2005.05.03 Tuesday
素直な気持ち
「いちいちあんたはうるさいのよ!!」
「だったら言わせないでくれよ!!」
「だったら言わせないでくれよ!!」
あ……まただ。また二人が喧嘩をしてる。
今日もいい天気で、皆は島に上陸してて、残った俺はカモメたちと話をしていたんだ。そしたら怒鳴り声が聞こえてきて、それは彼らが驚いて逃げてしまうくらいだった。俺もビックリして見張り台から落ちそうになった。
俺は誰かが怒ったり怒鳴ったり泣いてたりしてると、もうどうしたらいいのか判らなくてただオロオロするだけなんだ。だからいつも他の仲間に相談しに行く。
俺は誰かが怒ったり怒鳴ったり泣いてたりしてると、もうどうしたらいいのか判らなくてただオロオロするだけなんだ。だからいつも他の仲間に相談しに行く。
ルフィは話を聞くなり「行こう!」と言うんで俺はヒヤヒヤする。ウソップは何かいい方法はないかと一緒に考えてくれて、ゾロは「放っておけ」と一言だけ言うだけで、ロビンは心配する事はないから何もしちゃダメだと優しく言ってくれる。
え? サンジとナミ? だって喧嘩してるのってあの二人が多いんだよ。で、他の皆がサンジとナミが喧嘩してる時に相談したらほぼ間違いなくそういう反応なんだよな。でも、俺はルフィとウソップに相談した時はちょっと後悔する。だって、一緒に行って何とかしようとすると、怖いナミが怖い顔で殴るんだ! サンジはいつもは口では俺をシチューにするとか非常食だとか言うけど優しいんだって知ってる。知ってるけど、ナミと喧嘩した時は近づいちゃいけない。ナミの次に怖かったから!
ロビンとゾロは何もするなって言う。その通りにしてたら気がつけば二人は仲直りしてる。だから二人の言うように何もしないのが一番なんだと思う。思うけど……目の前で喧嘩されてしまうと俺はやっぱりどうしていいのか判らずに慌ててしまうんだ。
え? サンジとナミ? だって喧嘩してるのってあの二人が多いんだよ。で、他の皆がサンジとナミが喧嘩してる時に相談したらほぼ間違いなくそういう反応なんだよな。でも、俺はルフィとウソップに相談した時はちょっと後悔する。だって、一緒に行って何とかしようとすると、怖いナミが怖い顔で殴るんだ! サンジはいつもは口では俺をシチューにするとか非常食だとか言うけど優しいんだって知ってる。知ってるけど、ナミと喧嘩した時は近づいちゃいけない。ナミの次に怖かったから!
ロビンとゾロは何もするなって言う。その通りにしてたら気がつけば二人は仲直りしてる。だから二人の言うように何もしないのが一番なんだと思う。思うけど……目の前で喧嘩されてしまうと俺はやっぱりどうしていいのか判らずに慌ててしまうんだ。
サンジって女好きだから、女を怒るなんてしないと思うし自分でもよくそう言ってる。でも、ナミが相手だとよく怒ってる。ナミがサンジを怒ってるのは……2倍、いや……3倍? いや……え〜っと、とにかくそれくらい怒ってる差はあるけど、俺はビビやロビンを怒ってるサンジは見た事がない。だからサンジはナミにだけ怒るんだと思う。本当はサンジってナミの事が嫌いなのかと思うんだけど、仲直りしたらナミの事をうるさいくらい好き好き言ってるから違うとも思う。ハッキリ言ってよく判らない。ナミはサンジの事をどう思ってるんだろう?
ナミがサンジを呼ぶと、他の誰かと喋っていてもサンジはすぐにナミの所に飛んでいく。何を言ってもハイハイと言う事を聞く。ナミがサンジを殴ってもハートを飛ばしている。周りがナミの事を冷たいな、怖いなと思っても、一人でナミを褒めてる。そんな時俺は首を傾げる。だって、殴られたら痛いのに何で喜ぶのか判らないじゃないか! サンジは変態なんだ! たん瘤だってハートにするから変態だ! 女が好きだからサンジはやっぱりナミの事も好きなのかな? 見ていたら判らなくなるけど。
ナミの方はもっとよく判らない。嫌いじゃないとは思う。1回だけ、ナミがサンジを見ていたのを見た事があって、その時の顔は嫌いっていう顔じゃなかった。サンジが気づいたらその顔はすぐになくなったけど、何で変わったのか解らないけど、あれはサンジが嫌いっていう顔じゃないのは俺にも解った。でも見たのはあの時だけだったから、ナミがサンジを好きなのかは判らない。
ナミがサンジを呼ぶと、他の誰かと喋っていてもサンジはすぐにナミの所に飛んでいく。何を言ってもハイハイと言う事を聞く。ナミがサンジを殴ってもハートを飛ばしている。周りがナミの事を冷たいな、怖いなと思っても、一人でナミを褒めてる。そんな時俺は首を傾げる。だって、殴られたら痛いのに何で喜ぶのか判らないじゃないか! サンジは変態なんだ! たん瘤だってハートにするから変態だ! 女が好きだからサンジはやっぱりナミの事も好きなのかな? 見ていたら判らなくなるけど。
ナミの方はもっとよく判らない。嫌いじゃないとは思う。1回だけ、ナミがサンジを見ていたのを見た事があって、その時の顔は嫌いっていう顔じゃなかった。サンジが気づいたらその顔はすぐになくなったけど、何で変わったのか解らないけど、あれはサンジが嫌いっていう顔じゃないのは俺にも解った。でも見たのはあの時だけだったから、ナミがサンジを好きなのかは判らない。
そしてまた今日も喧嘩してる。最初は静かだったのに何があったんだろう。そう言えば、島に上陸した後で喧嘩してる事が多いな。あの二人と買い物に行った事は多いけど、一緒にいる時は楽しそうにしてるのにな。……あれ? やっぱり二人は嫌い同士じゃない? 嫌いだったらあんなに楽しそうにしないもんな。
見張り台から見てたら、キッチンのドアが開いてナミが出てきた。ここから見ても怒ってるのが丸わかりな歩き方だ。そのすぐ後にサンジも出てきた。そう言えば、気づいたらあの二人はいつも二人でキッチンにいるなぁ。ウソップがよく追い出されたって部屋に戻ってきた事もあったっけ? そろそろサンジが謝るのかなと思ったけど、サンジもまだ怒ってるみたいだった。えー? 長引くのか?
二人が喧嘩しててナミが謝るのを俺は聞いた事がない。サンジが謝ってるのはよく見る。そしてそれは喧嘩が始まってすぐの事が多い。やっぱりサンジもナミが怖いんだなって思う。サンジが謝らない時は長引く。それはもう迷惑なくらい長引く。だってナミは謝らないからサンジが謝らないと終わらないのに、サンジが謝らないからだ。皆は迷惑だって言うんだけど、そんな時のサンジは絶対に折れない。ナミはそれを見てますます怖い顔になるんだ。ああほら、怖い顔してるよ……。これは長くなるの決定かな? サンジって勇気あるよなぁ。いつもはナミを怒らすと怖いからすぐに謝ってると思うのに、たまにこんな事するんだからな。やっぱりサンジは変態なんだな、うん。
どうしよう……。今、皆いないのに。相談しても同じ答えが返ってくるんだけど、言わないと俺は不安なんだ。本当に困ったな……。でもこのままだとご飯を作ってもらえなくなるかもしれない! それは嫌だ! オ、俺が何とかしなくちゃいけないのか!? そうなのか!? ……怖いな。
ツンツンと肩を突かれた。一羽の頬部分に傷の付いてるカモメが戻ってきてくれた。さっきはビックリしたけど、あの二人の怒りのパワーが凄すぎて皆が怖くて身動きとれないらしい。俺も困っていると言ったら、人間と話せるトナカイなんだから何とかしてくれって言われた。そう言ってるカモメのリーダーはブルブル震えていた。そうだよなぁ。カモメは人間と話せないもんなぁ。俺はカモメたちに比べたら慣れてしまってるのかなと凄く怖がってるカモメを見て思った。結構修羅場をくぐり抜けてきたカモメのリーダーなのに、こんなに震えさせるなんてナミは凄いなと思った。あ、今回はサンジの分もあるか。
こんな空気の中で平然としている俺を見て、デキる奴だ兄貴だとか言われて、俺は嬉しくなった。でも、俺は男だから子どもみたいに大喜びしてはいけない! 「うるせー! そんな事を言っても嬉しかねェぞ!」とカモメに言いながら、そんなに言うなら俺に任せろとドンと胸を叩いた。カモメのリーダーは例えるなら人間が親指を立てるかのような仕種で「グッドラック!」と言った。頼まれちゃ仕方がねェよな! 俺は兄貴なんだ!
見張り台から見てたら、キッチンのドアが開いてナミが出てきた。ここから見ても怒ってるのが丸わかりな歩き方だ。そのすぐ後にサンジも出てきた。そう言えば、気づいたらあの二人はいつも二人でキッチンにいるなぁ。ウソップがよく追い出されたって部屋に戻ってきた事もあったっけ? そろそろサンジが謝るのかなと思ったけど、サンジもまだ怒ってるみたいだった。えー? 長引くのか?
二人が喧嘩しててナミが謝るのを俺は聞いた事がない。サンジが謝ってるのはよく見る。そしてそれは喧嘩が始まってすぐの事が多い。やっぱりサンジもナミが怖いんだなって思う。サンジが謝らない時は長引く。それはもう迷惑なくらい長引く。だってナミは謝らないからサンジが謝らないと終わらないのに、サンジが謝らないからだ。皆は迷惑だって言うんだけど、そんな時のサンジは絶対に折れない。ナミはそれを見てますます怖い顔になるんだ。ああほら、怖い顔してるよ……。これは長くなるの決定かな? サンジって勇気あるよなぁ。いつもはナミを怒らすと怖いからすぐに謝ってると思うのに、たまにこんな事するんだからな。やっぱりサンジは変態なんだな、うん。
どうしよう……。今、皆いないのに。相談しても同じ答えが返ってくるんだけど、言わないと俺は不安なんだ。本当に困ったな……。でもこのままだとご飯を作ってもらえなくなるかもしれない! それは嫌だ! オ、俺が何とかしなくちゃいけないのか!? そうなのか!? ……怖いな。
ツンツンと肩を突かれた。一羽の頬部分に傷の付いてるカモメが戻ってきてくれた。さっきはビックリしたけど、あの二人の怒りのパワーが凄すぎて皆が怖くて身動きとれないらしい。俺も困っていると言ったら、人間と話せるトナカイなんだから何とかしてくれって言われた。そう言ってるカモメのリーダーはブルブル震えていた。そうだよなぁ。カモメは人間と話せないもんなぁ。俺はカモメたちに比べたら慣れてしまってるのかなと凄く怖がってるカモメを見て思った。結構修羅場をくぐり抜けてきたカモメのリーダーなのに、こんなに震えさせるなんてナミは凄いなと思った。あ、今回はサンジの分もあるか。
こんな空気の中で平然としている俺を見て、デキる奴だ兄貴だとか言われて、俺は嬉しくなった。でも、俺は男だから子どもみたいに大喜びしてはいけない! 「うるせー! そんな事を言っても嬉しかねェぞ!」とカモメに言いながら、そんなに言うなら俺に任せろとドンと胸を叩いた。カモメのリーダーは例えるなら人間が親指を立てるかのような仕種で「グッドラック!」と言った。頼まれちゃ仕方がねェよな! 俺は兄貴なんだ!
早速見張り台を降りたら二人の姿は消えていた。どこに行ったんだろう? まだ喧嘩中という事は一緒にいないからサンジはキッチンに戻ってナミは女部屋かな?
どっちも怖いんだけど、どっちの方に話を聞きに行ったらいいんだろう? いや、怖いからやっぱり止めようかな? そう思って見上げたら、カモメのリーダーが俺を見ていて、再び羽を器用に形作って「グッドラック!」と言っていた……。
う……よ、よし! ナミの所に行こう! え? ナミの方が怖いのに何でかって? だってサンジが謝らないんだぞ? 謝らないって事はサンジも怒ってるって事だ! んで、うっかり近づいたら何されるか判ったもんじゃない! ナミだって怒ってる時は一番怖いけど、サンジに怒ってるんであって俺に怒ってるワケじゃないから、サンジに近づくよりは大丈夫だ。……多分。
恐る恐る倉庫のドアを開けて中を覗いてみた。音はしてない。俺は良かったとホッと息を吐いた。部屋でナミは暴れていないみたいだ。そして女部屋の戸を持ち上げてみた。
「……ナミ?」
小さな声で名前を呼んでみた。でも返事がない。聞こえなかったのかなと思って、そっと中に入って中を覗いた。でも見える所にナミはいないから、俺は静かに戸を塞いで階段を降りてみた。
ナミは思った通り部屋にいた。階段の傍に置いてある机の上に突っ伏していた。でも静かなんで寝ているのかなと思った。音を立てないように最後の階段を降りて、なんて声をかけたらいいかなと考えていた。
「何か用?」
ナミの声がして俺は飛び上がって驚いた。ね、寝てたんじゃなかったのかよゥ!?
俺が驚いているのをナミは目を大きくして見ていた。ナミも驚いたのかな?
「何だ、チョッパーか……」
それだけ言うと、ナミはまた机に突っ伏した。さっき呼んだんだけど、声が小さすぎてナミには聞こえてなかったみたいだ。という事は、ナミはサンジが来たと思ったのかな? サンジが来て謝ると思ったのかな?
というか……何か変だ。ナミって怒ってたんじゃなかったのか? さっきみたいにカモメたちを怖がらせたくらいの怒りが今は伝わってこない。怒りよりも……何かがっかりしたように感じたんだけど?
「なぁ、ナミ……」
話を聞かせてもらおうと俺が声をかけたら、ナミはいきなり振り返って俺を抱き上げてぎゅうと抱き締めてきた。すごく苦しい。こんな風にされるのはよくあって、その度に俺は逃げ出すんだけど、今は何かいつもと違う気がして俺は腕の中からナミを見上げた。するとポタッと水が顔にかかった。水? 何で水がと思ったけど、すぐにそれが涙だと判った。
ナミってよく怒ってるけど、それ以外ではいつも笑っている。泣いてるナミなんて俺、見た事あったっけ? そう思うくらいナミは泣いた事がない。なのにナミは泣いていた。俺は急に不安になって、腕を何とか出してナミの頬に伸ばした。するとナミは驚いて俺を見ていた。
「チョッパー?」
「ナミ、何で泣いてるんだ?」
「え……?」
片手で俺を支えると、ナミは慌てたようにもう一方の手を自分の頬にあてた。そして涙を拭った。黙って見ている俺をソファに乗せると両手で残りの涙も拭いていた。
「変なとこ見られたわね」
首をブンブン振っていた俺に、ナミは困ったように笑った。何でもないのよと言われても、ナミの涙を見てしまった俺には何でもないなんて思えなかった。
ナミはさっき凄く怒っていたけど、サンジと喧嘩して悲しいって思ったんだと俺は思った。ナミはサンジが嫌いじゃなくて好きなのかなと思った。だったら前に見たあの顔は、サンジが好きっていう顔だったのかなと思った。そう思うと納得できるなぁと思った。
「チョッパー?」
どうかしたのとナミは聞いてきた。怒ってるナミから話を聞くのは怖いと思ってたけど、今のナミなら大丈夫かなと思った。
「ナミは悲しいのか?」
「え?」
「泣くのは悲しいからだろ?」
「……うん。そうね。悲しいかな」
「サンジと喧嘩したからか?」
「……何で?」
聞いたら正直に答えてくれたから、聞きたい事を聞いてみた。でもナミは怒らなかったので、俺はだったら大丈夫だと思ってちゃんと聞こうとナミに質問した。
「さっき見張り台からサンジとナミが喧嘩してるのが聞こえたんだ」
「……」
「そしたらサンジが怒ってたからビックリした。サンジ、怒ったんだよな?」
ナミの目を見てそう言うと、ナミは俺から目をそらした。
「……そうみたい。でもチョッパーはそれを聞いてどうするつもりなの?」
「え? 俺は……仲直りしてほしい」
「……そっか」
「ナミは謝らないのか?」
「何でよ?」
急に声の調子が変わって俺はビビッた。でも、目はやっぱり悲しそうなままだった。
「……サンジが怒って、喧嘩して、ナミは悲しい。それって自分が悪いって思ってるからだろ? 違うのか?」
俺を見つめていたナミは、大きく溜め息をついた。
「あんたみたいな子どもにまでそんな風に思われるなんてねー」
「俺は子どもじゃねェぞ!」
「はいはい」
俺を膝の上に乗せていたナミは、そう言って俺の頭をポンポンと軽く叩いた。そしてぎゅ〜っと抱き締めて俺に頬ずりしてきた。普段だったら俺は暴れるけど、今日は特別だ!
「……そうね。サンジ君が怒るなんて滅多にないから、始めは物凄ぉくムカつくんだけど、後で悲しくなるかな?」
物凄くと言った時に、潰されるんじゃないかってくらい腕に力が入ったが、俺は子どもじゃないから我慢した。ナミはやっぱり怒られてしょんぼりしてたんだな。
「ナミは、サンジに怒られたらこうやっていつもしょんぼりしてたのか?」
「え……? う〜ん。そうかもね」
「謝らないのか?」
ナミが謝ったのを俺は聞いた事がない。俺がこんな事を言っても謝らないだろうなと思ったけど、喧嘩して仲直りしたいのなら悪い方が謝るしかない。
「……謝ろうかな」
だからナミの言葉にビックリした。
「何よ?」
「ナミは謝るのか!?」
「……ちょっと、それどういう意味よ?」
「だ、だってナミは謝った事ないじゃないか!」
「失礼ね! 私だってサンジ君に謝るわよ!」
「ええっ!? そうなにょふぁあ!?」
拗ねた……うん、あれはどう見たって拗ねた顔だったな。拗ねた顔をしてナミは俺の両頬を引っ張ってきた。
「あんたの中の私のイメージってどんななのよ?」
何だ。ナミもサンジに謝ってたのか。サンジが謝らない時は喧嘩が長引く。でも、気づいたら仲直りしてる。それって、ナミがサンジに謝っていたからなのかな?
「ちょっと聞いてるの?」
「今から謝りに行くのか?」
「え? う、うう〜ん。それはまだ……」
「えー!? 何でだよ!? ナミは自分が悪いって判ってるんだろ? だったらさっさと謝ってしまえばいいじゃないかっ!」
「それはそうだけど……」
なぁんだ。喧嘩が長引いていたのはナミが謝るのが遅いからなんだな。俺はやっとカラクリが解って嬉しかった。いや、今は嬉しがっている場合じゃない!
「早く言った方がいいぞ!」
「で、でもね? 怒られたからってすぐに謝ったら、私がサンジ君に嫌われたくなくて必死だって思われちゃうでしょ?」
「……?」
「そんな風に思われるのは嫌なのよ」
「悪い事をしたら謝らないといけないんだぞ」
「うん。それは解ってるのよ。ちゃんと謝るわよ? でもタイミングってものがあるのよ」
「……ナミはサンジに嫌われたいのか?」
「いや、そうじゃなくて……」
「嫌われたくないのか?」
「えー……うん、嫌われたくないかな。嫌われたくないけど、そう思ってるって知られたくないの」
「ナミはサンジの事が好きなんだよな?」
「えっ!? な、何で? サンジ君が私を好きなのよ?」
「でも嫌われたくないんだろ? それは好きって事じゃないのか?」
「え〜……ううーん」
「俺、知ってるんだぞ」
「な、何が?」
「ナミって、サンジを見る時すごく優しい顔してるよな?」
一度しか見た事ないけど、とっておきの秘密をナミにぶつけてみた。すると、それまでどう説明したら俺が解るだろうかと困ったような顔をしていたナミは、ポカンとしてすぐに顔を真っ赤にした。人の顔ってあんな風に色が変わるんだなぁと面白く思った。
「ナミ?」
「う、あ、う……。あ、あんた、私がいつそんな顔をしてたって言うのよ?」
「あら、航海士さんはいつもしてるわよ?」
「ロ、ロビン!?」
振り向くとロビンが階段を降りてきた。さっき戻ってきたのかな? 俺がおかえりと言うと、にっこり笑ってただいまと答えた。ナミは口をぱくぱくさせたままだった。
「コックさんを見る時の航海士さんは、彼が好きで好きでたまらないって顔をしてるわね」
ね? と尋ねてくるロビンに、俺はそうなのかと思いつつうんと頷いた。俺だけの秘密だと思ってたけど、ロビンも知っていたんだな。ロビンの言う事に間違いはないので、ナミがサンジの事を好きなんだというのも本当の事なんだろう。
たくさんの荷物を置いて、ロビンは何事もなかったかのように部屋から出ていった。女ってどうしてこんなにたくさん買うんだろうなと、ロビンが置いた荷物を見ながら思っていた。
「ナミ?」
首を傾げて呼んでみると、身動き一つしてなかったナミはハッと我に返って俺を見た。その顔は赤いままだった。顔を真っ赤にして怒ったのは見た事があるけど、こんな顔を見たのは初めてだった。理由は解らないが困っているように見えた。
「チョッパー、この事サンジ君や他の連中には言わないでね?」
本当に困ってるみたいだったので俺は頷こうとして止めた。
「サンジと仲直りしてくれたら言わない」
「え……」
「俺、ナミが考えてる事は難しくて解んねェけど、喧嘩したら悪い方が謝って仲直りするしかないって思う。だから今から謝ってきて仲直りしたら誰にも言わねェ」
黙ってしまったので、怒ったのかなと不安になってナミを見上げてみた。するとナミはまだ顔を赤くしたまま困った顔をしていた。
「サンジだって、ナミが悪いって思ったから怒ったんだろ? 今までナミがそうやって難しい事を考えて遅く謝っていたんだったら、すぐに謝ったら嬉しいって思うぞ? そうしたらサンジもナミの事は嫌いにならないと思うぞ?」
「いや、だから、サンジ君は私の事が好きなんだってば」
「嬉しいって思うぞ?」
「だから……」
「ナミだってサンジの事が好きなんだろ?」
「うっ……」
凄いぞ俺! ナミが俺に言い返せないぞ! 上手くいったら今日の夕食は俺の好きなものかな!?
「ナミ?」
「もうっ! わかったわよ!」
いきなりナミはぎゅっと目を瞑って天井を見上げて大声を出した。その代わり、誰かに言ったらトナカイ汁にするわよとまるでサンジのような脅しをかけてナミはフンと鼻息を吐き出して階段を上っていった。急に手を離された俺は床に尻餅をついてしまったけど、ちゃんと謝るかどうか見張らなければと思ってその後を追いかけた。
う……よ、よし! ナミの所に行こう! え? ナミの方が怖いのに何でかって? だってサンジが謝らないんだぞ? 謝らないって事はサンジも怒ってるって事だ! んで、うっかり近づいたら何されるか判ったもんじゃない! ナミだって怒ってる時は一番怖いけど、サンジに怒ってるんであって俺に怒ってるワケじゃないから、サンジに近づくよりは大丈夫だ。……多分。
恐る恐る倉庫のドアを開けて中を覗いてみた。音はしてない。俺は良かったとホッと息を吐いた。部屋でナミは暴れていないみたいだ。そして女部屋の戸を持ち上げてみた。
「……ナミ?」
小さな声で名前を呼んでみた。でも返事がない。聞こえなかったのかなと思って、そっと中に入って中を覗いた。でも見える所にナミはいないから、俺は静かに戸を塞いで階段を降りてみた。
ナミは思った通り部屋にいた。階段の傍に置いてある机の上に突っ伏していた。でも静かなんで寝ているのかなと思った。音を立てないように最後の階段を降りて、なんて声をかけたらいいかなと考えていた。
「何か用?」
ナミの声がして俺は飛び上がって驚いた。ね、寝てたんじゃなかったのかよゥ!?
俺が驚いているのをナミは目を大きくして見ていた。ナミも驚いたのかな?
「何だ、チョッパーか……」
それだけ言うと、ナミはまた机に突っ伏した。さっき呼んだんだけど、声が小さすぎてナミには聞こえてなかったみたいだ。という事は、ナミはサンジが来たと思ったのかな? サンジが来て謝ると思ったのかな?
というか……何か変だ。ナミって怒ってたんじゃなかったのか? さっきみたいにカモメたちを怖がらせたくらいの怒りが今は伝わってこない。怒りよりも……何かがっかりしたように感じたんだけど?
「なぁ、ナミ……」
話を聞かせてもらおうと俺が声をかけたら、ナミはいきなり振り返って俺を抱き上げてぎゅうと抱き締めてきた。すごく苦しい。こんな風にされるのはよくあって、その度に俺は逃げ出すんだけど、今は何かいつもと違う気がして俺は腕の中からナミを見上げた。するとポタッと水が顔にかかった。水? 何で水がと思ったけど、すぐにそれが涙だと判った。
ナミってよく怒ってるけど、それ以外ではいつも笑っている。泣いてるナミなんて俺、見た事あったっけ? そう思うくらいナミは泣いた事がない。なのにナミは泣いていた。俺は急に不安になって、腕を何とか出してナミの頬に伸ばした。するとナミは驚いて俺を見ていた。
「チョッパー?」
「ナミ、何で泣いてるんだ?」
「え……?」
片手で俺を支えると、ナミは慌てたようにもう一方の手を自分の頬にあてた。そして涙を拭った。黙って見ている俺をソファに乗せると両手で残りの涙も拭いていた。
「変なとこ見られたわね」
首をブンブン振っていた俺に、ナミは困ったように笑った。何でもないのよと言われても、ナミの涙を見てしまった俺には何でもないなんて思えなかった。
ナミはさっき凄く怒っていたけど、サンジと喧嘩して悲しいって思ったんだと俺は思った。ナミはサンジが嫌いじゃなくて好きなのかなと思った。だったら前に見たあの顔は、サンジが好きっていう顔だったのかなと思った。そう思うと納得できるなぁと思った。
「チョッパー?」
どうかしたのとナミは聞いてきた。怒ってるナミから話を聞くのは怖いと思ってたけど、今のナミなら大丈夫かなと思った。
「ナミは悲しいのか?」
「え?」
「泣くのは悲しいからだろ?」
「……うん。そうね。悲しいかな」
「サンジと喧嘩したからか?」
「……何で?」
聞いたら正直に答えてくれたから、聞きたい事を聞いてみた。でもナミは怒らなかったので、俺はだったら大丈夫だと思ってちゃんと聞こうとナミに質問した。
「さっき見張り台からサンジとナミが喧嘩してるのが聞こえたんだ」
「……」
「そしたらサンジが怒ってたからビックリした。サンジ、怒ったんだよな?」
ナミの目を見てそう言うと、ナミは俺から目をそらした。
「……そうみたい。でもチョッパーはそれを聞いてどうするつもりなの?」
「え? 俺は……仲直りしてほしい」
「……そっか」
「ナミは謝らないのか?」
「何でよ?」
急に声の調子が変わって俺はビビッた。でも、目はやっぱり悲しそうなままだった。
「……サンジが怒って、喧嘩して、ナミは悲しい。それって自分が悪いって思ってるからだろ? 違うのか?」
俺を見つめていたナミは、大きく溜め息をついた。
「あんたみたいな子どもにまでそんな風に思われるなんてねー」
「俺は子どもじゃねェぞ!」
「はいはい」
俺を膝の上に乗せていたナミは、そう言って俺の頭をポンポンと軽く叩いた。そしてぎゅ〜っと抱き締めて俺に頬ずりしてきた。普段だったら俺は暴れるけど、今日は特別だ!
「……そうね。サンジ君が怒るなんて滅多にないから、始めは物凄ぉくムカつくんだけど、後で悲しくなるかな?」
物凄くと言った時に、潰されるんじゃないかってくらい腕に力が入ったが、俺は子どもじゃないから我慢した。ナミはやっぱり怒られてしょんぼりしてたんだな。
「ナミは、サンジに怒られたらこうやっていつもしょんぼりしてたのか?」
「え……? う〜ん。そうかもね」
「謝らないのか?」
ナミが謝ったのを俺は聞いた事がない。俺がこんな事を言っても謝らないだろうなと思ったけど、喧嘩して仲直りしたいのなら悪い方が謝るしかない。
「……謝ろうかな」
だからナミの言葉にビックリした。
「何よ?」
「ナミは謝るのか!?」
「……ちょっと、それどういう意味よ?」
「だ、だってナミは謝った事ないじゃないか!」
「失礼ね! 私だってサンジ君に謝るわよ!」
「ええっ!? そうなにょふぁあ!?」
拗ねた……うん、あれはどう見たって拗ねた顔だったな。拗ねた顔をしてナミは俺の両頬を引っ張ってきた。
「あんたの中の私のイメージってどんななのよ?」
何だ。ナミもサンジに謝ってたのか。サンジが謝らない時は喧嘩が長引く。でも、気づいたら仲直りしてる。それって、ナミがサンジに謝っていたからなのかな?
「ちょっと聞いてるの?」
「今から謝りに行くのか?」
「え? う、うう〜ん。それはまだ……」
「えー!? 何でだよ!? ナミは自分が悪いって判ってるんだろ? だったらさっさと謝ってしまえばいいじゃないかっ!」
「それはそうだけど……」
なぁんだ。喧嘩が長引いていたのはナミが謝るのが遅いからなんだな。俺はやっとカラクリが解って嬉しかった。いや、今は嬉しがっている場合じゃない!
「早く言った方がいいぞ!」
「で、でもね? 怒られたからってすぐに謝ったら、私がサンジ君に嫌われたくなくて必死だって思われちゃうでしょ?」
「……?」
「そんな風に思われるのは嫌なのよ」
「悪い事をしたら謝らないといけないんだぞ」
「うん。それは解ってるのよ。ちゃんと謝るわよ? でもタイミングってものがあるのよ」
「……ナミはサンジに嫌われたいのか?」
「いや、そうじゃなくて……」
「嫌われたくないのか?」
「えー……うん、嫌われたくないかな。嫌われたくないけど、そう思ってるって知られたくないの」
「ナミはサンジの事が好きなんだよな?」
「えっ!? な、何で? サンジ君が私を好きなのよ?」
「でも嫌われたくないんだろ? それは好きって事じゃないのか?」
「え〜……ううーん」
「俺、知ってるんだぞ」
「な、何が?」
「ナミって、サンジを見る時すごく優しい顔してるよな?」
一度しか見た事ないけど、とっておきの秘密をナミにぶつけてみた。すると、それまでどう説明したら俺が解るだろうかと困ったような顔をしていたナミは、ポカンとしてすぐに顔を真っ赤にした。人の顔ってあんな風に色が変わるんだなぁと面白く思った。
「ナミ?」
「う、あ、う……。あ、あんた、私がいつそんな顔をしてたって言うのよ?」
「あら、航海士さんはいつもしてるわよ?」
「ロ、ロビン!?」
振り向くとロビンが階段を降りてきた。さっき戻ってきたのかな? 俺がおかえりと言うと、にっこり笑ってただいまと答えた。ナミは口をぱくぱくさせたままだった。
「コックさんを見る時の航海士さんは、彼が好きで好きでたまらないって顔をしてるわね」
ね? と尋ねてくるロビンに、俺はそうなのかと思いつつうんと頷いた。俺だけの秘密だと思ってたけど、ロビンも知っていたんだな。ロビンの言う事に間違いはないので、ナミがサンジの事を好きなんだというのも本当の事なんだろう。
たくさんの荷物を置いて、ロビンは何事もなかったかのように部屋から出ていった。女ってどうしてこんなにたくさん買うんだろうなと、ロビンが置いた荷物を見ながら思っていた。
「ナミ?」
首を傾げて呼んでみると、身動き一つしてなかったナミはハッと我に返って俺を見た。その顔は赤いままだった。顔を真っ赤にして怒ったのは見た事があるけど、こんな顔を見たのは初めてだった。理由は解らないが困っているように見えた。
「チョッパー、この事サンジ君や他の連中には言わないでね?」
本当に困ってるみたいだったので俺は頷こうとして止めた。
「サンジと仲直りしてくれたら言わない」
「え……」
「俺、ナミが考えてる事は難しくて解んねェけど、喧嘩したら悪い方が謝って仲直りするしかないって思う。だから今から謝ってきて仲直りしたら誰にも言わねェ」
黙ってしまったので、怒ったのかなと不安になってナミを見上げてみた。するとナミはまだ顔を赤くしたまま困った顔をしていた。
「サンジだって、ナミが悪いって思ったから怒ったんだろ? 今までナミがそうやって難しい事を考えて遅く謝っていたんだったら、すぐに謝ったら嬉しいって思うぞ? そうしたらサンジもナミの事は嫌いにならないと思うぞ?」
「いや、だから、サンジ君は私の事が好きなんだってば」
「嬉しいって思うぞ?」
「だから……」
「ナミだってサンジの事が好きなんだろ?」
「うっ……」
凄いぞ俺! ナミが俺に言い返せないぞ! 上手くいったら今日の夕食は俺の好きなものかな!?
「ナミ?」
「もうっ! わかったわよ!」
いきなりナミはぎゅっと目を瞑って天井を見上げて大声を出した。その代わり、誰かに言ったらトナカイ汁にするわよとまるでサンジのような脅しをかけてナミはフンと鼻息を吐き出して階段を上っていった。急に手を離された俺は床に尻餅をついてしまったけど、ちゃんと謝るかどうか見張らなければと思ってその後を追いかけた。
「あ、船医さん」
キッチンへの階段を昇ろうとした俺の足を、床から伸びてきた手が掴んだ。勢い余った俺はそのまま一段目の角に顔をぶつけそうになったけど、そこにも生えた手がクッションになって痛い思いはしなくてすんだ。犯人はどこだと周囲を見回したら、ロビンはメインマストの下で甲板に座って肩ごしに俺を見ていた。キッチンが気になったけど、俺はロビンの方に行った。
「何で邪魔したんだ?」
「見てなくても航海士さんはちゃんと謝るから大丈夫よ」
「そうかぁ?」
「今までもちゃんと謝っているのよ?」
「でも時間が経ってからだろ?」
「そうね、今日は船医さんが説得してくれたから、コックさんが怒った時の喧嘩だと仲直りまでの時間は今日が最短記録ね」
俺がナミを説得したからって、ロビンは褒めてくれてる。本当の事だけど、嬉しいけど、オ、俺は嬉しいなんて思ってねェからな! コノヤロウ! と思ったけど、あれ?
「……ん? ロビンは知ってたのか?」
「ええ。だからいつも何もしなくても大丈夫って言っていたでしょう?」
「あ……! そっか」
「でも困ったわ」
「二人が仲直りしたらロビンは困るのか!? ロビンはサンジが好きなのか!?」
「え?」
「ナミと取り合いになるから困るのか?」
「あら。ふふっ。そうじゃないの。航海士さんがこんなに早くに謝ってくれたら、嬉しいって思うでしょう?」
「うん、俺も嬉しい」
「そうするとコックさんは航海士さんともっと仲良くなりたいって思うわよねぇ」
「もっと仲良く? うん、仲良くするのはいい事だ」
「だったら今日は部屋で眠れないないなぁと思うの」
「部屋?」
「そう、部屋」
にこにこ笑いながら教えてくれるけど、俺にはロビンが何を言いたいのかよく解らなかった。だって、仲良くするのは別にロビンが部屋を出なくてもできる事だと思うし……。
そう思って首を傾げてる俺の耳に、ガタンという大きな物音が聞こえた。また喧嘩を始めたのかと思って、俺は慌ててキッチンへと走った。ロビンは俺を見ていたけど、何も仕掛けてこなかったので本当に喧嘩が始まったんだと焦った。
「ナミ! サンジ! 喧嘩はダメだ!!」
思いっきりドアを開けて俺は叫んだ。そして恐る恐る目を開けると、二人はビックリしたように俺の方を見ていた。見回すと部屋は散らかってなかった。だから俺はもう一度サンジとナミを見た。よく見るとナミは机の上に仰向けに寝ていたようだった。そしてナミを覆うかのように両脇に手をついてるサンジの腕を掴んで身体を起こそうとしているみたいだった。
「チョッパー?」
ナミが目を大きく見開いて驚いたように声をかけた。それを見て、俺はサンジがナミに乱暴するのかと思って身体が熱くなった。
「何やってんだよサンジ!」
「チョッパー!?」
「ナミはサンジに謝りにきたんだぞ! なのにナミを殴るのか!?」
「え? ちょっと待て!」
「違うのよチョッパー!」
つい人型になってサンジを掴もうとしていたけど、ナミの声で我に返った。違うと言ったナミは、何でかボタンが全部外れたシャツに手をやって胸元を握っていた。そしてサンジが机から離れるとぴょんと飛んで着地して何個かボタンをとめていた。
「あのね、チョッパー」
「ナミ、サンジは謝ったのに許してくれなかったのか!?」
「違うのよ。その反対」
「反対? だったら仲直りできたのか?」
「そうよ」
ナミの返事を聞いて俺は力が抜けた。そして人型を解いた俺をナミは膝に手を当てて覗き込んだ。
「ちゃんと謝ったわよ。そしたらチョッパーが言った通りサンジ君は大喜びしたの。さっきまで怒ってたのが嘘みたいだったわよ?」
そう言うとナミはウインクしてきた。黙ってそれを聞いていたサンジは、ナミが俺にウインクするや否や俺の前にしゃがむと、両側から俺の頭を握った拳でグリグリ押してきた。
「この野郎……何ナミさんからウインクして貰ってるんだっ!」
痛い痛いと言うと、ナミがサンジに「やめなさい」と言った。するとぴたっと止めたので本当に仲直りしたんだと判った。そしてサンジはジーッと俺を見たあと、にっこり笑って今度は俺の頭を撫でてきた。
「お前ェがナミさんに謝るように説得してくれたのか?」
「喧嘩したら悪い方が謝ればすぐに仲直りできるって言ったんだ」
「ありがとな」
そう言ったサンジは本当に嬉しそうだった。というか、泣きそうな顔にも見えたのは俺の気のせいかな? まぁ、早く仲直りしてくれて良かった。しかし、二人からありがとうって言われた俺は、恥ずかしくなってきて思わずサンジから離れた。身体がうずうずしてきたけど、子どもじゃないから嬉しさを隠して喜んだ。
「ちっとも嬉しかねェぞ! コノヤロウ!」
「嬉しそうだなぁ」
何で喧嘩したのかは知らないけど本当に良かった。仲直りできて良かったなと言おうとしたけど、見上げたらナミはサンジを見上げていた。そして立ち上がっていたサンジもナミを見ていた。二人を見上げてキョロキョロしていると、サンジがナミの肩を掴んで自分の方に寄せていた。そしてナミも嬉しそうにサンジの傍に寄っていた。俺も嬉しくなってニコニコ笑っていたらサンジが少し屈んでナミに顔を近付けていた。
「……サンジ君、ちょっと待って」
「こんなことでお預けはなしだぜ?」
「でも……」
「何? 後は部屋って事?」
「今夜はロビンがいるからダメよ」
「ロビンなら今日は部屋で眠れないから困ったってさっき言ってたぞ?」
「チョッパー!?」
「お前ェ、まだいたのか!?」
同時に大声を出されて俺は驚いた。さっきから俺はいたのに二人とも何だよ? ちょっと怒って見上げたら、サンジとナミは赤くなっていた。でも、サンジは怒ってたしナミはさっき見たような困った顔をしていた。そのまま俺はサンジに首根っこを掴まれてドアへと連れていかれた。そして移動しながらサンジはボソッと俺に耳打ちした。
「さっき言ってたの、本当か?」
「ロビンか? うん、そう言ってたぞ」
俺も合わせてボソッと答えた。するとサンジは嬉しそうというか、傍には近づきたくないような鼻を伸ばした顔をして「そうかぁ」と呟いていた。
「貴女のお心遣いは決して無駄にしません。大感謝ですって伝えてくれねェか?」
「自分で言わないのか?」
「ああ、俺は今はナミさんと一緒にいたいからな」
「もっと仲良くするのか?」
「おっ? お前ェも言うようになったなぁ」
「ロビンがそう言ってたぞ?」
「ん? ああ、そういう事か。おう、俺は今から明日の朝……いや、昼までがいいかな。まぁ、ナミさんともっと仲良くなろうと思っている」
「えっ!? ……ご飯は?」
まだ夕方だぞ? そんなに一緒にいたいのかってビックリしたけど、俺にはその間のご飯の事だけが心配だった。
「大丈夫だ。ロビンちゃんが考えてくれるだろうから。それにレディを外で眠らせるワケにはいかねェからな」
「男部屋は?」
「あんなむさ苦しい空間に麗しい女性を入れちゃいけねェ」
「じゃあどうするんだ?」
「だから、それはロビンちゃんに言えば全てオッケーだ」
「そうなのか?」
「そうだ」
何を言ってるのかよく解らなかったけど、サンジがナミと一緒にいたいんだって事はよく解った。首を伸ばしてナミを見ると、ナミも嬉しそうにニコニコ笑って俺を見送っていた。まぁ、仲直りできて仲良くなるんならそれでいいか。床に降ろされてサンジを見上げて俺は頷いた。するとサンジもニカッと笑ったが、直後にドアが閉められた。
サンジの伝言とさっきの会話を伝えたら、ロビンはちょっと待ってねと部屋に戻った。そしてすぐに出てきたら行きましょうと言ってきた。
「どこに行くんだ?」
「美味しいものを食べに船を降りましょう?」
「ええっ? 俺はサンジの作るご飯が一番美味しい」
「……船医さんは私と食事をしに行くのは嫌?」
「そ、そんな事はないぞ!」
ロビンが急に悲しそうな顔をしてそんな事を言うので俺は焦った。俺の返事を聞いてロビンは嬉しそうに良かったわと言った。本当はサンジの作ったご飯が食べたかったけど諦める事にした。
だって、サンジと喧嘩したナミは泣くほど悲しいって思ってたんだもんな。それが仲直りできたんだ。さっきのナミの顔を見たら嬉しいって思ってるのがよく解るし、難しい顔をしていたサンジも幸せそうな顔をしていた。俺はオトナだから我慢だってできるんだぞ!
船を降りようとして、俺はカモメのリーダーに報告するのを思い出した。ロビンにちょっと待ってと見張り台に上ろうとしたら、カモメは俺の傍に降りてきた。「助かりやした! さすが兄貴だ!」とだけ言うと、カモメは再び舞い上がった。その先を見ると仲間がリーダーを待っていた。もう、この辺りに皆を怖がらせた空気はなくなった。あるとしたら幸せ、嬉しいというこっちまで嬉しくなるようなものだけだ。
「お友達?」
「うん!」
一緒に見上げたロビンも嬉しそうに見えた。ようし、こうなったら美味しいものをたくさん食べるぞ! そして、帰って来たらサンジに好きな料理を作ってもらってまたお腹いっぱいに食べてやるんだ!
レストランに向かいながら俺はそう思っていた。そして中に入ると俺はビックリした。ルフィたちが中にいて、楽しそうに飲み食いしていたからだ。驚いている俺に、船長さんがここで皆と食事をすると言ったから、俺と、船に戻っているかもしれないナミたちを呼びに戻ったんだとロビンは言っていた。そして早く食べないと無くなってしまうわよと笑いかけた。
キッチンへの階段を昇ろうとした俺の足を、床から伸びてきた手が掴んだ。勢い余った俺はそのまま一段目の角に顔をぶつけそうになったけど、そこにも生えた手がクッションになって痛い思いはしなくてすんだ。犯人はどこだと周囲を見回したら、ロビンはメインマストの下で甲板に座って肩ごしに俺を見ていた。キッチンが気になったけど、俺はロビンの方に行った。
「何で邪魔したんだ?」
「見てなくても航海士さんはちゃんと謝るから大丈夫よ」
「そうかぁ?」
「今までもちゃんと謝っているのよ?」
「でも時間が経ってからだろ?」
「そうね、今日は船医さんが説得してくれたから、コックさんが怒った時の喧嘩だと仲直りまでの時間は今日が最短記録ね」
俺がナミを説得したからって、ロビンは褒めてくれてる。本当の事だけど、嬉しいけど、オ、俺は嬉しいなんて思ってねェからな! コノヤロウ! と思ったけど、あれ?
「……ん? ロビンは知ってたのか?」
「ええ。だからいつも何もしなくても大丈夫って言っていたでしょう?」
「あ……! そっか」
「でも困ったわ」
「二人が仲直りしたらロビンは困るのか!? ロビンはサンジが好きなのか!?」
「え?」
「ナミと取り合いになるから困るのか?」
「あら。ふふっ。そうじゃないの。航海士さんがこんなに早くに謝ってくれたら、嬉しいって思うでしょう?」
「うん、俺も嬉しい」
「そうするとコックさんは航海士さんともっと仲良くなりたいって思うわよねぇ」
「もっと仲良く? うん、仲良くするのはいい事だ」
「だったら今日は部屋で眠れないないなぁと思うの」
「部屋?」
「そう、部屋」
にこにこ笑いながら教えてくれるけど、俺にはロビンが何を言いたいのかよく解らなかった。だって、仲良くするのは別にロビンが部屋を出なくてもできる事だと思うし……。
そう思って首を傾げてる俺の耳に、ガタンという大きな物音が聞こえた。また喧嘩を始めたのかと思って、俺は慌ててキッチンへと走った。ロビンは俺を見ていたけど、何も仕掛けてこなかったので本当に喧嘩が始まったんだと焦った。
「ナミ! サンジ! 喧嘩はダメだ!!」
思いっきりドアを開けて俺は叫んだ。そして恐る恐る目を開けると、二人はビックリしたように俺の方を見ていた。見回すと部屋は散らかってなかった。だから俺はもう一度サンジとナミを見た。よく見るとナミは机の上に仰向けに寝ていたようだった。そしてナミを覆うかのように両脇に手をついてるサンジの腕を掴んで身体を起こそうとしているみたいだった。
「チョッパー?」
ナミが目を大きく見開いて驚いたように声をかけた。それを見て、俺はサンジがナミに乱暴するのかと思って身体が熱くなった。
「何やってんだよサンジ!」
「チョッパー!?」
「ナミはサンジに謝りにきたんだぞ! なのにナミを殴るのか!?」
「え? ちょっと待て!」
「違うのよチョッパー!」
つい人型になってサンジを掴もうとしていたけど、ナミの声で我に返った。違うと言ったナミは、何でかボタンが全部外れたシャツに手をやって胸元を握っていた。そしてサンジが机から離れるとぴょんと飛んで着地して何個かボタンをとめていた。
「あのね、チョッパー」
「ナミ、サンジは謝ったのに許してくれなかったのか!?」
「違うのよ。その反対」
「反対? だったら仲直りできたのか?」
「そうよ」
ナミの返事を聞いて俺は力が抜けた。そして人型を解いた俺をナミは膝に手を当てて覗き込んだ。
「ちゃんと謝ったわよ。そしたらチョッパーが言った通りサンジ君は大喜びしたの。さっきまで怒ってたのが嘘みたいだったわよ?」
そう言うとナミはウインクしてきた。黙ってそれを聞いていたサンジは、ナミが俺にウインクするや否や俺の前にしゃがむと、両側から俺の頭を握った拳でグリグリ押してきた。
「この野郎……何ナミさんからウインクして貰ってるんだっ!」
痛い痛いと言うと、ナミがサンジに「やめなさい」と言った。するとぴたっと止めたので本当に仲直りしたんだと判った。そしてサンジはジーッと俺を見たあと、にっこり笑って今度は俺の頭を撫でてきた。
「お前ェがナミさんに謝るように説得してくれたのか?」
「喧嘩したら悪い方が謝ればすぐに仲直りできるって言ったんだ」
「ありがとな」
そう言ったサンジは本当に嬉しそうだった。というか、泣きそうな顔にも見えたのは俺の気のせいかな? まぁ、早く仲直りしてくれて良かった。しかし、二人からありがとうって言われた俺は、恥ずかしくなってきて思わずサンジから離れた。身体がうずうずしてきたけど、子どもじゃないから嬉しさを隠して喜んだ。
「ちっとも嬉しかねェぞ! コノヤロウ!」
「嬉しそうだなぁ」
何で喧嘩したのかは知らないけど本当に良かった。仲直りできて良かったなと言おうとしたけど、見上げたらナミはサンジを見上げていた。そして立ち上がっていたサンジもナミを見ていた。二人を見上げてキョロキョロしていると、サンジがナミの肩を掴んで自分の方に寄せていた。そしてナミも嬉しそうにサンジの傍に寄っていた。俺も嬉しくなってニコニコ笑っていたらサンジが少し屈んでナミに顔を近付けていた。
「……サンジ君、ちょっと待って」
「こんなことでお預けはなしだぜ?」
「でも……」
「何? 後は部屋って事?」
「今夜はロビンがいるからダメよ」
「ロビンなら今日は部屋で眠れないから困ったってさっき言ってたぞ?」
「チョッパー!?」
「お前ェ、まだいたのか!?」
同時に大声を出されて俺は驚いた。さっきから俺はいたのに二人とも何だよ? ちょっと怒って見上げたら、サンジとナミは赤くなっていた。でも、サンジは怒ってたしナミはさっき見たような困った顔をしていた。そのまま俺はサンジに首根っこを掴まれてドアへと連れていかれた。そして移動しながらサンジはボソッと俺に耳打ちした。
「さっき言ってたの、本当か?」
「ロビンか? うん、そう言ってたぞ」
俺も合わせてボソッと答えた。するとサンジは嬉しそうというか、傍には近づきたくないような鼻を伸ばした顔をして「そうかぁ」と呟いていた。
「貴女のお心遣いは決して無駄にしません。大感謝ですって伝えてくれねェか?」
「自分で言わないのか?」
「ああ、俺は今はナミさんと一緒にいたいからな」
「もっと仲良くするのか?」
「おっ? お前ェも言うようになったなぁ」
「ロビンがそう言ってたぞ?」
「ん? ああ、そういう事か。おう、俺は今から明日の朝……いや、昼までがいいかな。まぁ、ナミさんともっと仲良くなろうと思っている」
「えっ!? ……ご飯は?」
まだ夕方だぞ? そんなに一緒にいたいのかってビックリしたけど、俺にはその間のご飯の事だけが心配だった。
「大丈夫だ。ロビンちゃんが考えてくれるだろうから。それにレディを外で眠らせるワケにはいかねェからな」
「男部屋は?」
「あんなむさ苦しい空間に麗しい女性を入れちゃいけねェ」
「じゃあどうするんだ?」
「だから、それはロビンちゃんに言えば全てオッケーだ」
「そうなのか?」
「そうだ」
何を言ってるのかよく解らなかったけど、サンジがナミと一緒にいたいんだって事はよく解った。首を伸ばしてナミを見ると、ナミも嬉しそうにニコニコ笑って俺を見送っていた。まぁ、仲直りできて仲良くなるんならそれでいいか。床に降ろされてサンジを見上げて俺は頷いた。するとサンジもニカッと笑ったが、直後にドアが閉められた。
サンジの伝言とさっきの会話を伝えたら、ロビンはちょっと待ってねと部屋に戻った。そしてすぐに出てきたら行きましょうと言ってきた。
「どこに行くんだ?」
「美味しいものを食べに船を降りましょう?」
「ええっ? 俺はサンジの作るご飯が一番美味しい」
「……船医さんは私と食事をしに行くのは嫌?」
「そ、そんな事はないぞ!」
ロビンが急に悲しそうな顔をしてそんな事を言うので俺は焦った。俺の返事を聞いてロビンは嬉しそうに良かったわと言った。本当はサンジの作ったご飯が食べたかったけど諦める事にした。
だって、サンジと喧嘩したナミは泣くほど悲しいって思ってたんだもんな。それが仲直りできたんだ。さっきのナミの顔を見たら嬉しいって思ってるのがよく解るし、難しい顔をしていたサンジも幸せそうな顔をしていた。俺はオトナだから我慢だってできるんだぞ!
船を降りようとして、俺はカモメのリーダーに報告するのを思い出した。ロビンにちょっと待ってと見張り台に上ろうとしたら、カモメは俺の傍に降りてきた。「助かりやした! さすが兄貴だ!」とだけ言うと、カモメは再び舞い上がった。その先を見ると仲間がリーダーを待っていた。もう、この辺りに皆を怖がらせた空気はなくなった。あるとしたら幸せ、嬉しいというこっちまで嬉しくなるようなものだけだ。
「お友達?」
「うん!」
一緒に見上げたロビンも嬉しそうに見えた。ようし、こうなったら美味しいものをたくさん食べるぞ! そして、帰って来たらサンジに好きな料理を作ってもらってまたお腹いっぱいに食べてやるんだ!
レストランに向かいながら俺はそう思っていた。そして中に入ると俺はビックリした。ルフィたちが中にいて、楽しそうに飲み食いしていたからだ。驚いている俺に、船長さんがここで皆と食事をすると言ったから、俺と、船に戻っているかもしれないナミたちを呼びに戻ったんだとロビンは言っていた。そして早く食べないと無くなってしまうわよと笑いかけた。
─END─
【後書き】
携帯サイトでの最後のリクは99999番でした。そのリク内容は「チョッパー視点でナミとサンジがケンカして、チョッパーが二人を仲直りさせてラブラブになる話」との事でした。
携帯サイトでの最後のリクは99999番でした。そのリク内容は「チョッパー視点でナミとサンジがケンカして、チョッパーが二人を仲直りさせてラブラブになる話」との事でした。
最後のリクをようやくお届けできました! PC上には、キリ番と踏んだ人の名前とリク内容を書き込んでファイルを作っていたんですよね。その時は誰それのリクって仮に名前を付けて保存してたんです。全く書けない時は5つその状態のファイルが残ってて、いつ書けるのだろうかと思ってましたけど、4月から1つづ確実に減らせて嬉しく思いました。仮タイトルのファイルはまだ数個存在しますけど、滞っているリクは全て消化できました! 本当に良かった。
実を言いますと、これは書く直前まであまり考えてませんでしたね(汗) すぐに書けそうな内容かなと思ってましたので。そして浮かんだのは前作のシリアスを書き終えて、推敲の際に色々考えていた時でした。本当に直前でしたよ(笑)
タイミングいいなぁと思いましたが、そのシリアスで消化できなかった部分で新しい話も浮かんでもいて、厄介だなぁと同時に思いました(苦笑) しかし、どっちを書くかと言えばそれは当然今回のお話。長期休暇が幸いしまして書き上げる事ができました♪
実を言いますと、これは書く直前まであまり考えてませんでしたね(汗) すぐに書けそうな内容かなと思ってましたので。そして浮かんだのは前作のシリアスを書き終えて、推敲の際に色々考えていた時でした。本当に直前でしたよ(笑)
タイミングいいなぁと思いましたが、そのシリアスで消化できなかった部分で新しい話も浮かんでもいて、厄介だなぁと同時に思いました(苦笑) しかし、どっちを書くかと言えばそれは当然今回のお話。長期休暇が幸いしまして書き上げる事ができました♪
チョッパー視点のサンナミを書いたのは久しぶりでした。書きながら苦労したのは気を抜くと三人称で書いてしまうって事でしたね(苦笑) 書き進めていくとそれも無くなりましたけど、今度は手が止まらなくなったのが困りました。始めは5000字程度で終わらせようとしていたのに、最初にエンドマーク付けて文字数を見たらまたしても1万字を越えてました……。
今回はチョッパーが仲直りをさせるという事でしたから、喧嘩の理由はいらないかと思い考えてません。始めはなんか大きく活躍して二人を仲直りさせようかなと思いましたけど、片方の説得という方法にしてみました。チョッパーは深く考えずに思った事をストレートに言ってるだけですが、ナミにはそれが効いたという感じでしょうか。チョッパー効果でナミも素直になってしまいました(笑) だからタイトルを直前になって変更したんです。
カモメのリーダーとのやり取りは急に入れてみたくなったエピソードです。始めは普通のカモメだったのに、思いついた途端にヤクザなカモメの姿が浮かびました。私の中では頬に傷があって、サングラスかけてる感じでしたが、凡そ現実的でないかなと思ってサングラスの辺りは説明しませんでした(笑) まぁ、そんな余分なものを入れてしまったので長くなってしまったのです……。
今回はチョッパーが仲直りをさせるという事でしたから、喧嘩の理由はいらないかと思い考えてません。始めはなんか大きく活躍して二人を仲直りさせようかなと思いましたけど、片方の説得という方法にしてみました。チョッパーは深く考えずに思った事をストレートに言ってるだけですが、ナミにはそれが効いたという感じでしょうか。チョッパー効果でナミも素直になってしまいました(笑) だからタイトルを直前になって変更したんです。
カモメのリーダーとのやり取りは急に入れてみたくなったエピソードです。始めは普通のカモメだったのに、思いついた途端にヤクザなカモメの姿が浮かびました。私の中では頬に傷があって、サングラスかけてる感じでしたが、凡そ現実的でないかなと思ってサングラスの辺りは説明しませんでした(笑) まぁ、そんな余分なものを入れてしまったので長くなってしまったのです……。
タイトルは今回も副読本を書く時になっても決まってませんでした。でも不思議な事に今回の話に限っては、私が話を書く時の法則は当て嵌まらなかったですね〜。
寝る前にボ〜ッとしていたらそのまま寝てしまいました(苦笑) その時に何も浮かばなかったらチョッパーを表現するのに「純」という文字を入れたいなと思いました。翌朝辞書を見ていて、チョッパーの性格を表す「純朴」でいいかと思ったのですけど、アップ作業中に今のタイトルが浮かんで急遽変更しました。
どちらにせよ、何の捻りもない素直なタイトルですね(笑)
寝る前にボ〜ッとしていたらそのまま寝てしまいました(苦笑) その時に何も浮かばなかったらチョッパーを表現するのに「純」という文字を入れたいなと思いました。翌朝辞書を見ていて、チョッパーの性格を表す「純朴」でいいかと思ったのですけど、アップ作業中に今のタイトルが浮かんで急遽変更しました。
どちらにせよ、何の捻りもない素直なタイトルですね(笑)
……しかし長い後書きですね。最長ですよ。今回は1ページの文字数も多めにしてページ数を少なくしようと試みました。それでも20ページですけど(汗)
2005/05/03 23:41脱稿
<追記>
携帯サイトは訪問者10万を目処に一年前から閉鎖を考え、予定通り約一年後に10万に到達したので計画していた通りに閉鎖しました。閉鎖の理由は色々ありましたけど、そういうのがあって閉鎖を考えた時に10万だとキリがいいかなと思っておりました。だから99999番は最後のリクエスト小説になったのです。そして閉鎖後にPCサイトを開設して現在に至ります。 20ページというのは、携帯サイトの1ページには字数制限がありまして、始めの頃は500文字、閉鎖する少し前からは1000字だたので上記のような記述をしているのです。そしてそういう事情から常に字数の多かった自作品に対して何文字だったという発言を繰り返していたのです。
携帯サイトは訪問者10万を目処に一年前から閉鎖を考え、予定通り約一年後に10万に到達したので計画していた通りに閉鎖しました。閉鎖の理由は色々ありましたけど、そういうのがあって閉鎖を考えた時に10万だとキリがいいかなと思っておりました。だから99999番は最後のリクエスト小説になったのです。そして閉鎖後にPCサイトを開設して現在に至ります。 20ページというのは、携帯サイトの1ページには字数制限がありまして、始めの頃は500文字、閉鎖する少し前からは1000字だたので上記のような記述をしているのです。そしてそういう事情から常に字数の多かった自作品に対して何文字だったという発言を繰り返していたのです。
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