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彩雲国物語2 16話「風前のともし火」

JUGEMテーマ:彩雲国物語

 この作品の記事をアップするのは久しぶりだなぁ(苦笑)

 影月の命はあと少しと言われていてハラハラしながら見ていたのだけど、とうとうその日がやってきてしまった(汗) 香鈴が、ショックのあまり倒れてしまったのは見ていられなかったな……。それだけでなく、発熱してしまって、生きる気力まで失ってしまうとは。そこまで影月のことを想っていたんだねぇ……。EDで仲睦まじい姿を毎週見ていただけに、この展開はやるせなかった。
 ところがである。陽月には何か方法があったらしい。しかも考え込んでいる彼の元を訪れたのが葉先生!? かと思ったら若返った!! なんなのこの人たち……。霄大師の仲良しさんは皆おかしいのではないのかと思ってしまった(笑) 秀麗の主治医は人間ではなかったのね。これだったら連続のオペでも体力が尽きるという心配はなかったということか。お爺ちゃんだから、ぶっ倒れたらどうしようと思っていたのに。
 葉先生の後押しがあったからなのか、陽月は影月を生かすことにしたらしい。しかも彼は香鈴のことを考えていた。これが意外だったなぁ。だって彼は香鈴と相対したときは冷たくなかっただろうか? それとも影月を想う心にほだされたのかな?
 葉先生も陽月も、人外の存在らしいから影月を蘇らせて天寿をまっとうさせても全く問題はないらしい。だったらどうしてさっさと決断してくれないのだと思うけど、一度途絶えた命を長らえさすのは問題があったからなんだろうね。でもまぁ、これで影月はあと50年は生きられるようになって本当に良かったよ。あとは影月と香鈴のラブラブっぷりを見せられることになるんだけど(笑) おまけに影月は改めてプロポーズをしていたし!
 ところが香鈴はまだ影月に言葉で気持ちを伝えていなかったらしい。……そうだったっけ? でもまぁ、行動でそれは伝わっていると思うけど。

 騒動が終わって、秀麗と影月に処分が下されていた。影月はまだ出世の道が閉ざされたワケではないけれど、秀麗の方は名ばかりの官吏とされてしまっていた(汗) う〜ん。ここから彼女はまた這い上がって行くのかなぁ。劉輝は、自分は秀麗に嫌われることばかりしていると言っていたけど、そうしなければ秀麗を快く思っていない連中が何か不穏な動きをしていたのかもしれないよね。だからこれは最善の策だったんじゃないだろうか。

 瓢家が秀麗に近づいた秘密が気になるけど、すぐに本題に移ってくれるのかな。それとも別の話に入っていくのかなぁ。

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 以下、日記。
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at 23:52, 真神恵, 彩雲国物語

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彩雲国物語 3巻 感想

JUGEMテーマ:彩雲国物語

 ようやく3巻が発売! 見開きのカラーでは前巻同様に楸瑛が髪をまとめていなかったなぁと思った。それと漫画の方で新キャラもたくさん登場と。アニメの絵も悪くないけど、漫画版はやはり由羅さんの絵で見られるということに価値がある。

 劉輝が見た悪夢で笑った箇所は秀麗の台詞だった。「ときどきお金借りに行くから、そのときは無担保無利子で貸してね」というところ、秀麗らしいなぁと。しかしアニメで見たのってだいぶ前だから、あんまり覚えていないんだよね。だから懐かしいなぁと思いながら楽しんでいる。
 それと、楸瑛と絳攸が秀麗に家に向かう途中で静蘭と出会っていた。二人を見た聖ランが「今日はお夕飯の日でしたね」とニッコリ笑顔を見せている横にキランという音が聞こえそうな星が描かれていたのがおかしかった。そうか、静蘭も秀麗と同じなんだなぁと(笑) 彼らがやってくるということは、2巻の最後で言っていたように食材を持ってくるからその日は豪華な食事になるんだね。

 そんな三人が家に到着したら、どう見ても怪しい風体の男が遠慮なく秀麗が作ったご飯を食べていた。貧乏だと言いつつも、困っている人には無条件で助けようとする秀麗たちは本当にいい人たちだなと思うよ。
 絳攸が持ってきた鶏が暴れたのを、その男は長棍で突き上げキャッチした。その動きに静蘭は見覚えがあり、楸瑛は手練れであると看破していた。そうして自分を小旋風と呼んだ男の頬に十字傷があるのを確認して、燕青かと尋ねていた。
 静蘭が本性を現していシーンを初めて見たときは驚いたかなぁ〜。しかしこれが秀麗にとっては普段とは違う静蘭ということで燕青とはお友だちと思われてしまうんだよね(苦笑)

 食事中は燕青が貴陽へ来た目的を聞いたり、燕青が今の主上がどういう人物かを聞いたり、楸瑛が茶州に関して道中の様子を尋ねたりと様々な話をしていた。
 茶州の話が出たことで、楸瑛が静蘭に賊退治の仕事を請け負ってほしいと言いだした。静蘭は燕青に話を振るが、彼が受けても静蘭自身への勧誘は止まないということで渋々承諾していた。しかし期間限定の仕事らしい。
 渋々承諾したといっても、静蘭は夕食前には帰ってくるとか、楸瑛が吹き出すほどの提示額の二十倍を条件にしたりととってもしたたかだった(笑) しかも涼しい顔をしているもんだからすごいよ。それだけでなく、自分がいない間に燕青を置いておくと言って、彼が居候できるよう話を持っていっただけでなく、彼の滞在費をそれはもうキラキラと輝く素晴らしい笑顔で楸瑛が負担してくれると秀麗に話していた(笑) 「嫌がる私を無理やり引き抜きたいと仰る藍将軍が」って強調していたのがまたいいよ。

 今度は絳攸が秀麗にバイトの話を始めた。外朝での仕事だと聞いた途端に彼女は二つ返事で引き受けた。そうして戸部尚書で男装して働くんだね。暑さで倒れるっていったいどれだけの猛暑なんだと思うよ。まぁ、あんなに着込んだ服装なので仕方がないのかもしれないね……。

 初めて見るんじゃないのかと思ったのが、右羽林軍将軍が紹介されたところかな。左の方が黒燿世という名前の将軍だったっての。白と黒っていかにも対立していそうだなと思える名前だな。
 それから、静蘭が雷炎に対して童顔だとかヒゲを剃った方がいいとか全然似合ってないとか言っているのも初めてのような? しかも会話から雷炎は静蘭のことを昔から知っていたんだろうか? そんな印象を受けた。

 戸部尚書でのバイトでは、奇人の髪があまりにもサラサラなので、触った秀麗た感動しているシーンが面白かった。そして秀麗と柚梨との会話がほのぼのしていていいなぁと思ったかな。
 他には……。そうそう、燕青のヒゲが思った以上に濃かったなと(笑) 髪の量もかな。アニメでは割とサッパリしている感じだったのにね。これは漫画版で彼がスッキリさせた顔も早く見てみたいものだ。

 私は雑誌は滅多に読まない人間なので、全てが初見になる。でも、3巻には24ページの描き下ろしがあるのはとても嬉しいと思う。描き下ろしと言っても、これも原作にあるお話だったのかな〜。
 秀麗の母親が亡くなるシーンなんてアニメではあったっけ? ただ、チンチロリンはなかった。これは確実だ。放送局を考えたら描けるはずがないものね。この番外編はとても良かった。
 燕青がすっごい低音で歌うかわいい動揺ってのはぜひとも音で聞きたかった! 予想外に上手いと秀麗が言っていたんでよけいにそう思う。それと、賭けごとの類は一切したことがない秀麗がとても強かったとか。母親似なんだねー。
 漫画で見ると、秀麗の母はどう考えても彼女の身代りになって亡くなったんじゃないのかと思ってしまう。そんなことが人間にできるのか、という疑問があるけれどね。
 最後の、秀麗の言葉に凍りついた邵可の顔が一番の見せ場だったと思う。

 次は燕青が何者かがわかるんだろうねー。発売されるのが楽しみだ。

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at 23:00, 真神恵, 彩雲国物語

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彩雲国物語 20話「枯れ木に花咲く」

 今回は茶州へ旅立つ前にそろぞれが過ごすという話なのかな?

 秀麗は一人で残すことになる邵可が心配でならない様子。赤くなって父親に何かを言おうとしているのだけど、そこに静蘭が出かけますと断ってきた。秀麗が話したいことはちょっと勇気がいるらしく、気を削がれてしまったのか静蘭が立ち去った後に尋ねた邵可に、後で話すと逃げてしまった。

 静蘭は過去を思い出しているようだった。茶州へ行くということに何か特別な思いがあるんだろうか? それから彼の母って病弱な人間だったんだね。
 病で気が弱っているからといって、実の息子に「貴方さえいなければ。貴方を産まなければ」だなんて(汗) 母親が一番言ってはいけない言葉だろう。子どもを産むことと母親になることとは別だというのがよくわかるシーンだ。ああでも、身分が高い人間なので本当に産んだだけの存在なのかもしれないね。
 それでも公子時代の静蘭は素直ないい子だったんだなー。素養はあったとはいえ、今のように捻くれたのは王宮を出てからのことだったと思うし。母親が病弱で心の弱い人間だたからと彼女を思いやることができるのだからね。でも、静蘭が彼女を思いやれたのは大事な弟がいたからなんだね。心の拠り所がなかったら、母親だからといってあんな風には思いやれなかっただろう。
 今までは周囲が語る清苑公子の話が語られてきたけど、本人視点からの話がこんなに長く描かれるのは初めてだよね。前は公子時代で自分の方こそが劉輝を心の拠り所にしていたのだと茶太保に話していたシーンだけだったかな。

 公子の中で一番優秀だとされていた、ということは権力を得ようとしている者にとっては一番邪魔な存在になる。剣術大会で優勝したときの他の公子とその母親たちの不愉快そうな顔と言ったら……! 静蘭は、自分の賢さと愚かさを自覚していたら、今とは違った人生になっているだろうかと過去を振り返っていたけど、あの時の自分がいなければ秀麗たちに出会えなかったと思うんだけどなぁ。あのままだったらお家騒動の中で他の公子と同様に死んでいたのかも。
 静蘭にとって残酷なのは、そんな息子の晴れ姿に母親が顔を曇らせていたことだったね。それだけでなく、祖父がそれを利用しようとしたし……。純粋に彼の優勝を喜んでいたのは、父王と劉輝と純粋に剣術大会を楽しんでいた者たちだけだったんだろうな。双子剣を静蘭に下賜していたのだから、父王も彼を誇りに思っていたのは明らかだよね。

 祖父が現王を廃して静蘭を王に、と画策したのは仕組まれていたことらしい。王を廃そうなんてとんでもない事を考えるなと思ったらそうだったのか……。静蘭とその母は追放という処分だったが、それが王としての温情だったらしい。しかし他の公子たちは彼を殺さないと安心できないらしく、殺し屋を送っていた。大の大人相手に引けを取らないなんて、静蘭は本当にすごい子だったんだなー。
 あの母親は最後まで同じことしか言えなかったらしい。「貴方さえいなければ、貴方なんか産まなければ!」が最期の言葉になってしまうとは……。心が弱いと言ってもね、自分では何もしないで他人のせいばかりにする人間を思いやることなんてできないよ。母親だからとそう思えた静蘭は凄いよ。自分を産んでくれた人だから、そう答えられるだけで彼女には充分だと思う。ずっとあんな呪いの言葉を浴びせられてきたというのに、それでも憎めないとは本当に優しい。

 楸瑛から清苑公子の話が聞けるとは思っていなかったな。どんな繋がりがあったんだろうと思ったら、彼を保護しようとしていたのね。それだけでなく、前王も彼のために黒狼を送ったと楸瑛は話していた。他の公子たちを馬鹿どもと言い切った前王はまともな人だったんだね。
 邵可がちょっと若いなぁと思った(笑) しかし黒狼が派遣されたという話は噂であるそうだ。楸瑛はそこで話を少し変えた。何と、清苑公子の流刑地は茶州だったらしい。殺し屋を全員始末した公子が倒れた場所にはオレンジ(?)の髪をした者がいたっけ。それから公子の行方は途絶えてしまったらしい。14年前、年が明けて間もない頃に足取りが消えて、邵可に拾われたのがその年の暮れ。楸瑛はその間彼がどうしていたんだろうと言っていた。

 次は邵可が燕青に語る内乱の話。それにしても、予告して病に伏すと表舞台から消える王っていったい……。国を病んでいると言っていたので、そうやって引き籠ることで腐敗の元を断とうとしていたんだね。
 しかし茶太保の事件のときに邵可が霄太師に怒っていた通り、彼は本当に王のために生きているんだなぁ……。劉輝に王としての資質を見いだせなかった場合、苦しみ喘ぐ国民を何もしないで放置し続けていたんだろうか(汗)

 冒頭からどれくらいの時間が経ったのだろうか? 出かけたまま戻ってこない静蘭を心配している様子の秀麗に、邵可は彼がどこにいるのか見当がつくようだった。彼は薔君のお墓参りに来ていた。その後、影月も連れて皆で墓参りをしていた。
 祈る秀麗、邵可、影月の姿を見守りながら、燕青は茶州に戻って本当にいいのかと静蘭に尋ねていた。殺刃族と言いかけて、思い出したくないこともあるのにと言い換えた燕青は静蘭を案じている様子だった。

「私はお嬢様を守る! 茶州に行く! この先何があっても!
 ……この剣に誓って!」

 墓参りに来たのは、過去を振り返ることで気持ちの整理をつけて新たに誓うためだったんだね。
 帰り道、ふいに立ち止まった秀麗は後ろで同じく止まった邵可に言わなくてはいけないことがあるのだと言いだした。冒頭で何かを言おうとしていたけど、そのことだね。また赤くなってるし。照れくさいことを言おうとしているのかな?

「あのね……ありがとう!
 ちゃんと育ててくれて、我がままを聞いてくれて。
 そして……茶州へ行くことを許してくれて……本当にありがとう!」

 改めてあるがとうを言うのは確かに恥ずかしいのかもね。邵可は自分は何もしていないよといつもと変わらぬ笑顔で「立派な花を咲かせるんだよ」と言葉を送った。
 邵可を見てその言葉をもらった秀麗は、今度は静蘭の方に振りかえった。そして彼にもありがとうと感謝の言葉を言っていた。そのとき静蘭の脳裏に浮かんだのは、自分が彼らに拾われたときのシーンだった。薔君の「決めたぞ。そなたの名は静蘭じゃ」という言葉も今回これで二度目。自分が生まれ変わったときと強く心に残っているシーンなんだね。
 そして秀麗はこれからもよろしくと手を差し出すのだが、それも清苑公子から静蘭に生まれ変わったときと同じシーンでもあった。

「静蘭、貴方がいてくれて本当に、本当に良かった」

 初めて出会ったときから変わらぬ笑顔で、偽りのない笑顔で手を差し伸べる秀麗は静蘭にとってどれほど大切な存在なのか、というのがよくわかるシーンだった。否定の言葉しか向けられてこなかった静蘭にとって、秀麗と、そして邵可と薔君がどれだけの救いをもたらしてくれたのかと。このシーンを見せるために過去の話をしたんだね。
 そう思っていたら、雅に静蘭の実母の「貴方さえいなければどれだけ良かったか」という声が聞こえてきた(汗) しかし静蘭はその声に首を振り、自分を産んでくれた母に感謝していますと昔と変わらぬ、しかし満ち足りた笑顔でそう思っていいた。

 うっかり泣きそうになった話だった。

at 23:52, 真神恵, 彩雲国物語

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採雲国物語 19話「かわいい娘には旅をさせよ」

 査問会の翌日から、秀麗の能力を疑う人間はいなくなった。高官たちの前でも臆することなく口頭試問を終了させたんだね。良かった良かった。

 さて貴陽にやってきた燕青が、秀麗に居候させてくれと頼んでいた。最年少で状元及第した影月の頭に手を置いて「すげーな」と燕青が関心していると、影月はまだ名前を言っていなかったと礼儀正しく名乗っていた。対して名乗った燕青の名前を聞いた途端に影月が嬉しそうに確認していた。国試に通っていないのに、茶州州牧に抜擢された人ですよね、と。
 静蘭が正確に言えば国試どころか準試でさえ通っていなかったと言うと、燕青がフフフと笑い始めた。勉強して茶州の準試に合格したらしい。下から二番目だった成績をここまで得意げにいう人間も珍しい。まぁ、確かに合格は合格だものね。国試や準試というのが、現代の試験とは全く違うものだとは思うけど、大事なのは合格した後で何をするのかということだもの。トップで合格したとしても、おベンキョが出来るだけでした、なオチだったならいらない人材である。
 燕青の話を聞いて、静蘭が彼の襟首をつかんだかと思うと、秀麗と影月に「捨ててきましょう」と言って、本当に外へ出ていこうとしていた(笑) 普段と違っている静蘭に影月が驚いてた。仲良しよね、と秀麗は言っていたけど、彼は言われる度に全力で否定するんだろうなぁ。
 出かけてくると言った燕青は、振り返って秀麗に尋ねた。香鈴に会いたいかと。燕青がそう言った途端に静蘭が厳しい表情を浮かべていたが、秀麗より前にいたので再会できると喜んでいる彼女にはその表情は見えなかった。……そうか、秀麗は香鈴が茶州へ行った本当の理由を知らなかったんだっけ。

 燕青の用とは王宮へ行くことだった。蔡尚書が持っていた指輪を鑑定するためなんだね。黎深が一見して偽物だと断言した指輪を見て、燕青は酷い出来だと言っていた。
 更に部屋には蔡尚書が賄賂に使おうと集めていた品々が置かれていた。巻物の一つを燕青がひも解くと、万人が見ても美しいとは思えない女人の絵姿が描かれていた。蔡尚書の娘らしい。……縁談なんて持ちかけても受ける相手はいるのか? って、楸瑛が絳攸に贈られたものだと言っていた(苦笑) 体格は生まれつきのものというよりは、裕福な家庭で不自由なく育ったための不摂生の結果にしか見えないな。
 その絵姿を見て、燕青が大声をあげた。何と、絵にはその指につけられた指輪の絵も描かれていたのだった。家から持ってこさせた結果、凄くよく出来た偽物だった。しかも茶本家に送ったら、誰もが本物と信じるほど精巧なものだったらしい。
 見つかったものがどれも偽物だったので、黎深は引き続き探させますと劉輝に言っていた。それを聞いて劉輝がどうして霄太師を見ていたのかが気になるな。何か知っているのかとか思っていたのかな。

 次に劉輝は燕青に茶州の現状を尋ねた。茶家は茶太保が亡くなってからは当主の座を狙って混乱状態らしい。……それはさぞかし治安も悪かろう(汗) お家騒動している場合か! 本物の指輪が見つかれば、この混乱もすぐに終わるのかな?
 しかし、前当主が死亡後、指輪が見つかれなくても仮の当主を立てて新たに指輪を作ることが許されているという。では、このままだと私欲まみれの人間が当主の座におさまってしまう危険があるんだね(汗)
 いつも嫌な目にあうのは庶民なんだな……。まともな人間が当主になった場合、それに対抗できるのは王によって派遣される正当な州牧のみ。しかしそれも今は空白。そこで劉輝はその場に集まっている燕青、絳攸、楸瑛、黎深、奇人、それに霄太師と宋太傅に了承を得たいと申し出ていた。しかし全員が異を唱えなかった。この流れから秀麗が州牧に任命されるんだなぁと思った。

 邵可と玖琅はミカンを食べていた。しかし話している内容はあまり明るいものではなかった。玖琅は邵可がキレ者だと知らないんだろうか? しかし邵可は黎深同様に末の弟も愛している様子だね。上二人が家の期待に応える人間ではなかったため、末の子が親の期待を一身に受けることとなってしまった。玖琅も黎深のように何でもこなせる人間のようで、しかし黎深と違って真面目であるため、頼まれたら引き受けてきたらしい。
 本心かどうかはわからないが、玖琅は邵可を嫌いだと言っていた。しかし、薔君が亡くなってから邵可たちの身に起きたことを詫びていた。そういえば、秀麗の母が亡くなってから使用人が家財道具を持ち逃げしたと言っていたっけ。その使用人をつけたのが玖琅だったので後悔の念が強い。邵可は遠い紅州にいたんだからと言っても自分への怒りがおさまらないらしい。……嫌いというのは、邵可のある部分が自分から見てもどかしいから嫌だとかそういう意味のようだね。
 しかし……主が細君を失って茫然としている間に、金品のみならずその大切な妻の形見までもを盗むなんて、とんでもない使用人たちだな。紅家の人間にそんな事をしてどうなるのかと考えたことがなかったんだろうか? それとも、邵可は紅家を出た身だから大丈夫だと思っての犯行だったのかな。……ま、家が大きいからと言って他人を家に入れるものではないなぁというのが私の感想だ。
 玖琅はその後、犯人たち全員を見つけ出して死んだ方がマシな目にあわせたと言っていた。なるほど、黎深同様に玖琅もお兄ちゃん大好きな人だったんだね。でもいいなぁ、そんな目にあわすことができるほどの力を持っているなんて。
 肩を落として自分を責めている玖琅の肩に手を置いた邵可は、一番大事なものは誰にも奪えないところにあると優しく言っていた。思い出は確かに誰にも奪えないものね。そう思えるようになるまでどれくらい経ったんだろうね。傍に秀麗と静蘭がいたから邵可も立ち直ることができたんだねぇ。
 そんな邵可を見て玖琅は「ごめんなさい」と謝っていた。厳しそうな顔をしている人間の口から「すまない」ではなく「ごめんなさい」という言葉が出てきた方が驚きだった。玖琅って何歳なんだろう? 末っ子だと言っても30代はいってそうな気がするんだけど。
 器用貧乏とか優しいとか、邵可と玖琅の会話がかみ合ってなかったのがちょっと笑えた。それはともかく、玖琅が邵可を訪れたのは謝罪のためではなく、絳攸に秀麗を娶らせて、紅家を継がせるために来たのだと言っていた。でもこれ、黎深が聞いたら怒りそうだなぁ。だって、絳攸には紅家にとらわれずに自由に生きてほしいと黎深が思っているんだと前に邵可が説明していたものね。あ、でも絳攸がそれを自分で決めたのなら反対はしないか。邵可も反対はしないと言っていた。しかし、その話は先になるだろうとも。

「行かせる気ですか!?」
「あの子はきっと頷く」

 つまり、配属先に関して知らないのは本人だけという状態なんだね。あ、そうか、黎深が報告していたのかもね。玖琅は邵可が反対するとでも思っていた感じがするね。しかし、秀麗の親である邵可が、彼女の志を否定するなんてことはあり得ないだろう。彼女が間違っていない限りは。

 王の登場を待つ間に、秀麗たちが配属先について話をしていた。珀明は自分は中央だと言い、影月は地方がいいと言い、影月に話を振られた秀麗はどこでもいいと答えていた。どこだってやることは同じだからと。
 それを聞いた魯尚書が秀麗の言葉をその通りだと言っていた。たとえどんな官位、どこの地へ飛ばされようとも、すべきことは何一つ変わらないと官吏としての心構えを説いていた。今は皆、魯尚書の本心を知っているようだね。
 珀明は希望する吏部尚書への配属が決まった。最後に残ったのは影月と秀麗。しかし劉輝は二人の名を同時に呼んでいた。何と、茶州の州牧に影月と秀麗の二人を任命していた。秀麗に関しては前例のないことだらけの様子。
 配属先を聞いた途端、高官たちから抗議の声が上がった。州牧という、各省庁の長に次ぐ官位を新米に任せるなんて、という抗議の内容もわからないではない。しかし誰も茶州州牧へ行きたいと思うものがいない。前の茶州州牧を決める場合も相当の悶着があり、そのために国試及第も果たしていない無名の若者を送り出した事実がある。燕青は官位も経験がなくても州牧の任を立派に果たしていた。だから新米にというのは意味がない。
 それで怯むのかと思ったら、今度は前州牧には優秀な補佐がいたからだと言いだした。それは事実だ。しかし秀麗たちにだってそれは当てはまるんじゃないか? 有能な補佐がいれば彼女たちにだって州牧は務まる。しかも劉輝は州牧が二人だから補佐も二人と言って、一人は茶州に着任中の鄭補佐を据え置きで、もう一人を燕青に指名した。それは頼もしい。更に茶州という特区に派遣するため、二人には静蘭という専属の武官もつけられた。おまけに劉輝が持っていた双子剣の片割れを静蘭に返していた。あの中で静蘭が劉輝の兄だと知るのは何人いたんだっけ?
 最後に劉輝は秀麗と影月に配属が茶州州牧になったことについて「行ってくれるか」と確認していた。これに二人はハモって「行きます!」と即答していた。そんな二人に劉輝は茶州州牧の証と共に花を与えていた。王の限りない信頼の証を二人に与える姿を、二人をよく知らない高官たちはどう思っていただろうなーと楸瑛と絳攸が映ったシーンで思ってしまった(笑)
 二人に与えられた花は蕾。意味は無限の可能性と希望。蕾が見事咲いた折には今度こそ満開の花を贈ると劉輝は付け加えていた。絳攸と楸瑛の説明により、花の下賜が二人の最大級の護りになるんだね。
 危険区域に行くからというよりも劉輝個人の思いで格別な扱いにしているように見えてしまうな(苦笑) あと残念だったのがこのシーンでの音楽が軽かったことかな。

 配属先が決まったら、話す時間がほしいと劉輝は秀麗に頼んでいた。そうして劉輝は自分がどんな思いで秀麗の名を茶州州牧と任ずると書きいれたのかと話していた。秀麗は自分の傍にいてほしいと言う劉輝の言葉に、今の彼に自分は必要ないと言っていた。……意味が違うだろうに。秀麗はわざと考えないようにしているとしか思えない。劉輝は秀麗の夢を応援しつつも、彼女を女として見ることができないのに、秀麗は官吏として王に仕えることしか考えていないんだもの。

「秀麗……余が好きか?」
「好きよ。でも多分、貴方が向けてくれるものとは、違う」

 しかし劉輝はそれで充分だと言って、再度自分は秀麗以外誰も后に迎えないと断言していた。一年ずっと一人でいて、それが繰り返されるだけだと言って。それでも寂しいものは寂しい。そして劉輝は公の場以外では自分を拒絶することと、跪くくことはしないでほしいと秀麗に頼んでいた。王ではなく自分を見てほしいと。思いを返さなくても、王ということを盾にして逃げないでほしい。
 秀麗は、劉輝に愛される人は幸せだと言うと、その幸せは他の人にあげてちょうだいとキッパリと断った。自分は妻になるために国試を受けたのではなく、劉輝の下で支えるために来たのだと。一向に噛み合わないなぁ。しかしそう思っているんだったら劉輝に一切の隙を与えなければいいんじゃないだろうかと私は思ってしまう。
 劉輝の思いを返すことはないと言い切ったが、秀麗は彼に対して彼が懇願したことを約束してくれた。跪いたりしない、王という肩書きで見たりしないと。あと、結婚するときには劉輝に連絡をすることも(苦笑) 自分がいかにいい男か再認識させて破断にするのだと言っていたけど、王が来たら相手の男は逃げだすのではないか? ああいや、秀麗が選ぶほどの男がそんなことはしないか。王であろうと決闘に応じるだろうな。

 旅立ちの日、王宮に現れた秀麗は華やかな装いだった。楸瑛と絳攸は見事だと感心し、奇人と柚梨は一瞬で女性官吏の存在を朝廷に溶け込ませたと感嘆していた。そうして、いろいろなものを少しずつ変えていくのかもしれないと、若い官吏の旅立ちを祝福していた。

at 23:59, 真神恵, 彩雲国物語

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彩雲国物語 18 話「頭隠して尻隠さず」

 朝議では、紅一族の仕事を停止したために混乱が起きていることで官吏たちが騒いでいた。その一人が原因は何かと劉輝に噛みつくように尋ねていた。それを皆が知っているように黎深が拘束されたからだと劉輝は答えたのだが、官吏たちにはそれと紅一族の放棄が結びつかない。

「藍家と並ぶ名門中の名門、紅家当主を、
 証拠もなく不当に拘束などすれば、
 紅尚書本人はもちろん、誇り高い一族が怒るのも道理」

 その事実に場が静まった。高級官吏でも知らないことだったんだねぇ。その中で一人、汗をかいて戦慄いている人物がいた。俯いて身体を震わせているその官吏を、劉輝と絳攸、楸瑛が静かに見ていた。

 前回の騒動が片付いてから、静蘭は邵可が気になるからと一度家に戻っていた。そして翌朝、顔を洗っている秀麗に化粧箱を渡していた。胡蝶が静蘭に持ってくるよう言っていたらしい。
 前に胡蝶から貰ったのだと言って開けていると、そこに手紙が入っていた。彼女にプレゼントしたときの言葉が書かれていたのかな? 化粧は女の戦装束だから、戦に赴くときは必ずしておくように。そうすれば絶対に泣けないのだと胡蝶は言っていた。泣いたら化粧が崩れるから、それがみっともない顔になるから泣けなくなるのだと言っていた。
 秀麗は胡蝶の言葉を思いだしたが、どうしても化粧ができなかったと話し始めた。男性ばかりの政治の世界では必要のないものだと思っていたからだと。胡蝶は秀麗がそうであっただろうなというのもお見通しだったんだろうなぁ。
 しかし秀麗は自分が間違っていたと反省した。化粧をしてもしていなくても、自分は変わらないのにと言って。泣きたくなったら自分の元に来てくれと以前言っていた静蘭に、秀麗は「私は泣かない」と決心を告げていた。静蘭ももう迷いはすっかりなくなったからか、だったら自分は「お嬢さまが泣かないですむように支えることにします」と答えていた。

 さて、再び朝議の場面では、劉輝が疑惑について議題が移っていた。それを確認するかのように劉輝は蔡尚書の名を呼んだ。彼は当初から女性官吏に猛反対していた。この指摘に対して蔡尚書はほとんどの者が反対していたと反論を始め、怪しいのは自分ではなく魯官吏であると罪をなすりつけようとしていた。
 紅進士に対して辛く当たっていたのは魯官吏の方である。だから紅尚書にも恨みがあるのだ。そう言った蔡尚書に、劉輝は魯官吏が女性官吏に反対していなかったこと、恨みがあるどころか、彼は珍しくも紅尚書のお気に入りと蔡尚書の知らなかった事実をまた一つ教えてあげていた。
 反対に、蔡尚書には進士の一部が不当に酷使されていることを知っていたというのに、配下を止めなかったのかと監督責任を問い詰めた。蔡尚書はこれにも反論していた。いつものことだと聞いていたからと。
 いつものこと。魯官吏は将来有望な者には特別に目をかけること。それを知らないなんて、どこまで使えないんだろうね、この蔡尚書は。絳攸も奇人もそうだったんだね。もちろん黎深も。

 画面が変わって黎深が自発的軟禁状態に入っている離宮が映し出された。彼は優雅にお茶を飲みながら、魯官吏に話しかけていた。ここの会話、好きだなぁ。

「貴方は私が相手でも全く容赦がなかった。
 鼻っ柱を叩き折られましたよ」
「折られるほど脆い鼻っ柱ではございますまい。
 それより紅尚書、いつまでここに……」

 魯官吏は黎深に朝議へ行ってもらうように言うために来ていたらしい。何故彼が、と思ったら、黎深が魯官吏が来るなら行くと言っていたかららしい。早く城下場内の混乱を憂いている魯官吏に対して、黎深は知ったことではないと言い切った。

「だいたい玉座に座っているあの鼻たれ小僧は、
 もっと世の中の苦労というものを知った方がいいんです」
「貴方にだけは言われたくないと思いますがね?」

 この二人の会話は面白すぎる。確かに黎深にだけは言われたくないよ(苦笑)
 黎深の全く動かない様子に魯官吏はため息をついて、彼が勧めたお茶を飲んでいた。この後の黎深の話というか、映像がまた面白すぎる! 彼は昔、魯官吏に馬屋番を命じられていたそうで……。当時は魯官吏を何度も抹殺しようと思っていたらしい。しかし黎深は、魯官吏の真意は後から解ると言ってそうしなくて良かったと言っていた。

「杜影月はあまりに若く何の後ろ盾もない。秀麗は若い上に女。
 どちらも最初から舐められ潰しにかかられるのは目に見えていた。
 貴方の厳しい指導は自分への自信と、朝廷勢力への抵抗力をつけるため。
 そして進士がどれほど優秀か見せつけ、上に舐められないようにしてくれる。
 厠掃除や靴磨きという雑用も、官吏たちの真実を見聞きするのに最適だ。
 朝廷最高官たちは、貴方がどれだけ仕事を振っているかで
 有能な人材か否かを判断する」

 しかし黎深の言葉に魯官吏は甲斐被りすぎですと答えた。自分や奇人に一言言えば昇進させてあげられるのにと扇で口元を隠して言っても、魯官吏は今のままで満足ですとキッパリ答えていた。これで仮に「本当ですか?」なんて言った日には、黎深はそれはそれは悪辣に失脚させるんだろうなぁ。でも、自分が認めているほどの人物である魯官吏がそんな誘いには応じないことも知っているんだろうね。もしかして尊敬しているのかも!?
 魯官吏は自分のような者も朝廷には必要だと先王から直々に頭を下げられたらしい。更に劉輝も魯官吏に全てを任すと言っていたそうだ。こういう人間がいるから、朝廷は腐敗しきらずに済んでいるんだねぇ。つまり珀明が途中で仕事量を増やされたのは、見どころがあると魯官吏が認めたからだったんだね。更に、秀麗たちに毎日差し入れを出していたのは魯官吏だったのか!

 おまけに黎深が言いだしたことといったら! 彼は魯官吏が一緒でないと朝議には出ないと言って、彼を迎えにこさせていた。魯官吏にとってはそれはこの時だけのこと。しかし黎深にとっては今後もずっと魯官吏が出なければ朝議に出ないということ。魯官吏が今の地位で満足していると拒否したら、今度こそ城下の全機能が停止すると脅迫し始めた(笑) 蔡尚書失脚後、その任に当たるのは魯官吏ということなんだねー。
 渋い顔をする魯官吏に、黎深はいいことを思いついたらしく声のトーンを上げていた。魯官吏は主上には勿体ないから、自分の家の家令になりませんかと黎深は提案したが、魯官吏はそっちの方がゴメンと言わんばかりに「一緒に朝議に出ます」と低い声で答えていた(苦笑) 究極の選択だったんだねぇ。

 一方、予想した通り姮娥楼から出た途端に秀麗は蔡尚書の手の者の妨害にあっていた。しかし秀麗はこれくらいで自分を止められると思ったら大間違いと力強く駆け出していた。

 再び朝議では、劉輝が奇人を指名していた。奇人は数年前より礼部から予算の増額を求められてきたが、それだけの出費がかかるとは思えないと話し始めた。そこで礼部の前年の見直しをしたところ、無駄な出費というよりも首を傾げる項目の出費が非常に多いことがわかったと報告を上げた。
 更に、毎年国試及第者のために郷里報告の早馬を礼部が無償で飛ばしているのだが、今年影月が郷里に送った銀80両が全く届いていないことも付け加えた。影月だけでなく、同様の訴えは数年前から何件も寄せられていたらしい。影月が確認を取っていたというのはこのことかな?
 今回、奇人は早馬を秘かに追いかけさせたと続けて言った。お金を持ったまま、早馬は誰の屋敷に駆け込んだのか。奇人がそこまで言うと、蔡尚書が「濡れ衣です!」と慌てて立ち上がった。しかし奇人は、自分はまだ誰とも申し上げていませんが、と静かに告げた。……よほどテンパってるなぁ(苦笑)
 騒然とする中、蔡尚書は奇人の仮面について言及を始めた。素顔も見せないでどうして高級官吏までに上り詰められたのかと。……呆れてものがいえないなぁ。仮面をつけていても奇人が優秀だったからに決まっているじゃないか。第一、礼部の予算と影月の無くなった俸禄とその話は全く関係のない話だ。

「ふむ……。巷のへぼ小説並みの展開ですね」

 確かに!(笑) しかしこのことは蔡尚書だけでなく他に気になっている人間がいるかもしれないと思うと、無視できないことなのかもしれないね。奇人は仮面を取りましょうとあっさりと言うのだが、他の高級官吏たちが「止めてくれ!」と騒ぎ始めた。平穏な人生をかき乱すのは止めてくださいって……。そこまでなのか?
 霄太師が笑いだして、蔡尚書だけに見せればいいと提案していた。劉輝が自分も見ていいかと手を挙げたときの、官吏たちが速攻で「いけません!!」と口を揃えて言ったシーンが笑えた。絳攸も楸瑛も、奇人が仮面をしているのは、不細工だからと思っているようだねー。きっと、彼の素顔は作品が終わっても明かされることはないんだろうなぁ。

 一方の秀麗たち。護衛している静蘭がいくら強くても多勢の場合はやはり厳しくなっていた。そこを助けたのは柳晋だった。柳晋だけでなく、町の人たちも秀麗を助けようと駆けつけてくれた。
 彼はすまなそうな顔をして謝ってきた。彼らが急に秀麗に対してよそよそしくなったのは、官吏となった秀麗に気を遣っていたからだった。官吏というのは偉い人、そんな人になった秀麗が自分たちと付き合ったら、他の官吏から馬鹿にされて肩身の狭い思いをさせてしまうんじゃないかと彼らは思っていたらしい。
 これで秀麗の心配事はなくなった。ようやく王宮に到着したと思ったら、今度は門番が二人を通してくれなかった。しかしここでも救いの手が現れた。こんな事だろうと思った。そう言って現れたのは珀明だった。一つが上手くいくと、次々といいことが起こっているなぁ。

 霄太師が三日は使い物にならないと言っていた。奇人の素顔を見た蔡尚書は、見惚れる……レベルではなく本当に呆けていた(汗) しかし素顔を見ても柚梨は平気なんだね。あと、美に関して言うなら好みは人がいればそれだけあると思うのだけど、奇人の顔は万人が骨抜きにされてしまうほどということ? ま、物語だからできることだね。
 さて、呆けているのを幸いに、奇人は蔡尚書に対してこれまでの不正を確認していった(苦笑) 言葉もなく首を縦に振っている蔡尚書が笑える。あの状態でだったら何を言っても頷くんだろうなー。それがわかっているから柚梨の表情を曇らせ、これは詐欺なのではと言ってみるが、奇人は全て真実だと仮面をつけていた。泥団子事件のあの官吏たちからも証言を取っていたらしい。
 正気のままだったら長引くのは確実だったものね。魯官吏を伴って現れた黎深も、最初からこうすれば良かったと思うと言って現れた。そして蔡尚書の前に立つと手を叩いた。……三日間使い物にならなくなるんじゃなかったっけ? そんな、手を打っただけで我に返るとは。しかし蔡尚書の地獄はこれからだった(苦笑)

「さて、貴方は非常に面白いことをしてくださった」
「ぅぅぅぅぃや、私がしたのではなく……」
「百万が一そうでも私は貴方がしたと思っているので、事実は関係ありません」

 絳攸が頭を抱えて無茶苦茶だと心の中で言っていた(笑) 楸瑛も表情から同じことを思っているんだろうなぁ。しかしここまで平然と言いきれるというのが凄い。

「今後紅家縁の場所には近寄らない方が無難でしょう。
 手配所を回しましたからね。見つかったら最後、
 近くの川に重しをつけてドボンです」
楸瑛「この国で紅家の息のかからない場所などないというのに……」
「うちの一族は私同様怒ると手がつけられない上非常に執念深いので、
 百年経っても貴方の顔と名前は忘れませんよ?」

 ああ、いいなぁ、黎深。素晴らし過ぎるよ。劉輝が「怖い」と口にしているくらいに。しかも心底ビビっている蔡尚書が、こんな事はもう二度としないと言いかけても手を緩めるつもりは全くないというのが更によい。蔡尚書のような人間は、ここで二度としませんと土下座してもほとぼりが冷めたらまた悪いことをしそうだけど、黎深相手だったら流石にそれは無理だろうねー。まぁその前にドボンされているか(苦笑)

「生憎私は嫌いな相手はとことん追い落とす主義なんです。
 数年前、私の養い子を捨て子と馬鹿にした。
 あの時から貴方を許すつもりはさらさらなかった」
絳攸「ん?」

 絳攸への暴言を許さないと言ったところでは、黎深は口元を扇で隠して蔡尚書に近づいて囁いてた。そういうのを絳攸に見せてあげたらいいのに、素直じゃないお人だね。言いたいことを言い終えた黎深は「ああ、そうそう!」と、今思い出したかのように蔡尚書のカツラを遠慮なく取って、そこに隠されていた指輪を見つけた。
 茶家当主を示す指輪の偽物を持っていた蔡尚書に、黎深はそれを持って茶一族に助けを請おうとしても無駄だと駄目押ししていた。既に手を回していたとか(苦笑)

「この私が一つでも退路を残すとお思いですか?」

 逃げ場のなくなった蔡尚書は、女が入ってくるのが悪いんだと繰り返し言っていた。……いやいや、秀麗と黎深に手を出した自分が悪いんだって。ここまでされても自分の非を認めないとは……。ある意味凄いね。今までそうやって悪い事は他人のせいにして生きてきた証だね。こんなのが高官になれる国というのも問題だなぁ。劉輝の世代でそういうのは一掃できたらいいんだけどね。ああ、現実にも黎深のような人間がいたらいいのになぁ。
 さて、蔡尚書が恨み事を言った相手、秀麗は王宮にはたどり着いたものの尚も妨害にあっているようで、なかなか姿を現さなかった。心配する絳攸に、楸瑛は「必ず来る」とハッキリ言っていた。

「碧進士、腕に自信は?」
「我が碧家は詩文芸能に長ける家だ。武芸などとんと縁がない!」
「つ、使えない……」

 この会話に和んだ。この場面で分が役に立たないことをここまで自慢げに語る珀明がいいなぁ。しかし彼らを待ち受けていたのって王宮の兵士なんだよね。こんな事をして、後で黎深に何をされるのかわかっていないんだねぇ。しかし静蘭一人で秀麗と珀明を守るのは確かに厳しいね。
 そこへ扉の向こうから兵士を攻撃した者がいた。勅命通りに正午までに到着した燕青だった。これでもう安心だね。

 さて朝議の席では秀麗と影月が作成した、蔡尚書の不正の書類を高官たちが見て感心していた。不当な言いがかりをつけられたため、釈明の助けになるようにと徹夜で仕上げ提出したものだと劉輝が補足していた。

「二人は誰が不正をしているか、ちゃんとわかっていたワケだ、蔡尚書」
「おかしいとは思わないのか!?
 突然降って湧いたような女人受験で、十七の小娘が探花及第だと!?
 国試はそんなに甘くない! 王と側近が女人受験を強引に推進した。
 おかしいと思わんか!?」

 蔡尚書の悪あがきはまだまだ続くんだね。国試はそんなに甘くないと言っているが、彼も実力で受かった人間ということのみ真実なんだろう。蔡尚書の言葉に一部の者が同調していた。だからこそ、確かな実力を示すためにも査問会でそれをはかろうとしているんだね。中には蔡尚書と同様に女人の国試受験に反対している人間もまだいるだろうし、珀明が秀麗に言っていた通り、そう言った高官たちに何も言わせなくすればいいんだよ。

「そうだな。実力主義が国試だ。
 だから先王は、王でさえ介入が不可能な国試制度を作った。
 それは国試を突破してきた者が、一番よくわかっているのではないか?
 どれほど国試の公平性が厳しく、どんな不正も許さないか、
 身をもって体験してきたはずだ。そう、国試は甘くない」

 国試は甘くない、という言葉のみ劉輝が賛同する意見を言うと、今度は秀麗が来ないことを蔡尚書は問題にし始めた。自分で妨害しておいてよく言う! しかも秀麗と影月が徹夜で作成した書類を、本当に本人が仕上げたのか怪しいなんて言う始末! そもそも蔡尚書は同等の書類を作成できるのか〜?なんて思ってしまったな。
 秀麗が来ないと確信しているからだろう。もうすぐ正午になるのに、一向に姿を現さない秀麗に、蔡尚書はもう勝ったつもりでいるようだ。黎深によって身も凍る思いをさせられても、秀麗を追い落とせるならそれでいいと思っているんだろうな。そして、秀麗が間に合わなかった、ということは不正をしていなくてもそれを証明する機会が得られないということであり、黎深に対しても一矢報いることだできると思っているのかも。
 しかし私が一番腹を立てたのは、無理に官吏にならなくても紅家の姫ならいくらでもいい縁談があると言って笑っていたことだな。この世界ではそんなレベルの思考が当然とされていたんだろうけど、女は結婚して子どもを産むだけの存在という考えが私には許せないな。いい種持ってない奴が言うと余計に腹が立つ(笑) ま、そんな蔡尚書を黎深が冷たい目で見ていたからいいけど。腹の中では何を考えていたのか聞きたかったなー。

 そこへ秀麗が現れた。最後の悪あがきもここでお終いだね(笑) 今からすぐに査問会、公開口頭試問を始めると言われてすぐに応じただけで、秀麗に対する疑惑は高官たちからもただの噂だけだと感じられただろうね。

「では最後に尋ねる。何故女人の身で官吏になりたいと?」
「僭越ながら、何故女の身でとお尋ねになられても、
 その問いの答えは持っておりません。私は、私ができることをしに来ました。
 自分が男でも女でも国試を受けました。官吏になりたい。
 この手で多くのものを守りたい。そう思っていました。
 だから、国試を受けたのです」

 女でたった一人の官吏だから女人官吏。私はこういう呼称が嫌いである。何故、前に女流という言葉を付けるんだろうね!? 普通に官吏でいいじゃない。

at 23:59, 真神恵, 彩雲国物語

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彩雲国物語 17話「藪をつついて蛇を出す」

 遊びにおいでという文に喜んで姮娥楼に出かけたら胡蝶が出迎えてくれた。「国試及第以来だね」という言葉に不穏な空気を感じれば、周囲は男たちに囲まれていた。豹変したように見える胡蝶に秀麗は戸惑うばかりだった。
 胡蝶は秀麗にしばらく姮娥楼に滞在してもらうと切り出した。そう望んでいる人間がいるのだと。無位無官の秀麗たちが逆らえる相手じゃない、邵可にまでが害が及ぶかもしれないと言われては秀麗には断る術がなかった。
 承諾した秀麗に静蘭は声を上げたが、彼女は逆らってはダメだと首を振っていた。焦る静蘭に、影月が彼の名前を呼んでいた。気づいて影月を見ると、彼は劉輝から預かった紋印を静蘭に渡してきた。
 二人を中に入れると、胡蝶は静蘭には帰るよう命じていた。睨みつける静蘭に、胡蝶はおお怖いと怖がってもいないのにそう言った。そして現実を示した。楸瑛のような武官なら話は違うが、今のままでは大切なものは守れないと。でも、これは静蘭を諭しているようにしか見えなかったなぁ。

 胡蝶の手下なんだろうか。犯人の礼部官に事の次第を報告していた。小僧というのは影月のことだね。彼の処遇を尋ねたら、礼部官は自分の顔に泥を塗ったのでいずれ官吏の道を閉ざしてやると言っていた。ええと、つまり影月に縁談を持ちかけてた一人ということか。
 取り敢えずはお前らで可愛がってやれと言われた胡蝶の手下らしき人間は汗をかいていた。つまりこれは本人は望んでいないということなんだろう。彼が胡蝶の手下なら。立ち去ろうとすると、礼部官は黎深が秀麗の後見人になったことを迂闊だと笑い、一気に追い落としてやると悦に入っていた。

 邵可の元を彼の弟、玖琅が訪れていた。不機嫌そうな玖琅に対して邵可は機嫌がよさそうだなぁ。
 邵可は玖琅が来るのを予期していた。何でも影月が故郷にお金を全部送ってしまったときに、彼が一晩の宿と食事を与えており、その代替わりに秀麗のことを聞いていたらしい。影月が喋ったことをペラペラと、と不満そうだったが正直な影月がお世話になった人の話をするのは予想できることだと思うけどな(笑)
 玖琅は影月に親切にしただけでなく、秀麗に降りかかる火の粉を陰で払っていたらしい。私がいなければどのような嫌がらせを受けていたか。忌々しげに言って、玖琅は翔かを「嫌い」だと言い切った。邵可はそれにちょっと驚いた顔をしただけで、また笑顔に戻った。
 玖琅がいなかったら、秀麗はあんな泥を投げられる程度では済んでいなかったということか……。玖琅は邵可を紅家から出したことを後悔していないとも言っていた。それでも邵可が紅家の長子であることには変わりないとも。秀麗が紅家直系の姫だと言ったとき、初めて邵可の表情が変わった。黎深は紅家を嫌っているという。名門だからこそ闇の部分も濃いんだろうな。紅家の直系の姫という言葉は、秀麗がその中に入れられてしまうという警告なんだろうか?
 玖琅は絳攸の妻となってもらうと言いだした。次世代の紅家のためにと。黎深とは違って、玖琅は紅家のために生きている人間なのかな。

 そこへ黎深が秀麗の国試及第に関する不正行為の容疑で宮城に拘束されたという報告があった。しかし玖琅には、黎深がわざと捕まったんだと確信しているようだった。まぁ、拘束したことを愚かだと言い切っていたしね。同時に秀麗が影月と共に姮娥楼に監禁されていること、翌日に秀麗の査問会が開かれることも二人の耳に入った。
 報告を受けても玖琅は全く動じないばかりか、紅一族を敵に回したらどうなるのか目にもの見せてやると不敵な発言をしていた。

 その夜、劉輝の元に静蘭から紫紋の文が届いた。静蘭の文からは秀麗と影月が姮娥楼に監禁されたこと、傍にいる楸瑛からは黎深が捕縛されたことを劉輝は知った。更に藍家の情報網から、玖琅が貴陽に来ていると楸瑛が報告をしていた。このときの劉輝の反応が笑えた。
 被害を最小限にと楸瑛が言ったときの意味が解らなかったなー。劉輝が今回追っている相手が調子に乗ればやりようがあると腕を組みながら言っていると、絳攸が調子に乗せたと言って用紙を持って部屋に入っていた。
 絳攸が持っていたのは、秀麗の進士返上を求める連名書で、そこに奴の名前が書いてあるらし。その連名書には査問会をすぐにでも開けと要請が書かれているようだった。それを聞いて劉輝は翌日の正午に査問会を開くと言い、剣を掴んだ。その前に姮娥楼まで秀麗を助けに行くつもりらしい。
 格好良く決めたはずだったのだが、絳攸に「早く帰ってこい」と睨まれてわかったと答えた姿がまた笑えるなー。いまいち決まらないキャラだ(笑)

 同じころ、静蘭も白大将軍の元を訪れていた。自分の元へようやく来たので機嫌がよいのだろう、静蘭の願いにあっさりと聞いてやると答えていた。

「剣を。大切なものを守るための剣をはける立場と、地位と権力を!」

 一方、町人には避けられ胡蝶には捕えられた秀麗はすっかり落ち込んでいた。そして彼女は影月にどうして官吏になろうとしたのかを尋ねた。影月の答えは簡単明快だった。お金のためだと笑顔で言う影月に、秀麗は戸惑っていた。そりゃそうだよねぇ。皆がいい暮らしをできるようにと官吏を目指した秀麗にとっては、影月がまさかそんな俗じみた答えを言うなんて思いもよらなかっただろうしね。
 しかしお金が貰える、というのには影月にはちゃんと理由があった。本当は医者になりたかったが、医者は貧乏だからと続けられて秀麗は相槌をうつくらいしかできなかった。彼を保護していた堂主は医者だったが、貰うお金よりも薬の材料代で支払う方が多い上、もともとお金をあまり貰わずに治療していたという。だから貧乏だったんだね。
 影月は自分たちが食べられないのはいいが、お金がないために頼ってきた人を助けられないときもあって、堂主はそのときにとても辛い顔をするのだと影月は語った。だから官吏になってお金をもらえたら助けられる人が増えるということなんだね。堂主のつらい顔を見たくないから官吏になったのだと知って、秀麗もようやく笑顔を見せた。

「私、思い出したわ。何で官吏になろうと思ったのか。
 官吏になって何をしたかったのか。
 町の人がどう思おうと、私は皆のために一生懸命働くわ!」

 秀麗の気持ちが落ち着いたと思ったら、ゴロツキが部屋に入ってきた。彼らは雇主にちょっくら遊んでやれと命令されたとかで、彼らは影月に絡んできた。酒を飲めないと知って飲ませに来たらしい。事情を知らなくて可哀そうに(苦笑)
 連れ出されようとした影月を思わず助けようとした秀麗は、別の男に止められた。危険なのは秀麗の方なのに、影月のことを気に掛けるなんて秀麗は優しい子だな。隣室に連れられようとしている影月は、一人部屋に残された秀麗の身を案じていた。しかし今の影月が力で大人の男に適うはずもない。さっさと酒を飲まされて陽月が出てくれたらいいよ。そしたらあっという間に終わるから。
 と思ったら早速出てきた(笑) 陽月は自分は影月と違ってお人好しじゃないから、いつでも助けてもらえると思うな、と言いつつも今回は影月も怒っているから特別だと言ってゴロツキたちを次々と倒していった。

 そこへ騒がしいと胡蝶が様子を見にきた。秀麗をチラッと見ていたけど、これは秀麗を、というよりは男に押さえつけられている秀麗を見たと言った方が正しいのかもね。その証拠に胡蝶はゴロツキたちに店の用心棒も連れて来いと命令口調で言われて馬鹿を言いでないよとピシャリと言った。

「私を誰だと思ってるんだい?」

 やはりあの言葉は静蘭を諭していたもので、姮娥楼に捕えたのも秀麗と影月の身の安全のためだったんだね。第一、いくら上客が相手だからって、胡蝶みたいな女性が10年近く見守り続けた秀麗を胡蝶が見放すわけがないものねー。と思ってたら、胡蝶自身が同じことを言っていた(笑) いやいやあの「百年早いんだよ!!」というドスの効いた台詞はとても格好良かった。ゴロツキ風情が彼女に勝てるはずがない(苦笑) 女だからと今まで見下していたのが丸わかりだな〜。

「よく頑張ったね」

 胡蝶にそう言われた途端に安心してしまって秀麗は涙が止められなかった。それは単にこの騒動で助けられたとか、胡蝶が自分の味方であったという以上に、今までためにためていた感情が爆発してしまったんだろう。そして胡蝶もそんな秀麗のことをよく解っていた。

「ああ、偉かったね。男相手に戦うのに、
 男相手に泣きつけないと思ったんだろ?
 たとえ静蘭にでもね。誇りに思うよ。私の可愛い娘。
 でも、もう涙はお拭き。まだまだやる事は残ってる」

 やる事?と尋ねた秀麗に、胡蝶は楸瑛の頼みを引き受けたのだと答えていた。そこへ劉輝と静蘭が到着した。

 一方、玖琅は書簡をしたためて紅家に運ぶよう部下に命じていた。邵可は本当にやるのかい?と尋ねたが、玖琅は即答した。「ええ。私は怒っているんです」と。劉輝たちが追っている犯人は、調子に乗って藪をつついて玖琅という蛇を出してしまった、今回はそういう話だったんだね。

 劉輝は秀麗に何が起きたのかを包み隠さず話していた。自分が犯人を動かすための囮にされていたのだと納得した秀麗は、自分を姮娥楼に足止めさせてどんな利益があるのだろうと呟いた。
 それにも劉輝は答えた。女性が官吏になるのが気に食わないから、秀麗の国試及第は不正を行ったためだと主張して、査問会を開く手筈を整えたのだと説明した。翌日の査問会に出席できぬよう秀麗を姮娥楼に足止めし、出席できないのは不正が明るみに出るのを恐れて逃げだしたのだと主張したいのだと。
 秀麗はその卑怯なやり方に怒り、受けて立つと拳を握りしめていた。査問会に出て自分の実力を認めさせると。今夜は守りが完璧な姮娥楼に影月と静蘭と共に泊まるよう劉輝は秀麗に勧めた。そして宮城まで妨害を受けるだろうが、証拠集めのために大袈裟な護衛はつけないが自力で辿り着いてほしいと口にした。
 護衛は静蘭が。今の静蘭ならどんな相手でも遠慮することはない。劉輝の言葉に秀麗は首をひねるが、後でわかると劉輝はそれ以上は答えなかった。更に秀麗の気づいたことがあるという言葉に、劉輝は懐から数枚の髪を取り出した。劉輝はそれを「よく出来ている」と褒め、完成すれば不正を告発する有力な証拠の一つになると秀麗に手渡した。つまり、魯礼部官吏に提出する予定の課題だったんだね。

 部屋に二人きりとなったとき、秀麗は劉輝に「ありがとう」とお礼を言っていた。それは、劉輝や絳攸、楸瑛が秀麗が宮城に来てから甘やかさずに一人の官吏として扱ってくれたから。対等に話すべき官吏として扱ってくれるのが嬉しい。そう言った秀麗の横顔は清々しいものだった。
 最後に秀麗は二度は言わないと言って劉輝に尋ねた。自分は胸を張って官吏になれるのか、やましいところは本当にないのかと。劉輝の答えは当然「ない」だった。それを聞いた秀麗は、もう何も怖くないと落ち着いたようだった。
 今度は劉輝が秀麗に頼みごとをしていた。配属が決まった後でいいから、自分のために時間を割いてほしいと。その後の秀麗の反応は何だったんだろう? 「暇があったらね」と言っていたけど、その頬は赤くなっていた。

 そこに胡蝶が劉輝に連絡が来たと言って手紙の内容を読み上げた。
「四半時前をもって、城下の機能半分停止。即刻帰ってこないと殺す」
 もちろん書いたのは絳攸だね(笑) 劉輝はすっかり絳攸に逆らえなくなっているなぁ(苦笑) 宮城に戻ると劉輝の机の上には山と積まれた嘆願書があった。城下の紅一族が一斉に仕事を放棄したために貴陽が大混乱になっているのだという。しかし絳攸が言うには、それでも玖琅は手加減してくれているらしい(汗) 本気だったら国が倒れるとは楸瑛が説明してくれた。それだけの力を持っている一族だったのか。
 また黎深は離宮の一つを丸ごと占拠して、自発的に軟禁状態に入っているという(苦笑) 彼に怖いものなんてないんじゃないだろうか。……ああ、秀麗に嫌われるというのがあったか!
 楸瑛が言うには、藍家の力で持たせようとするなら、いつまでも持たせることは可能らしい。……楸瑛の家もとても力があるんだねぇ。しかし放っておいても一日で片をつけてくるだろうと楸瑛は言った。つまり、一日で収拾をつけろと玖琅は劉輝に対して言っているらしい。
 劉輝が黎深に手を出した犯人に、何を考えているのかと呟くと、楸瑛がふと思いついた。黎深が紅家の当主であると知らないのではないかと。絳攸も、黎深が紅家の当主だと公の場で明かしたことがないなと言っていた。つまり、知らないから手を出したに決定だね。更に楸瑛は、燕青が明日の夕方には着きそうだと連絡があったと告げていた。劉輝がそれを正午までに到着するよう勅命を出す、と顔をあげると、楸瑛が「既に出しております」と報告していた。本当に優秀な家臣たちだ。

 姮娥楼では影月が目を覚ました。秀麗は明日の正午までに課題を完成させないといけないと言って、二人は早速作業に取り掛かっていた。
 秀麗はいつから気が付いていたのかと尋ねていた。影月は靴磨きをしていると、色んな噂が入ってくるからと答えていた。更に懐から用紙を取り出して、上位で国試に合格して俸禄をもらった人間に確認したと言っていた。それを見た秀麗が、お手柄だと言っていた。いったい何が書かれていたんだろうか?

 ようやくこの事件も終わるんだね。

at 23:59, 真神恵, 彩雲国物語

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彩雲国物語 16話「渡る世間に鬼はない」

 今回のタイトルはナレーションからだったのか。二人を温かく見守っている者とは劉輝のことなのか?

 しかし秀麗は王の仕事を放って自分たちの護衛をしている劉輝に冷たい視線を向けていた(笑)
 護衛なら静蘭でいいと秀麗は言ったものの、彼はただの米蔵門番で誰かの護衛が任務となる役職にいないから無理だと劉輝はそれが不満であるかのように返していた。そしてその後方で静蘭も秀麗たちを見守っていた。劉輝しか気づいていないようだったから、彼は静蘭も秀麗たちの身を案じていると気遣う発言をするものの、できることとできないことがあるのだともどかしげに言っていた。
 事情がわかっても、秀麗は別に劉輝が護衛をしなくてもというが、劉輝は二人に今が一番危ないのだと告げた。官にも役職も後ろ盾もないから、今突然消えたとしても誰も頓着しないのだと。つまり、女と自分よりも年下の者が官吏に就くのが許せないと思っている人間にとっては今が彼らをどうにかできる機会なんだね。気に入らないというだけで人の命を簡単に奪うだなんて怖いなぁ。
 しかし劉輝よ、それが真実だったとしても二人を不安にさせてどうする!(苦笑) 影月に関しては貴族からの縁談を悉く蹴ったからというのが理由らしい……。面子が潰されたから目障りなんだ……。手ゴマにならないならいらないってこと?

 絳攸が不機嫌な顔をしていた。楸瑛が言うにはこの時期絳攸あてに物品が送られてくるらしい。最終的な昇進や降格を決めるのが黎深と絳攸だから、そのための賄賂だとか……。物を送る前に実力を示したらいいんじゃないの?
 賄賂を送るような人間に自分がいい顔をすると思うのかと憤慨する絳攸に、何もしないでいる度胸がないだけだと楸瑛は言っていた。絳攸がどんな人間か解っていたら、賄賂を贈るのではなく、実力を示しているだろうけどなぁ。そんなんで動くような人間は人事部にいてはいけないだろう。
 絳攸が物品なら売るなり賄賂の証拠となり使えると言ったときは笑った。そんな使い方をされるなんて贈った方は全く思っていないんだろうなと。物品なら、ということは物品以外でも続々と来ているということか。昇進目当てに縁談って……。絳攸は短絡もいいところだと怒っていたが、縁談を持ちかけた方は、仮にそれが上手くいったとしても一度しか使えない手ではないか(苦笑) しかし女は嫌いだと公言しても全然聞いてないらしい……。
 その内の一つを手にした楸瑛は、描かれた絵姿に見覚えがあるようだった。送った者は絳攸と黎深に散々な目にあわされたのに、それでも昇進のために娘を縁談相手にしていたらしい。厚顔無恥な奴なんだね。で、その散々な目というのが鬘をつけているのを衆人の前で晒されて燃やされたってこと? 合図されて困っている絳攸がちょっと気の毒だったな(苦笑) 顔を見せてはいないけど、これもまた声の弊害が……。

 楸瑛が絳攸のところへ来たのは、燕青からの手紙の内容を告げるためだった。彼は香鈴を連れて茶州を出たと言っていた。到着は一ヶ月半後らしい。
 香鈴の同行を知って驚く絳攸に、彼女が自分で茶家の内情を知らせたいと言っていること、秀麗に会いたいと言っていることを楸瑛は説明した。それに重い溜息をついた絳攸に、楸瑛は香鈴が茶州に去った本当の理由、彼女の罪を秀麗に教えるのかと尋ねた。今の秀麗は官吏でそれは受け止めなければならないことだと絳攸は即答していた。
 その後、楸瑛は先ほどの姿絵が描かれた巻物を手にして、自分は別口で色々と忙しいと言っていた。その巻物が何か関係しているということなのかな? 黎深と絳攸に散々な目に合されたから、また何かしようと企んでいたりして。

 トイレ掃除と靴磨き。それとは別に無能な官吏に仕事を押し付けられている日々は相変わらずのようで……。しかも彼女らが優秀だから次々と丸投げしているんだろうなぁ。しかしこのままだと秀麗も影月も身体を壊すんじゃないだろうか(汗)
 そこへ更に書物を持った官吏が現れた。……と思ったらマロか! 自分の仕事を押し付けていたのってこいつだけなのかな〜。しかも奴は影月が計算中のソロバンの上にわざわざ、しかも乱暴に投げ、片や秀麗の方に投げ入れてもせっかく整えた資料を崩して立ち去った。しかし彼らはもう奴の嫌がらせには慣れたようで、仕事が中断されることはなかった。二人を見守る劉輝も剣を抜きかけるほど、奴の行いは連日なんだなぁ。
 しかし結局徹夜で仕事をしたようだった(汗) 仕分けた資料を届けに行こうとすると、秀麗たちのいた部屋の前に飲茶のセットが置かれていた。今日も、ということは毎日置かれているのかな? しかもお茶っ葉は疲れを取る効能があるものだった。夜に邵可が様子を見に来たけど、彼ではないのかと思えるような状態だなぁ。しかし秀麗はお茶をいれると言った邵可の申し出を全力で断っていたから違うかな。

 次は礼部と走る秀麗に泥団子が投げられた。当たったと歓喜していたのは三人の官吏。……こいつらいったい幾つだ! いくらなんでもお子さま過ぎる。こんなのが官吏として国を支えているだなんて。つまりアレだ。ガリ勉ばかりしていてお勉強はできるが頭は悪いという性質の悪い奴らなんだね。ああ、それで実力がないから、昇進するのに礼部に賄賂も贈っているんだろうなー。
 服を汚されてしまったのに、怒る以前にバカじゃないのと呆れる秀麗が不憫だ(苦笑) そんな彼女に第二弾の泥団子が投げられた。しかしその次が来ない。顔を上げた秀麗の目に、顔を強張らせた三人が見えた。秀麗が避けた泥団子は、絳攸にあたっていたからだった。「礼部では妙な遊びが流行っているようですね、蔡尚書」と言う絳攸の周りの温度はとても冷たくなっていることだろう。
 聞かれた蔡尚書は平謝りするしかないよねー。自分の昇進に響くもの。しかもあの三人は魯官吏の指示でやったのだと言って逃げようとしていた。……女人官吏に反対のような意見を言っていたものの、こんなことをしろと言うような人間には全く見えないけどなぁ。名前を繰り返した感じでは絳攸もそれは知っているんじゃないか?
 そこに魯官吏も現れた。騒ぎを聞きつけ来たのかな? 狼狽える三人には構わず、魯官吏は秀麗に厳しく当たっていた。茫然としている彼女に休んでいる暇があるのかと言った後、弁明しようとする秀麗の言葉など全く聞かずに暇ならここの掃除を任せることにしようと命じていた。秀麗は思わず振り返って絳攸を見たが、彼は素知らぬ振りをしていた。
 本心ではどう思っていても助けるワケにはいかないものね。秀麗も以前に絳攸が言った言葉を思い出して魯官吏の言葉に従った。

 秀麗が溜息をついてしまったとき、静蘭が現れた。彼もやるせない表情で秀麗に話しかけようとしたが、秀麗はこれを拒絶していた。こればかりは誰にも甘えるワケにはいかないと言い切った。自分で決めて望んで選んだ道なんだからと。静蘭に甘やかせてもらうワケにはいかないの。そう言われたのに手を差し伸べてしまった静蘭は、秀麗に再び拒絶されて悲しそうな顔で彼女の前から去って行った。もう駄目だと思ったら自分のところに来て下さいと言い残して。「お嬢さまのためでなく私のために」と言った言葉が辛いなぁ。
 この二人の様子を武官の姿をした劉輝も見ていた。しかも我慢できずに飛び出そうとまでしていたし。それを抑えていたのが楸瑛だった。秀麗自身の力で乗り越えねば誰も彼女を認めない。静蘭の手さえ取らなかったのに、王自ら庇えば台無しでしょうと諭されて劉輝もようやく力を抜いた。本当に手のかかる王だ……。
 そのままの秀麗で傍にいてほしい。その可能性について話しているところに、秀麗の傍に影月が来て一緒に掃除を始めた。一緒に苦労している仲間じゃないと今は秀麗とはと共にいられないんだねぇ。

 進士が集合している場所に遅れて秀麗と影月もやってきた。仕事を全て片付けたのかと問う魯官吏に全て終わったと報告する二人の顔は疲れの色が濃かった。二人に反感を持っていた他の進士たちもその姿に困惑した表情を浮かべていた。
 そこへ珀明が一歩前に進み出て、仮眠を取らせるべきだと魯官吏に提案していた。連日っていったいどれくらい徹夜していたんだ(汗) その提案に魯官吏が二人の代わりにトイレ掃除と靴磨きをするかねと条件を出してきた。その言葉にも動じず、珀明はやりますと即答して二人を仮眠室に連れて行った。
 二人が倒れたら他の者が迷惑をすると珀明は言っていた(笑) 素直じゃないんだなぁ。なるほど、これが渡る世間に鬼はないということなんだね。頑張り過ぎる二人が本当にもうギリギリだと悟って我慢できなかったんだろう。うん、いい子だ。

 悪だくみは進行しているようだった。胡蝶はしばらくは秀麗に姮娥楼には来ないようにと言っていた。これはあの腹黒官吏を調査するためなのは明らかだね。彼女の秀麗の可愛がりようを見てしまったなら、秀麗を思って遠ざけているとしか思えないもの。
 声で丸わかりなんだけど、腹黒官吏は指輪の偽物をいくつか作っていて、それを本物だと信じ込ませたら大きく昇進するだけでなく大金も手に入り、更にはうまくいけば秀麗を追いかけるきっかけになるとか、後見人の黎深を失脚させる糸口になれたしめたものだと自分に都合のいい妄想をしていた(苦笑)
 その偽物の指輪の一つを楸瑛が手に入れて劉輝に見せていた。しかし劉輝は茶太保が持っていたものとは違うと一発で見抜いていた。金目当ての腹黒官吏の配下が闇市で売り払ったのを手に入れたらしいね。ここで絳攸が疑問を挟んでいた。腹黒官吏が見つけてすぐに失くした指輪が本物だったのかと。茶太保の死後、一年探して見つからなかったものが今さら見つかるなど時期が良すぎるのではないかと。
 楸瑛たちはそれが誰なのかもう調べはついているんだね。証拠も揃ったと言っていたし。劉輝は本物の指輪を探すように指示したが、今は大切な時期だからと礼部の官吏の捕縛には待ったをかけていた。

 王宮内での秀麗の評価は秘かに上がっているようだった。何でも魯官吏に賄賂を贈って仕事を減らしてもらっている者もいるらしい(汗) えー……新人のときからそんなことするなんて考えられない世界だなー。そんな進士を知っているからか、いつも笑顔で明るく仕事をしている秀麗に根性があるとか女性官吏もいいもんじゃないのかという声も上がっていた。うんうん、やはり真面目が一番なんだよ。
 マロからの押し付けも減ったのだろうか? 府庫では以前のような資料に囲まれての仕事というシーンではなくなっていた。彼らはそれぞれ一枚ずつの書簡を手にして何かが引っかかると唸っていた。互いに交換したその書簡には同じ部署、礼部に関する何かが書かれているようだった。魯官吏に出された課題を連名でこのことにしようと二人は決めていた。
 仕事を終った後に始めましょうかと提案した影月の後に、珀明が府庫までやってきた。仕事が終わってからも何かをするつもりなのかと心配して(笑) 影月の台詞から、彼はあのときから二人の仕事を手伝いに来ているらしい。心配で心配で仕方がないんだなぁ。うん、いい子だ。
 秀麗によれば、彼はあの仮眠を提案して以来魯官吏に目をつけられて仕事を増やされたらしい。自分たちの仕事を手伝うのはありがたいがと珀明を気遣い秀麗に、彼はあの程度の仕事は何でもないと言い切った。
 珀明は絳攸を尊敬しているらしい。彼の言う絳攸の姿に、困ったような顔で心の中で突っ込む秀麗と影月に笑った。つまり、珀明は吏部の官吏を志望しているんだね。しかも珀明は絳攸に敬意を表して一年遅れて国試を受験していたとか。一年遅らせて17歳で受験したら4位になってしまったと文句を言っていた。1位になるはずだったのね、しかし実力で出世街道に突き進むんだそうだ……。そんなの心の中で思っていたらいいのにと思ったけど、二人を仲間だと思っているからこんな話もするんだろうなぁ。
 しかし……影月が暢気小動物で、龍連が藍家の変人で、秀麗は小娘なんだね(笑) うん、いい子……じゃなくて面白い奴だ。絳攸と同じことが自分の身に降りかかったことを喜べるんだから! 壮大な計画は何年かしたら魯官吏より昇進して鼻で笑うことなんだね。よし、覚えた(笑)
 一人満足した珀明は仕事をするぞと二人を促していた。その部屋の前には今度は三人分の飲茶が用意されていた。

 休みの日に秀麗と影月に文が届いていた。秀麗は文を見て喜び、影月は茫然としていた。送ったお金が届いていないらしい。文には礼部の早馬が着いていないという連絡が書かれていた。秀麗の文には胡蝶から遊びにおいでと書かれていたらしい。しばらく来ないようにと言われたときの胡蝶の様子に戸惑っていた秀麗にとって、彼女の誘いはとても嬉しいものだったろうね。

 子どもたちを見送った姿勢のまま、邵可が誰かに話しかけていた。よく来たね。いつ来るかと待っていたんだと。現れたのは玖琅という名の邵可のもう一人の弟だった。
 同じ時刻だろうか。休日の王宮内では国試に不正があったという噂が流れていた。ああ、とてもとても不穏な空気だ。噂によれば、秀麗を合格させるために黎深が浦から手を回したというものだった。陰で話を聞いていた絳攸は鼻で笑っていただろうなぁ。というか王宮内ってどれだけの人がいるんだろうね。黎深がどんな人物なのか知らない人がいるんだもの。
 吏部に戻った絳攸がこのことを報告していると、黎深が気づいて招かれざる客が来たと言って後のことを絳攸に任せていた。黎深を捕えに来た三人は、黎深の脅しに一瞬怯んでいた。拘束させてやった結果、今後その身に何が起ころうとも知らんぞって言われても、彼らは命じられてそうしているんだから遊んでやるなよと思った。大元は当然散々な目に合わせるが、それに協力した人間にだって黎深は容赦しないんだろうなぁ(苦笑)

at 23:59, 真神恵, 彩雲国物語

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彩雲国物語 15話「親の心子知らず」

 誰の話なのかと思っていたら……絳攸だったんだね。今回の話で印象的だったのは李の花だった。最初から最後まで。単に背景としてあるからというには不自然に思えるくらい李の映像が出ていたからねぇ……。それが最後にあのように結びつくとは。

 秀麗と影月がずっとトイレ掃除や靴磨きをさせられているのを歯がゆい思いで見ているのは彼女と縁のある者なら当然のこと。しかし楸瑛の「主上に皮肉の一つや二つや三つ言いに言っているはず」には笑った。三つがつくんだ。
 しかも楸瑛が言った通りに黎深が劉輝と話していたからおかしかった。しかし劉輝も解っているから苦笑いしていただけだし。秀麗は必ず守ると言う劉輝の言葉に嘘はないと知りつつ、言うべきことは言って黎深は立ち去っていた。
 黎深は、自ら作った女人国試登用制度を上手く活用できなければ見切りをつけると劉輝に言っていた。ということは、前王は優秀だったから彼は官吏をしているということなのかなぁ。

 面白いのが府庫でのシーンかな。劉輝には一応主上として相対していたけど、身内の絳攸には思ったことをズケズケ言っていたんだもの。本当なら秀麗を苛める奴は全員首にしたいくらいだと。人事を握っている人間が言うことほど恐ろしいものはないなぁ(苦笑)
 邵可がいないということもあって、不機嫌そうな顔を隠そうともしなかったのに、邵可が戻ってくるとコロッと態度が変わるしなぁ。前のときにも思ったけど、黎深って30歳はいっているのかな? それなのにあの態度はちょっとなぁと思ってしまう(苦笑) 頬を赤らめるくらいに喜んでいる姿はもう別人としか思えない。ただ、そうさせる何かが過去にあったのだとは思うけど。
 そんな黎深の姿を見て、絳攸は顔を少し俯かせていた。同じく邵可と黎深を見ていた周英がそんな絳攸に気が付いていた。邵可や秀麗に対する黎深の態度と自分とのそれがあまりにも違うからか、絳攸は黎深にとって大切なのは彼らで自分はその中に入っていないんじゃないかと悩んでいた。

 李の花の前でそう思い悩んでいる背中がよほど寂しそうに見えたんだろう。秀麗が思わず話しかけていた。立場上、話しかけてはいけないとわかっていても気になってしまうよねぇ。気落ちするようなことがあったのかと尋ねたら、絳攸が困った顔をしていたので秀麗は話題を変えていた。
 上へ昇ろうとする努力を支えた強いいが何か。秀麗に問われた絳攸は、たくさんのものを与えてくれた人への恩返しのため、少しでもその人の力になりたいと思ったからと答えた。そう話す絳攸の表情が曇っていたからだろうか、思いは叶ったのかと尋ねた秀麗に、絳攸は自分などいてもいなくても何も変わらないのではないかと自嘲気味に答えるしかないように見えた。しかし、誰かへの思いが自分を支えるのは素敵だと言った秀麗の言葉に少し気持ちが軽くなったのか、絳攸は後で差し入れを持って行くと約束した。

 秀麗が走り去るのを見送って、自分も移動しようとしたところへ蔡尚書がタイミングよく話しかけてきた。こいつは秀麗と絳攸が一緒にいるのを目撃してその場にずっといたんじゃないだろうか。そう思えるくらいに絶妙なタイミングだったなぁ。
 絳攸は秀麗と影月の扱いについて詰問したが、蔡尚書は彼らを監督しているのは魯官吏だからと言い逃れていた。確かに彼らに今の仕事を与えたのは魯官吏ではあるけど、それを見て何も言っていないというのも問題があるんじゃないかなぁ。部下が勝手にやりました、じゃ上司である意味ないんじゃない? でも、トイレ掃除や靴磨きなんて嫌われ役をすることで、二人が他の官吏から陰惨なイジメにはあってないんだよねぇ。
 自分は関係ないと言い切った後、蔡尚書は絳攸に対して嫌味を言いだした。いわく、紅尚書の養子なのに紅姓を貰っていないと。彼を紅家に迎え入れる気がないのでは、気まぐれで冷酷な人だからいつまた身一つで放り出してもおかしくない。
 自分が黎深にとって必要な人間ではないのかと思い悩んでいた絳攸にとっては無視できる戯言でなくなってしまったんだねぇ。また絳攸が何も言い返さないものだから、蔡尚書も調子に乗って口を動かすしなぁ。絳攸の才が惜しいから、独立する際には自分が力になると言いだそうとしていた。それを遮って絳攸は蔡尚書の前から立ち去っていた。怒っていないと蔡尚書が言っていたあの事って何だろう?

 蔡尚書の言葉がダイレクトに効いたんだろうなぁ……。絳攸は自分が黎深に拾われたときのことを思い出していた。しかし、過去のシーンを見ると別に黎深は誰でもよかったということではなさそうなにな。くじ引きという商売を自分で考えたと言った絳攸だから彼は拾われたんじゃないか?
 しかし絳攸には気まぐれで拾われたという理由しか思い浮かばないんだろうね。彼はまた李の花を見上げていた。そこへ黎深がこんなところで何をやっていると言ってやってきた。「迷子になったら近くの人に道を聞きなさいといつも言ってあるだろ」と言った黎深の声音は温かいとはとても言えないものだった。しかし、絳攸に注意したその言葉は小さい子を諭す以外のなにものでもない言葉ではないか。黎深のような人間だったら、興味のない人間には話かけることすら……いや、視界に入れることすら嫌うんじゃないだろうか。そんな人間なのに今の発言は、ぼんやりしている息子を心配して声をかけた、としか見えない。しかし絳攸は黎深に愛されている自信がないからか、全然気づかないんだねぇ。

 絳攸に不機嫌になっているのを指摘された黎深は、紅本家から使いが来たのだと言っていた。どうせ碌な話ではないからと、もし絳攸の元にも使者が来た場合はすぐに叩きだせと言って黎深は立ち去ろうとした。その腕を捕まえて、絳攸は尋ねていた。自分が今、黎深の元を離れて全国津々浦々転進修行に出たいと言ったらどうしますかと。方向音痴のお前が旅に出てどうるすると尤もな突っ込みをした後で、絳攸の問いに答えた。

「行きたいなら勝手に行け。お前の人生だ。私に聞くな」

 言葉の通り、だよねぇ。しかし今の絳攸にとってはお前など知らぬと言われたように感じた顔をしていた。そうじゃないのになぁ。黎深もそうだけど、この絳攸も何歳なんだ? 見た目では20歳を超えているようにしか見えないんだけど、今回の思い悩む姿は10代の少年のものだよね。年齢がハッキリしているのって秀麗と影月と劉輝くらいなんじゃないか?

 見た目は悪くても味が良ければ充分だ。初めて作ったとしたなら言うことなしなんじゃないだろうか。
 府庫からため息をついて出てきた絳攸を蔡尚書と魯官吏が見ていた。会話を聞いていると魯官吏は女人の登用を快く思っていないように見える。対して蔡尚書は……どちらなのか不明かな。彼はただ魯官吏の話を聞いていただけだったし。
 女人登用制度には、女人が国試を受験する場合には高官か大貴族の後ろだてが必要だと定められたらしい。秀麗が幸運に恵まれていると言った魯官吏は、彼女の後見人が黎深だと蔡尚書に明かしていた。秀麗のことを批判しているようにも聞こえるけど、彼女の後見人が黎深と聞いて蔡尚書が初めてその表情を変えていた。この会話には何か意味があるんだろうなぁ。

 府庫から出た後、絳攸は一人で酒を飲んでいた。そこに通りがかった楸瑛が座り、更に通りがかった静蘭を呼びとめた。楸瑛は嫌がっていたというのに静蘭は付き合えと言う有様。何でも絳攸が一人で酒を仰ぐ羽目になったのは静蘭のせいらしい。諦めて絳攸たちの元へ進む静蘭を劉輝が嬉しそうに走り寄ってきた。兄上と言いかけて途中で止めた劉輝の言葉に「うええ」とは何だと絳攸が絡んで劉輝も巻き込んでいた。
 静蘭のせいだと言った理由は、彼が邵可に拾われた頃に絳攸が黎深に拾われたからだった。何でも屋敷に連れられた絳攸が、黎深に何故自分を拾ってくれたのかと尋ねたら「敬愛する兄上が先ごろ一人の少年を拾ったそうでな。私もそのご苦労を疑似体験すべく適当に誰か拾って育ててみることにした」と答えたらしい。
 しかしその後の絳攸は出鱈目だった(苦笑) 邵可に拾われて羨んでいるかのようなことを言ったと思ったら、今度は今の自分がいるのは黎深のおかげと言い出すし。静蘭に飲めと言ったら自分が飲みだしたり……。酔っ払いってこれだから(苦笑)

 楸瑛が絳攸を送ると連れ出しすと、今度は劉輝が秀麗に影から見守ることしかできないと静蘭に悩みを打ち明けていた。陰からで充分ですと静蘭が言った通りだよ。女人官吏登用制度を作ってなかったら秀麗が今働けないんだから。逆に静蘭の方が顔を曇らせていた。劉輝以上に何もできないからと言うことだけど……。
 しかし、静蘭のモヤモヤは邵可の言葉で焦る気持ちだけは落ち着いたみたいだった。そして静蘭は「今夜悩める若者を一人、うちに招待してもよろしいでしょうか?」と聞いていた。うん、確かに。邵可だったら絳攸に適切なアドバイスをしてくれるだろうね。

 翌日、劉輝は武人の姿に扮して影月の前に来て磨きを頼んでいた。辛くはないかと気遣う劉輝に、影月は靴磨きも勉強になると快活に答えていた。そんな彼に劉輝は王家の紋印を手渡していた。自分よりも静蘭に渡した方がいいのではないかと問う影月に、劉輝は今の静蘭では秀麗の傍にずっといることはできないからと言って、ずっと傍にいるのが可能な影月に託していた。
 二人のやり取りを見ていた静蘭は、悩んでいるだけで何もできないのは自分だけかと落ち込んでいた。しかしせめて絳攸だけは、と思ったのだろう、静蘭は邵可からの言づてだと言って家に来てくれるようにと話していた。

 そして花をつけている李の前まで絳攸を導いた邵可は、それが黎深から送られたものなのだと話し始めた。そういや秀麗の家の庭木は皆枯れてしまっていたんだっけ。だから李の花の白さが目立つな。
 黎深が李の花を邵可に贈ったのは、劉輝が桜の木を贈ったかららしい。それを李が桜より先に花を咲かせるからかと尋ねた絳攸に、黎深が昔から花でも実でも李が一番好きだからと彼が李の木を贈ってきた理由を話していた。
 しかし黎深の屋敷には李の木はないらしい。それにも邵可は黎深が好き嫌いを素直に示す弟ではないのだとハッキリ答えた。そして黎深が紅家を好きではないこと、それでも紅家の当主になることから逃れられなかったこと、絳攸には何にも縛られてほしくなかったのだろうと続けた。もし絳攸が紅の姓を名乗ったら、紅家に渦巻く醜い闇に巻き込まれていく。

「黎深でさえ抜け切ることができなかったのに、
 大切な人をどうして道連れにできますか」
「!」
「貴方には好きな道を選んでほしい。
 だからこそ、あえて『李』という姓を与えたのだと思います。

 李とはスモモのことでしょう?
 絳攸の絳は紅よりもなお深い深紅、
 攸は水の流れる様を示します。
 貴方が自分の子どもだという誇りと、
 流れる水のように自由に生きてほしいという願い。
 弟ながら、良い名前をつけたと思いますよ」

 自分の名前に込められた願いと、黎深の思いを知らなかったと呟いた絳攸に「親の心子知らず」と邵可が今回のタイトルを言っていた。それでいいと思いますがね、と邵可は言うが、今の絳攸にとってこれほどありがたい話はなかっただろう。
 頭を下げて礼を言った絳攸に、邵可はお礼なら静蘭にと告げた。絳攸の「悩みを聞いてやってくれと言ったのはあの子です」と言った邵可の「あの子」という部分にいいなぁと思った。本人にも言っていたが、13年前に拾って静蘭と名前をつけたときから邵可にとって静蘭も実の子なんだなと思える台詞だった。
 お礼なら静蘭に、と言われて吹っ切れた顔で「はい」と絳攸は答えたが、邵可が楸瑛からも頼まれたと聞くや表情を一変させた(笑) 絳攸は口が重いので黎深絡みだと邵可しか話さないだろうと言っていたらしい。
 良い友人を持ちましたね。邵可にそう言われても認められないらしい(苦笑) 自分の弱みを見られたのが嫌なんだろうね。楸瑛に借りを作るというのが。静蘭は良くて何故自分が駄目なのかという楸瑛の言葉は尤もである。しかし、絳攸が噛みついてくるのも楸瑛にはわかっていたことだったろうな。
 最後の「紅家の人々の人望と人の心を掴む術は凄いねぇ」と「邵可さまたちがその気になったら、あっさりこの国は乗っ取られそうだな」という言葉にも大いに納得(笑)

at 23:52, 真神恵, 彩雲国物語

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彩雲国物語 14話「石の上にも三年」

 会試に合格したものの、タイトルから秀麗と影月がどんなに苦労するのかがよくわかる……(汗) 女の受験に反対だったものが殆どで、それが合格して自分たちと同じ官吏になると聞いて不愉快だと思っているんだろう。百歩譲るのも嫌だが、そういう時代は現実にもあったからいい。しかし影月までが攻撃の対象となるとは……。影月が捻くれた子だったら、たちまち歪んで後に後輩に対して同じことをしていただろうなぁ。幸いにも彼は清廉な人物だからそうはならないだろうけど。
 女の嫉妬は恐ろしいとはよく聞く言葉だが、なんのなんの、男の嫉妬だって女に負けてないよ! いやむしろ男の嫉妬の方が恐ろしいものだと思う。何せ昔話を見ればハッキリ描かれているからな(苦笑)

 第二位で合格した龍連は本当に試験を受けるという義務を果たしただけなんだなぁ(苦笑) 進士式と字を書くんだろうか? ともかく秀麗を呼ぶとき、役人の声が小さかったのは意図してのことなんだろうなぁ。しかも呼んだ途端に皆の視線が集中していたし……。

 念願の夢を叶えた秀麗とは違って、まずは胡蝶の様子がおかしかった。嬉しそうに報告しに来た彼女に対して、しばらく姮娥楼には来ないように胡蝶は言うし、街でも買い物をしようとしても店主はよそよそしいし、今まで秀麗と親しくしていた人たちが彼女を避けていた。

 その胡蝶の元に通っているのは出世欲が旺盛なおっさんのようだった。このシーンの後の楸瑛と絳攸の会話は伏線なんだろうね。まず楸瑛が妓楼に通っていて、それに文句を言っている絳攸にちゃんと仕事はしていると言っていた。次に指輪が見つかったがすぐになくなったという報告を受けたのか楸瑛が言っていた。さっきの胡蝶の客が言っていたことそのままではないか。つまり胡蝶が楸瑛に情報を流したということだよね。

 自分は何も変わっていないのに、と疎外感を感じていた秀麗が影月につまづいた。何と彼は道端に倒れていたのである。しかも何やら顔も服も汚れていた。また陽月になって暴れてしまったらしい。
 そこへ秀麗を探していたらしい静蘭が彼女を見つけてかけよってきた。何でも進士は俸禄を貰ったばかりなのでゴロツキの格好の餌食になるからと一人で出掛けた秀麗を注意していた。そして影月の姿を見てもう餌食になったのではないかと心配していた。
 しかし影月は俸禄の銀80両は全て郷里に送ったので違うと答えた。全部送ったと言った影月に、秀麗も静蘭も驚いた。ではどうして暴れたのかと秀麗が聞くと、どうやら彼は貴族の屋敷でお酒を飲まされたようだった。最年少で一位で合格した影月と今から繋ぎを持とうとする輩がいるのは仕方がないと静蘭が言っていた。絳攸も同じ目にあって、それで女性が嫌いになったんだっけ。
 郷里に及第の知らせはしたのかという秀麗の問いに、影月は礼部が連絡の早馬を出してくれるからと先にお金だけ渡したらしい。それを聞いて秀麗はため息をついた。そして今日中に手紙を書くようにと言った。影月が自分で報告した方が郷里の人も安心する……というのは当然として、その後でお金の安全のためには絶対に書かないと駄目と言うのは秀麗らしい(笑) 貴族の娘と言っても長年の貧乏暮らしで金勘定にはすっかりうるさいお姫さまになってしまったんだねぇ。

 配属先がどこになるのだろうと期待していたというのに、早速嫌がらせが始まっていた(汗) 書状に書かれた時刻が間違っていたらしい。仕事を絳攸に押し付けて、何と武官に扮した劉輝が二人に知らせに来ていた。若くして及第した絳攸も似たような嫌がらせを受けたから身代わりを引き受けたのかなぁ。
 ギリギリ間に合ったとはいえ官服が汚れてしまっていた。上位20名は一時朝廷預かりとなり、二ヶ月後能力に応じて正式に配属先が決まると説明したのは礼部の蔡尚書だった。ああ、アニメだと絵が動くだけでなく声も入るので思いっきりネタバレになってしまうなぁと改めて思った。
 蔡尚書の後ろにいた魯礼部官は指導官と紹介されていたが厳しそうな感じだなぁ。魯は一ヶ月半経ったら各々自分が思ったことをまとめて提出するよう課題を与えていた。そこで彼は秀麗と影月を見て、官服を汚したことで早速お小言を言われていた。影月が言い訳しようとしてもピシャリと遮ったしね。官としての自覚が足りないと言った魯は彼らに後で相応しい仕事を割り振ると言って彼らの前から離れた。
 そうして秀麗に割り振られた仕事は厠掃除だった(汗) 影月は靴磨きか……。しかし二人とも前向きだな。文句を言いながらもトイレに花を飾ったりするのは女の子だからだなぁと思っていたら、さっそく嫌味を言う奴がやってきた(苦笑) 言ってて恥ずかしくないのかねぇ。影月を蹴っていた馬鹿役人もいたっけ。

 トイレ掃除と靴磨きの他に、いかにも「マロ」と言った風体の官吏が秀麗たちに仕事を与えていた。二人が頑張ろうと互いに気合いを入れていたけど、トイレ掃除は半月経っても仕事として割り振られたままだったらしい。
 奇人と柚梨は二人を気にかけていたようだけど、奇人は二人がキツイ仕事をさせられているのも指導官が魯官吏だからとあっさり言ってたな(汗) 柚梨が彼らの待遇に不満を漏らしても、奇人は這い上がるものは這い上がるのだから放っておけとまで言ってた。そう言われたら、この二人は間違いなく這い上がっていける人材だろうなと思う。
 しかも奇人は書類の束を柚梨に渡していた。二人が書類の整理もしていると知ってその束を適当に紛れ込ませておけと言っていた。怒った柚梨が書類を見て嬉しそうにしていたということは、その書類の束は秀麗たちにとって吉となるものなんだろうなぁ。直接手を差し伸べたりはしないけど、そうやって気にかけてくれる人がいてくれるだけで勇気が出るものだと思う。ただ、奇人は二人が府庫に来る前に〜と言っていたから、彼らが関与したと知ることはないんだろうけどね。

 以前からの知り合い以外でも秀麗たちを気にかけている者がいた。珀明はずっとトイレ掃除させられていた秀麗に悔しくないのか、と自分がさせられていたワケでもないのに怒っていた(笑) こういう子っていいなぁ。女のクセにとか、自分が秀麗の次に及第したのが不満だと言っていたけど、話しかけた時点で彼は秀麗を認めていると思う。

 あ、自分のことをマロって言ってた(笑) そうか、じゃあマロと呼んでも間違ってないということだね。奴は秀麗たちに自分の仕事を押し付けていた。今までもそうやって他人に仕事を押し付けてきたんだろうなぁ。
 そこへ府庫に絳攸がやってきた。そして机に置かれた書類を見て、これはお前の仕事なのかと尋ねていた。絳攸にはそうではないと解っていたんだろうね。でも秀麗が自分で引き受けた仕事だと言うのならそれでいいと思ったのかも。いつもギャアギャア喚いたり、道に迷ったりと愉快な面ばかり見せてきた絳攸だけど、秀麗にかけた言葉はとても勇気づけられるものだったなぁ。この先自分たちの助けは期待するな、一人で上がってこい。それは対等な立場での言葉だものね。まぁ、助けられるのが当然とか思っていたとしたら、絳攸は彼女に勉強を教えたりと世話を焼いたりはしなかっただろうけど。
 ただせっかく格好良く決めたというのに、最後まで決まらないのはお約束なのか、出口はそこではないと秀麗に言われて絳攸は本の山が邪魔だと喚いていた(笑)

at 22:01, 真神恵, 彩雲国物語

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彩雲国物語 13話「瓢箪から駒」

 ナレーションに吹いた! 確かに劉輝と愛しの秀麗との再会は心温まるものだったね(笑)

 女たちの視線が痛いね〜。
 秀麗に尋ねられて劉輝は影月に会いに来たと話していた。楸瑛が彼を保護したと聞いたからと。そして胡蝶は座敷の途中で、影月がゴロツキに絡まれていると呼び出されて行ってしまったと話した。
 影月は楸瑛に自分が何か取られていないかと尋ねていたが、彼は影月の様子に昨日と別人だと言いだした。案内されて向かった先には不敵な笑みを浮かべて相手を見下したような言い方をしている影月がいた。おまけに青巾党の三人を簡単に倒してしまった。その後楸瑛が見つけたときには影月は半分眠った状態で、彼がどうしても貴陽一に妓楼にと言っていたから楸瑛は連れてきたらしい。
 盗られたものは何だと劉輝に問われて影月が木簡と答えたとき、劉輝と絳攸の表情が変わった。ゴロツキを倒したときに影月が落した袋の中身を見て、楸瑛も何か思い当たるような顔をしていたしね。
 そして影月は自分が狙われたのはそれが目的で、しかも青巾党の連中がそれをたくさん集めていると話し、もしかしたらその中に自分のもあるかもしれないと話していた。それを聞いた途端にまたもや劉輝と絳攸が驚いて聞き返していた。その様子に秀麗が二人を不思議そうに見ていた。

 すると今度は姮娥楼の人間が胡蝶に青巾党の人間の一人が入ってきたと報告した。しかもそれは秀麗をよく訪ねてくるガキだと困ったように彼は言っていた。
 捕まっている三太を見て、劉輝は静蘭に誰なのかと尋ねていた。秀麗の幼馴染みたいなもので、彼女のちょっかいをかけてくるので静蘭は追い払うのに苦労したと言っていた。しかし冬の川に放り込んだりもしていたらしい(苦笑)
 三太は三太で好きな女に威張れて尊敬されるものを持ちたかった。ついでに恋敵を見返したかったから彼は青巾党に参加していたらしい。とは言ってもただのチンピラ集団に入るなんて品位が下がるだけではないか(苦笑) しかも静蘭を恋敵だと思ってたんだ。絶対勝てないって。しかも秀麗には全く気づいてもらえてないし。胡蝶と、劉輝にどういう意味だと聞かれた楸瑛の苦笑する姿がまたいいね。
 おまけに惚れてる本人に、気付かれないまま思いっきり振られているし(苦笑) 影月に自分の木簡は青巾党の根城にあるのかと聞かれて、三太はあると答えていたが、彼らが姮娥楼を拠点にすると言っていたと話した。楸瑛がいつと聞くと今夜だとも。

 木簡持参で引っ越してくるなんて好都合と呟いた楸瑛に、青巾党は自分たちの獲物だと胡蝶が釘を刺した。しかし楸瑛は事情が変わったと言って譲らない。自分たちに預けてほしいと言っても彼女は落とし前はキッチリとつけないとケジメにならないと楸瑛をに睨んでいた。……これはやはり裏を仕切っている親分の一人は間違いなくこの胡蝶なんだろうなぁ。
 結局胡蝶は泳がせていても後数日と思っていたと言って、目的の物を取り返すまでという楸瑛の提案を受け入れた。緊迫した空気に困惑していた秀麗に、楸瑛は胡蝶が組連の親分衆の一人で花街を束ねる頭だと教えていた。それだけでなく、彼女は組連を牛耳る女傑とも言われているとか。やっぱりそうだったかー。では、楸瑛が通っているのも情報交換だったということだね。

 何も知らない青巾党が哀れだねぇ(苦笑) 一番危険な場所に乗り込むとは。しかも周英たちもいるというのにねー。で、当然ながら戦力にならない者は隠れていた。影月と秀麗と三太と絳攸……。そうか、文官の彼は頭脳戦専門なんだね。
 しかし影月は、木簡がないと貴陽に来た意味がないとまで言い切った。絳攸は感心したのだろうね。喧嘩はできるかという問いに答えたできないしすごく弱いと言った影月の言葉に、自分もそうだと言ってのびてる人間の懐を探ることしかできないぞとだけ言って行くことを許した。しかも影月と共に秀麗も自分の目の届く場所にいろと言っていた。
 ところが青巾党の頭が中に入ってきて、懐を探る秀麗を見るけてしまった(汗) 人質にしようとしたところを影月と三太が助けようとしたが簡単に吹っ飛ばされてしまった。このとき、影月の心の中が描かれていた。彼の中にはもう一人の人格がいて、影月は陽月と呼んだもう一つの人格に秀麗を助けてくれるように頼んでいた。
 俺の知ったことではないと言いつつ、目覚めた陽月は青巾党の頭を簡単に倒してしまった。彼はどうやら影月がお酒を飲むと現れるらしい。更に、床に散らばった木簡は会試の受験札だった(汗) 必死の思いで手に入れた受験札を金で買い戻させようとしていたんだ……。
 怒っている秀麗の襟首を掴んだ陽月は、彼女を天に放り投げた。その後ろには青巾党が迫っていたからだった。そして襲ってきた二人も陽月は難なく倒していた。中に入ってきた劉輝と静蘭と楸瑛は、その後で落下する秀麗を受け止めていた陽月を唖然と見上げていた。
 影月の頼みだから助けたが二度はない。それから影月の木簡はここにはない。そこまで言った陽月は、酒が切れたと言って膝を落としてしまった。持続時間は短いんだなぁ。

 事が終わると親分衆は影月を取り合っていた(笑) しかしそこへ劉輝がこちらに先約があると言った。彼が名を名乗っても王と同じ名前だと言うだけで彼らは笑い飛ばすだけだった。自分たちが先に目をつけていたと言い張る親分たちに、劉輝は木簡を手にして影月がこれを手にしたときから自分たちが目をつけていたのだと言い返した。
 気圧されたのか、彼らは今度は青巾党の連中に怒りをぶつけていた。すると今度は楸瑛が今度はもう少し早く腰を上げてほしいなぁとやんわりと非難し、劉輝もこちらにとばっちりが来るところだったとと不満を言った。そして青巾党に対してよく灸をすえろと命じた。
 呆気にとられていた胡蝶は、最年長と思われる親分の「我々に落し前をつけさせていただけるのですか」と目上に対する言葉で確認を取ったとき、慌てて椅子から立ち上がった。劉輝を王だと知っている人物だったんだろうか。そして彼は玉座ではなく、自分たちの失態の穴をを取り返しがつかなくなる前に埋めてくれた劉輝自身と、取り決めを守れなかったことへの心からの謝罪をと言った。言って劉輝に対して拱手した。
 瓢箪から駒とは、今回の騒動で親分衆に契りを交わす相手と劉輝が認められたという意味だった。

 影月の受験札は見つからなかった。秀麗がここにはないと言った陽月が場所を言う前に眠ってしまったと言うと、影月はお酒を飲んで陽月から聞いてくれとお酒を飲もうとした。慌てて秀麗が止めると、再発行してもらえるものじゃないんだと暴れていた。
 そこへ三太の父親がやってきた。彼は影月の受験札を持ってきたのだった。陽月はお酒を購入したときに、札を渡して貴陽一の妓楼に酒と一緒に持ってきてもらうように頼んでいたのだった。陽月が買ったお酒は、王でも滅多に飲めない最高級のお酒だったと酒屋の主人はその目の高さに感心していた。上客には丁寧な応対をするのは当然だねぇ。つまり、札がなくなったのもお金がなくなったのも全部陽月のせいだったんだね。
 劉輝は、影月と秀麗に及第して自分の元へ来いと言って帰っていった。

 最後の日に約束通り秀麗は胡蝶のところはやってきた。彼女は化粧の方法と化粧道具一式を秀麗にプレゼントしていた。自分はお化粧なんてと断ろうとした秀麗に、胡蝶は約束しただろう?と言いだした。
 その時の言葉を思い出した秀麗は、「紅先生と静蘭に」と言っていた胡蝶に父と静蘭を知っていたのか尋ねた。何と、秀麗が姮娥楼で働き始めて少しした頃に邵可が胡蝶に頼みにきたらしい。母を亡くしたばかりの娘にとって男親の自分では解らないことも出てくるからと、邵可は胡蝶によろしくお願いしますと頭を下げたのだという。それだけでなく、静蘭も後日やってきて邵可と全く同じことを頼みに来たようだった。

「覚えておくといい。化粧は女の戦装束。
 戦に赴くときには必ずしときな。
 そうすれば絶対に泣けない。
 泣いたら化粧が崩れる。
 どんな薄化粧でも、そりゃみっともない顔になる。
 だからどんなに辛くても絶対に泣かなくなるのさ。
 行くんだろ? 戦いに。頑張っておいで!
 あんたの勇気と決意を、あたしは誇りに思うよ」
「胡蝶姉さん……」
「ほら、泣くんじゃないよ! いいかい?
 何を言われたって女であることに誇りを持ちな。
 男と同じ舞台に上がっても、あんたは男になるんじゃない。
 女として男にできないことをしに行くんだ」

 胡蝶はそうやってこの世界を戦ってきたんだなぁと思える深い言葉だった。そうしてきたから親分衆の一人にまでなれたんだろうね。頼もしい姉だ。この後秀麗を虐める奴がいたら花街に来たときは叩き出してやると言っていたけど、秀麗がそんなことに屈しない子だと解った上での言葉なのがよくわかる。
 胡蝶然り、邵可然り、静蘭然り。秀麗を大事にしている人間は他にもいっぱいいる。そう言った胡蝶は温かい目で秀麗を送り出した。あんたはいい女になると最後に言って。

 会場に着くと、周囲の人間は秀麗を奇異な目で見ていた。しかし秀麗は全力で戦ってくると静蘭に笑顔で告げた。
 劉輝は自分は間違っているのかもしれないと言いだした。秀麗が官吏になったら自分との距離が離れてしまうと不安そうに。しかし楸瑛はそれを諭した。どんな状況であっても人の心を自分に向けさせる難しさは変わらないと。秀麗が官吏になっても劉輝がしなければならないことは変わっていない。

 秀麗と影月を遠巻きに見ている他の受験生に苦笑していたところ、別の方でどよめきがおきた。やってきたのは龍連だった。笛で挨拶するのはいいとして、字幕が出るとは思わなかった!(笑) 影月が秀麗の友なら自分の友だと言って、彼を心の友その二と認定していた。彼はどこに行ってもマイペースなんだなぁ。
 この会試で影月は史上最年少で及第し、二位は龍連、三位は秀麗だった。龍連は読んだ後で羊に食べさせたんだろうか。もともと会試を受けるのは義務だったから、合格することは彼にとって目標でもなかったものね。でも、このナレーションで何が驚いたかというと、龍連が18歳だということだった。……見えない。

at 23:13, 真神恵, 彩雲国物語

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