漂う黒に、上空から銀の声が聞こえてきた。
「黒、帰ってきて! 私を独りにしないで!!」
呼ばれた瞬間に、黒は銀の名を呼んでいたけど、彼女には聞こえていないらしい。そして黒は流れに逆らい声のする方へ手を伸ばした。感情らしいものが目覚めてきた銀だったけど、ここまで感情的な声を発したのは初めてだった。あのまま黒い……虚無とでも言ったらいいのか、あの空間に落ちていったら黒は死んでいたんだろうか?
黒が意識を取り戻すと、彼は銀に手を繋がれていた。黒の名前を呼ぶ銀の声は元の感情の含まれない声だったけど、心の声はあんなにも黒を必要としているものだったんだね。アンバーは黒に今は解らないかもしれないけどと言っていたが、これで銀にも普通の人間のように感情が芽生えていると知ることができたよね。
気づいた黒がアンバーのことを尋ねると、銀は彼女がいた場所を向いた。その顔は悲しそうな表情に見えた。アンバーが時計の前に立ったときは時計の針は7時ちょうどを示していた。その時計を見上げると熱で変形してしまった針がその15分前を示していた。アンバーが最初からそのつもりだったと知り、黒は自分の成すべきことをしに目的地に向かった。
時間が巻き戻ったのでパンドラ内では同じ光景が映し出されていた。しかしボタンを押す直前に映し出された中心部のモニターには誰もいなかった。BK201は戸惑っている、中心地にはいない。どちらにしてもエクスプロージョンは起こらないのに、契約者を根絶やしにする作戦はそれが起ころうと起こらずとも関係がなかった。パンドラの言い分はここで実行しなければ、次の大黒斑の出現時に同じことが起きる脅威から逃れるためだとなるんだろうな……。
しかし、今度はボタンを押しても何も起こらなかった。黒がシステムを破壊したためだった。そしてその場にいる全員の身体が光りに包まれていた。このとき、ボディチェックを受けたときに没収されたレコーダーが何故か美咲のポケットに戻っていた。これはアンバーの仕業だろうか? 契約者も人間だと言い切った美咲に後のことを託したということなのだろうか?
施設が爆発して青空が見えるほど天井が吹き飛んでしまった。西島はそれに構わず第二射の準備にかかれと命じていたが、それを博士は無駄だと言って止めた。理由を問う西島に、システム内の反ゲート粒子が、BK201の放った電撃に伴なう特殊粒子光により完全に変異してしまったからだと答えた。今の彼の電撃はただの電磁波ではなく、物質そのものを粒子レベルで変異させてしまうのだと言う。それは普通の人間が契約者になってしまうようなものだと言って、博士は説明を終えた。
博士はやっぱり単に実験が好きな科学者だった(笑) 南米のときのように不可侵領域を作ると思っていたのに、サターンリングにピンポイントで攻撃してくるとは思わなかったと笑顔で「一本取られた」と感心していた。これに西島もとうとう本性を出してしまった(苦笑)
博士を殴り摘み出せと命じた西島に、宝来は銃を向けて躊躇いもなく彼を射殺してしまった。撃たれる直前、西島は「組織が私を切るはずが……」と言っていたが、失敗したら殺すように宝来は命じられていたんだね。
宝来は表情を変えず西島を撃ったあと、遺体に近寄りその手に銃を握らせた。職員全員が逃げたあと、その場に残っていたのは宝来と美咲だけだった。そして宝来は自分たちは潜入捜査をしており、対象の西島の容疑は国連法違反と内乱罪だと言った。すぐにそんなものが思いつくなんて、これまでいったいどれだけの人間を葬ってきたんだろう……。
美咲は宝来に組織のそれが組織のやり方なのかと尋ねていた。そしてエクスプロージョンの危機が去っていたにも関わらず、西島と共に契約者の大量殺戮を目論んだと確認を取っていた。先に仕掛けたのはEPRではなく組織の方だった。美咲はそれを指摘するが、宝来に証拠はと問われると答えに詰まった。しかし真相はいずれ明らかにされ、歴史の中で判断お下されるときが来るとだけ返した。いずれにせよ、今回の一件で契約者の存在が明らかになるのは避けられない。そうなる前に全てを闇に消し去るべきだったと語った宝来に、美咲は充分ですとだけ言って会話を打ち切った。そして録音したとレコーダーを見せ、同行を願い出た。
宝来は美咲に「第三の道を選択したと言うワケか」と言うや否や、彼女を殺そうとその首を締め付けた。苦しむ美咲に、彼女が選択した未来だとより激しい社会しか待っていないのに何故わからないのだと言っていた。人類はより契約者を憎み、契約者はより人類を憎む。その先に待ち受ける未来を想像し、宝来は美咲に「誰よりも平和を愛する君がそんなことが解らぬ筈では……」と言うけど……平和を愛するから宝来たち組織のやり方に異議を唱えるんじゃないの。それこそ、そんなことも解らないのかと言いたい。
その宝来の腕に黒のワイヤーが絡んできた。電撃を浴びたものの、彼の腕はどうやら義手だったらしくダメージを与えられなかったようだった。宝来対黒の戦いは、やはり若い黒の勝ち以外あり得なかっただろう。宝来にとどめを刺そうとする黒に、美咲は「駄目!」と言って制止した。
西島の手に握られた銃を取って黒にそれを向け、美咲は待ちなさいと命じた。一瞬動きを止めたものの黒はそのまま立ち去ろうとした。しかし、美咲に「待って! 李くん!」と懇願されると黒は振り向き「李という男はもういない」とだけ告げると今度こそ立ち去ってしまった。……美咲、気づいていたのか。でも確信が持てなかったと。ここで一か八か声をかけてみたということなのかなぁ。
美咲のナレーションでエピローグが語られていた。宝来の言った通り、日常が戻ると契約者絡みの犯罪は増加の一途を辿っているらしい。ここで流れていた映像が、1話と全く同じというのはどういう意味なのだろうか? 同じ能力を持つ契約者が出てきたことがあったけど、誰かが死ぬと別の誰かがその力を得るという仕組みなんだろうか? 映像を見ていたらそんな風にしか思えないなぁ。
以前と違うのは、契約者の存在が明るみになったことだった。とはいえ、組織に関しては全く打つ手なしのようで美咲たちは苦戦しているようだった。宝来が取り調べを受けている光景が描かれていたけど、何だか憔悴した感じがしたなぁ。結局、彼も組織の駒の一つにすぎず、捕まった時点で切り捨てられたのかもしれないね。刑務所に入って出所したとしても、彼に待っているのは組織によって消される運命なんだろう。結局、ゲートに関してと同様に組織についても全貌は全く明らかにされずに終わってしまった。これは、続きを作ろうと思えば作れるぞというアピールなんだろうか。
李は強制送還になったということになったらしい。美咲が彼の住んでいた部屋を訪れて、窓から外を見るというのも1話と同じだと言えなくもない。違っていたのは、美咲が見覚えのある後ろ姿を見つけたということか。
それが黒だと思って追い掛ける美咲がここでモノローグで言っていたのは「私たちは同じ道を選んだのだろうか? 共に生きるという道を」だった。第三の道を、黒も選んだのは確かだろう。ただ、それを黒の口から聞きたいと美咲は切望するが、多分そんな機会はもうないんだろうなと思わせられる最後だった。
最後の最後で出てきたマオにそっくりの猫を抱き上げたのはあの中華料理屋の娘なのだろうか? そして銀の姿をしたあの観測霊は??
これで最後なのかと言わざるを得ないラストだったなぁ。風呂敷を広げたのに、主人公が行ったのは目の前の危機を防いだだけで終わってしまった。契約者といっても人間なのだから、対価が時間に関するものでないかぎりは普通に年を取っていくんだよね。今回のように一気に契約者を消滅させられないとしても、根絶やしにするという目的はなくなっていない筈だし……どうなるんだと思うのだけど……。
黒って結局本名はわからないままだったなぁ。主人公の黒は暗かった……。しかしそのためなのだろうか? マオがとてもいいキャラになっていたと思う。マオ役が沢木さんだと知ってとても驚いた覚えがある。キャラが猫だったらマスコット的な位置付けで女性がするのかなと思っていただけにこれはやられたと思った。またマオに合っていたし! いつもだったらイメージが違うと慣れるまで時間がかかるものだったのだけど、そこはやっぱりベテランが声をあてていたからだろうか? 意外だと思っただけですんなり受け入れられた。
声に関してもう少し言えば、新人から若手、中堅、ベテランと揃っていたのは本当に素晴らしかったと思う。個人的には井上さんと草尾さんが出てきてくれたのが嬉しいかな。この作品は色彩も黒が多くて嬉しかったけど、何を一番にあげるのかと問われたら、この声優の豪華さだと思う! ……って、それっていつも書いていることと同じじゃないの(苦笑) それでもやっぱり私にとっては声が一番比重が大きいんだなぁ。
まぁ、物語に関しては100%良かったとは言えないけど、本当にお疲れさまだとスタッフの人たちには言いたいな。