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ふしぎ遊戯玄武開伝 8巻 感想

JUGEMテーマ:ふしぎ遊戯

 前の巻も泣いたような気がするが、今回も泣いてしまった。そして、多喜子が玄武の巫女になった動機に、そうだったっけ?と内容をすっかり忘れていたのに気づいた一冊でもあった(苦笑) そうか、多喜子は亡くなった母親を蘇生させるために巫女となっていたのか。
 前の巻でリムドを助けるために死んでしまったソルエン。大事な家族を失って悲嘆にくれるリムドは、自分を責め続けて誰の声も聞こえなかった。多喜子にさえ「お前になにがわかる!!」と拒絶しようとしていた。しかし、多喜子はわかると返していた。自分の母親が死んでいくのを何もできずに見ているしかできなかったのだと。多喜子の言葉がようやく届き、リムドはようやく休むことができた。
 この後、多喜子は自分たちを助けてくれたフィルカに何かを頼んでいた。無理やりリムドを外に連れ出すと、フィルカはソルエンの「星還り」の儀式を始めると告げ、その依代として、リムドがソルエンの死後に片時も離さなかった彼の剣を差し出すよう手を出していた。ソルエンの葬式をすることでリムドもようやく彼の死を受け入れた。
 そこで多喜子は自分を顧みるんだよね。自分は母親を生き返らすために巫女となった。しかし、リムドが立ち直るのを見て彼女も気づく。違うのではないかと。「生命はそんな簡単なものじゃない」と。

 怪我をしているリムドの看病をするフィルカに対して、多喜子は不安そうにしていたけど、彼女はどうもハーガスに対して何らかの感情を持っている様子だよね。恋愛感情かもしれないけど、そうではないのかもしれない。だって渡瀬さんは前の巻でコメントに朱雀が恋愛メインだったのは掲載誌がそういうのだったからと明記していたものね。
 まぁ、結局多喜子とリムドの気持ちはもう完全に繋がっていて、仮にライバルがいたとしても揺るがないだろうねー。そういや前作でも鬼宿と美朱の仲が確定したのも最初の方だったっけ。
 そんな風に思っていたら太一君が出てきた。フィルカの住むナサルの森とは太古に太一君が降臨して休んだ地だった。しかし、朱雀編とは全く違う姿だなぁ。白虎編がもし描かれるとしたら、太一君はまた違う姿をしているのかな。その太一君がリムドに神獣を召喚した巫女がどうなるのかという話をしていた。……あー、つまり決して結ばれないというのも込みでの話なんだろうなー。

 太一君の話を聞いた後、リムドは他の七星士にもそれを話したんだろうね。多喜子が彼らの前にやってくると、態度を急変させていた。まだ小さい室宿や、それから虚宿には躊躇う様子があったけど、その辺りを斗宿や牛宿がフォローしていたのはさすがというべきか。
 最後の七星士が今まで敵だったハーガスとその双子の兄で、当然簡単には仲間にならないけど、多喜子は何とかしようとするんだけど上手くいかない。そのことも上手く使ったんだろうな。皆に否定されて自分の居場所がなくなってしまうと恐れた多喜子が、リムドにまで拒絶されてとうとう元の世界に戻ってしまった。あれは本人の心が折れてしまったからでいいのかなぁ。
 神獣を召喚した巫女は、願いを叶えると喰われるということを聞いてしまったから、皆は玄武を召喚せずとも戦うとか、多喜子に元の世界へ戻れと言ったのは明らか。そのことを、元の世界に戻った多喜子は四神天地書を読んで知り、また戻ってくるという話になるんだろうなー。キャラは違えど同じ展開になるんだね。同じではあるけど違う展開に。

 ゲームが出るとか渡瀬さんがヘルニアになっていたとか、驚きのニュースもあった8巻だったな。ついでに言えば私も全く同じくヘルニアになっていてリハビリ通院中なんだけどさ(苦笑)

at 23:53, 真神恵, 漫画・アニメ

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機動戦士ガンダムОО 25話「刹那」

JUGEMテーマ:ガンダムOO

 ……とうとう終わってしまったね。しかし、回想シーンだったとしてもロックオンが出てくれたのは嬉しい。

 誰もが予想できたアレハンドロの最期(笑) ソレスタルビーイング(CB)側にはもう誰も死んでほしくないと思うんだけど……。

 アレルヤは悲観的なことばかりいうキャラだったけど、最後の最後で「僕も生きる!」と言ってくれたのは進歩だな。と思ったら、理由は世界の答えを聞いていないからだった。……あー、まぁ、勝手に世界は滅べと言っているのかと言っていたからこれはこれでいいのかな? 人間、前向きが一番だよ。
 ハレルヤはアレルヤの命を守るために生まれた存在。いざとなったら臆してしまうアレルヤに任せておくと、ソーマとセルゲイに敵わないと思ったから今表に出ていた。しかし、アレルヤの決意を聞いて「ようやくその気になりやがったか」と言った後、ヘルメットを外して前髪を上げた。

ならあの女に見せつけてやろうぜ。
 本物の、超兵ってやつをな!


 ……前髪を上げて二人で戦うんだという決意を見せてくれるのはいいんだけど、ヘルメットは被り直そうよ(汗) 前髪を上げた状態でまた被ってもいいじゃない……。しかし戦況を冷静に分析して攻撃を仕掛ける。もともと一人の人間に対して言う言葉ではないのだけど、うん、いい息ぴったりだね。……当り前か(笑)

 刹那&ラッセ対アレハンドロ。
 MAアルバトーレにはファングまで装備されていたのか。この機体を作るとき、アレハンドロはこれつけろあれつけろと技術者に言っていたんだろうなぁ。しかし刹那にまで狙い撃たれるとは(笑) 刹那も機体性能に頼って戦ってきたけど、アレハンドロも同じだなぁ。しかも彼にとって実戦はこれが初めてだろうから、似た戦い方をしているとしても実戦経験が加味されている刹那にさえ敵わないだろう(苦笑)
 そういうワケで、正直この戦闘はあまり面白くなかった。ただ、ここで、こんな奴にラッセがやられてしまったかと思うと……。見ていて、本当にGNフィールドを展開して火器も強力なものを持っているんだけど、本当に一切回避行動をとっていないなんて呆れてものが言えない。そもそも、何個搭載していても複製品がオリジナルに適うのかと思うし。

 ジンクスにも同じ理由が言えるのかも。それとソーマは自分が完全体など口走っていたけど、生死の境を生き延びたアレルヤ&ハレルヤに勝てるのか、と思ってしまった。まぁ、戦闘中ではハレルヤが反射能力に思考が追いついてない。本能で動いているだけだと言っていたから、そっちのが正しいんだけどさ(苦笑)
 熱くなったソーマがキュリオスに攻撃を仕掛けるが、トランザムモードのキュリオスに適う筈もなくソーマは窮地に陥っていた。そしてとどめを刺されようとしたそのとき、セルゲイのジンクスが割り込んだ。

「中佐!」
「今だ! ピーリス!!」

 いつも「少尉」と呼んでいたのにね。でもここは「ソーマ」と呼んでほしかったなぁ。そしてソーマはセルゲイが作ったチャンスを無駄にせずキュリオスを連続射撃してダメージを負わせた。キュリオスはコクピットが爆発してアレルヤは右目を負傷してしまった。……皆右側を負傷するのが好きだね(汗)
 この後のソーマとセルゲイの会話が良かった。戦線を離れ漂うキュリオスを追撃せず、ソーマはセルゲイ機のハッチを外から開いていた。

「何をしている! 私に構うな! 戦え少尉!」
「できません!」
「!?」
中佐がいなくなったら、私は独りになってしまう
「……少尉」
 初めて画面に姿を見せたとき、ソーマは無表情な少女だった。戦うために生み出された超兵なのだという自分の立場を心得ているといった台詞も言っていたっけ。それがあんな表情を浮かべるまでに成長していたなんて、これもセルゲイのおかげだね。もしかしたら、セルゲイは彼女を庇って死んでしまうんじゃないかと心配していたけど、ソーマがそうさせなかったというのが嬉しい。
 そして戦場から遠ざかりながら、アレルヤはモニターに映る二人を見ていた。そしてソーマの顔を見て驚きに目が見開かれる。

「マ、マリー……! 何故、何故君が!?」

 最後の最後でそんな事実を公開するなんて! 二人が知り合いだったとして、ソーマはそのことを覚えているんだろうか? 超兵として作られ名前を与えられているんだったら記憶が改竄されている可能性の方が高いよね。そして、マリーが超兵だったと知って愕然としたアレルヤは、死なないかもしれないと思った。自身も生きると決意していたけど、それ以上に放っておけない事ができたんだし?

 あれでやられたと思ったのに意外としぶといアレハンドロ。MSで攻撃仕掛けてきたよ。「未熟なパイロットでここまで私を苦しめるとは!」と、ビームサーベルの鍔迫り合い時に通信で刹那にそう言っていた。……そういやアザディスタンでの刹那の戦い方を非難していたものねー。こいつになら勝てると確信していたからああやってのこのこMSで攻撃を仕掛けてきたのかもしれない。
 アレハンドロの巨大ビームにトランザムでエクシアは脱出。刹那はアレハンドロを「世界の歪み」「元凶」だと言い攻撃を仕掛けるが、ビームによる攻撃はGNフィールドによって全て弾かれてしまった。

「刹那、なぜエクシアに実体剣が装備されているか、わかるか?
 GNフィールドに対抗するためだ。
 計画の中には、対ガンダム戦も入っているのさ。
 もしもの時はお前が切り札になる。
 任せたぜ、刹那」

わかっている、ロックオン。俺は戦うことしかできない破壊者。
だから戦う! 争いを生む者を倒すために!
この歪みを破壊するッ!!

 かつてロックオンに言われた言葉を思い出し、刹那はGNソードでGNフィールドの中へと侵入してアレハンドロ機を破壊していった。

「武力による戦争根絶! それこそが、ソレスタルビーイング!」
「フィールドが!?」
ガンダムがそれを為す! 俺と、共に!
 そうだ、俺が!! 俺たちが、ガンダムだ!!


 刹那の攻撃により、コクピットが損傷したアレハンドロの胸には破片が刺さっていた。そしてモニターには不敵に嗤うリボンズが映っていた。そして彼は「アレハンドロ・コーナー、あなたはいい道化でしたよ」と、とうとう本性を現した。とても涼しい顔で、イオリア・シュヘンベルグの計画ではなく、自分の計画になっていたのだと真実を告げていた。
 わかっていた結末だったので、アレハンドロの最期に対しては特に思うことはない。そして第二期の敵はリボンズで、最初におかしいことに気付いてCBが彼を倒していく展開になるのかもしれないね。それよりもリボンズを見て私が思っていたのは古谷さんのことだった(笑) もうすぐ50も半ばだというのに未だに10代の少年の声を出せるのが凄いなぁと思っていた。

 ようやく倒せたと思ったら、赤い彗星が現れたっ!!

 我慢弱い男が何週間待ったんだろう? 完成するなり飛び出したであろうグラハムに、ビリーはやれやれと肩を竦めていたことだろう(苦笑) 擬似太陽炉を搭載したフラッグを駆ってグラハムがギリギリ間に合った! 間に合わなくてもいいのに……。

会いたかった……。会いたかったぞ! ガンダム!

 ビームサーベルは以前にスローネアインが落していたものをそのまま使っているようだね。一方トランザムシステムがオフになったところで機体性能が低下中のエクシア(汗) これは非常にマズイよ〜。

「何と、あの時の少年か!?
 やはり私と君は、運命の赤い糸で結ばれていたようだ。
 そうだ、戦う運命にあったァ!
 ようやく理解した!
 君の圧倒的な性能に、私は心を奪われた。
 この気持ち、まさしく愛だッ!

 最後の最後でこの迷台詞(笑) シリアスなシーンが続いてきたのに、グラハムのおかげで噴き出したよ! 「愛!?」と刹那も唖然としていたのがまた笑いを誘う。今まで戦ってきたフラッグのパイロットがこんなに頭のおかしい奴だったとは! 刹那もそう思ったに違いない(笑) グラハム絶好調だなぁ。

「だが愛も超越すれば、それは憎しみとなる!
 行きすぎた信仰が、内紛を誘発するように!」
「……ぅ……、それがわかっていながら、なぜ戦う!?」
「軍人に戦いの意味を説くは、ナンセンスだなッ!!」
「貴様は歪んでいる!!」
「そうしたのは君だ! ガンダムという存在だッ!!」

 トランザムシステム後のエクシアと擬似太陽炉を搭載したフラッグ+スローネアインのビームサーベルでようやく互角に戦えるんだね。しかし、グラハムはまたもや吐血していた。このG対策はいつとられるのだろう……。

「だから私は君を倒す!
 世界などどうでもいい、己の意志で!」
「貴様だって、世界の一部だろうに!」
「ならばそれは、世界の声だッ!!」
「違う! 貴様は自分のエゴを押し通しているだけだ!
 貴様のその歪み、この俺が断ち切る!!」
「よく言った、ガンダムッ!!」

 ガンダムってあんた……。まぁ、パイロットの名前まで知らないんだから……と思えなくもないけど、この場合h「よく言った少年」でもいいんじゃないかー? 熱く戦う二人を見ながら突っ込んでいた。そして決着。

「ハワード……ダリル……仇は……」
「……ぅ……、ガンダム……」

 爆発を始める中、口元だけ映っていたグラハムと、最後まで「ガンダム」と言っていた刹那。しかも彼の目に青い羽根が舞ってたのはいったい何だったのだろう? そしてカメラが引いて二機は爆発。青い光と赤い光が左右に広がって消えた。

 前回、コーラサワーによって大破したナドレはそのまま漂流していた。コックピットにはアラームが鳴り響いていた。空気残量が少なくなるという警告音だったのだろうか? 気づいたティエリアは右脇腹を押さえて呻いた……ってまたもや右なのね(苦笑)

「ここで、終わりではない……。まだ……計画は、継続している……。
 せめて、太陽炉を……」

 ナドレから放出された太陽炉をフェルトが確認して報告していた。太陽炉をスメラギたちのいる方向へ飛ばしたということは、ティエリアの命も消えるということ。最期の台詞がとても悲しかった。

「これで……やっと逝ける……。貴方の元へ……ロックオン……」

 そのまま事切れるティエリアに泣きそうになった。涙まで出なかったのはやはりロックオンほど愛着がなかったかもしれない。せっかくロックオンが助けた命なのにと言いたいけれど、ティエリアも自分にできることをしたんだと思うと言えないか。

 そしてアレルヤ。ソーマがマリーだったなんてと彼は顔を覆って嘆いていた。そしてハレルヤに「知っていたのか!?」と尋ねていた。知ったらお前はもう戦えない、死ぬだけだとハレルヤはそれを肯定した。 目を見開いたアレルヤに、どっちみち同じだと言ったハレルヤは、「先にいってるぜ」と言い残して目を閉じた。
 まさか、そんな、ハレルヤ……と、茫然と呟くアレルヤを乗せたキュリオスはそのまま漂流していった。爆発しやしないかとヒヤヒヤしていたけど、どうやらそうではないようだった。

 最後はエクシア。コックピットではシートの右側に大きな穴が開いていたけど、刹那は五体満足の様子だった。ヘルメットには吐血した後があって、刹那に意識はない。しかし息をしているようにも見えない。生死不明としか言えない。ただ、ここでマリナに宛てた手紙の文面が聞こえてくるからなぁ(汗)
 フェルトに手紙を出す相手はいないのか、と尋ねられたときに刹那はいないと言っていたけど、出していたんだね。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――
 マリナ・イスマイール、あなたがこれを読んでいる時、俺はもうこの世には……。
 武力による戦争の根絶。ソレスタルビーイングが、戦うことしかできない俺に、戦うことの意味を教えてくれた。
 ……あの時の、ガンダムのように。

 俺は知りたかった。
 なぜ、世界はこうも歪んでいるのか。
 その歪みは、どこから来ているのか。
 なぜ、人には無意識の悪意というものがあるのか。
 なぜ、この悪意に気付こうとしないのか。
 なぜ、人生すら狂わせる存在があるのか。
 なぜ、人は支配し、支配されるのか。
 なぜ傷付け合うのか。
 なのになぜ、人はこうも、生きようとするのか。

 俺は、求めていた。貴女に会えば、答えてくれると考えた。
 俺と違う道で、同じものを求める貴女なら、人と人が分かり合える道を、その答えを……。

 俺は、求め続けていたんだ。
 ガンダムと共に。
 ガンダムと……共に。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――

 刹那の手紙が読まれている中、エクシアが地球の上を流れていった。あのまま大気圏に入ってしまうんじゃないかとヒヤヒヤした。そうなると完全に望みが絶たれるものね。

 ネーナはあの後、留美の元へ避難していたようで、留美もそれを受け入れていたみたいだね。まだ利用できるからかな? マネキン大佐は戻ってこない部下に失意の状態かなぁ。ルイスは何を考えているのかわからない横顔ではあったけど、沙慈はどうやら復活しているようだった。ソーマはセルゲイの傍にいて、手紙を読むマリナは涙を流していた。

 そこから物語は四年後に移った。
 沙慈の声にはもうあのときのような昏い感情はないように聞こえる。そしてルイスからの返事が来なくなって二年が経過したとそのメールには綴られていた。彼は夢を叶えていた。

待ってるよ、ルイス。
宇宙で待ってるから。

 そう最後に記して沙慈はルイスへ久し振りにメールを出していた。自分の夢がルイスの夢だと言われたのを思い出して、ガンダムへの恨みに生きるのではなくルイスと生きることを選んだ沙慈。夢を叶えられたから、ようやくルイスを迎えに行けるんだね。4年経っても沙慈は沙慈で、多分憎むのを止められた彼はとても強くなっているはず。

 沙慈が地球を見ていると、GN粒子を放つ物体が走っていた。つまり、あれはCBは顕在だったということなんだね。そしてエンディングへ。ここで「DAYBREAK'S BELL」が流れたのが嬉しい。

 世界は国際連合が地球連邦に名前を変えて一年経っていた。参加国は328国。328国の参道を得て軍を解体、一元化し地球連邦平和維持軍として発足する宣言がされていた。世界を一つにするという目的は達せられてそれが維持されていたということなんだね。
 そしてその平和維持軍の中にはマネキン大佐と、何とコーラサワーが彼女の後ろで敬礼していた! 生きていたよ!! すごいよ! 生還率100%の男になったよ! 階級は上がったのかなぁ。

「これで世界は変わったのですか? お嬢さま」
「さあ」
「今の世界はお気に召しませんか?」
「期待はしているわ。世界が変わってゆくことを」

 ネーナ、あれからどう過ごしていたんだろう? とりあえず、留美には「お嬢さま」と呼ぶように紅龍には叩き込まれたのは確実だね。人間としてどう成長したのかは、この会話からはまだわからないな。

 そしてこの二人の会話の間にはマリナの元を去るシーリンの姿が描かれていた。世界が一つになったということはアザディスタンの内紛も収束したということだよね。シーリンが去るのは女が政治に参加できないままだったからなんだろう。彼女は二期でも出てくるんだろうか?

「始まるよ、イノベイター。人類の未来が……」

 リボンズはあのままヴェーダの中に居続けているようだね。そして彼の後ろには同じ服を着た5人の少年たちが立っていた。さて、次は彼らが世界に悪意を振りまくのかな。

 グラハムも生きていた!! あの爆発でよく生きていたものだ。しかし仮面を着けていたということは、顔に大きな傷ができたということなんだろう。……まぁいいよ、また愉快な台詞で楽しませてちょーだい(笑)

 アリーも生きていた。やはり彼の息の根を止めるのは刹那の役目なんだろうか。グラスを苛立だしげに置くのは、世界が一つになって争いが無くなってしまったからだろうね。しかし口元が出てきただけで顔を見せてくれなかった。右手は無事、左肩も無事。しかし見せていない部分は? 予測したように彼の右目は失われているのかもしれないね。ロックオンの置き土産とでもいうように。

 ティエリアにそっくりなキャラが出てきた。つまり、ティエリアの死は確定したということなんだろう。EDを見るとリジェネ・レジェッタという名前らしい。放送開始前、色んなパターンの番宣CMが流れた中で最後にタイトルを読む声を聞いて一つだけどうしてと思うものだあった。初期に流れていたものだと思う。その声が朴さんだった。しかし本編で彼女が声をあてたキャラはいなかった。だからどうしてなのかと思ったら……二期のキャラだったとは! 顔がティエリアと同じなのでもちろんCBに所属しているんだろうけど、ティエリアのデータを継承してるんだろうか?
 そしてリジェネの後ろには髪を切ったルイスがいた。彼女を横目で見たリジェネは「フン!」と鼻で笑っていた。……ルイス、CBに入ることを決心したんだね。その後に地球を見ている沙慈が映るというのが何とも皮肉。ルイスからのメールが途絶えて二年が経ったと先ほどの沙慈はメールで語っていた。つまり、そのときにCBが彼女をスカウトしたんだね。彼らが再会することはあるんだろうか?
 一つ気になったこと。グラハムが着ていた服がリジェネのそれに似ているなぁと思った。でも、ガンダムを憎んでいたグラハムがCBに入るなんて考えられないし、やっぱり違うかな(苦笑) よく見たら色の部分も違っていた(汗)

 4年経ってイアンはとても元気だった。スメラギたちは戦闘が終わると留美とコンタクトを取って機体の回収をしたんだろうね。そして今度はトリニティ兄弟が使っていた船を拠点にしたのかな。あの船ってそうじゃなかったっけ?
 一機目がロールアウトして実戦に向けてのテストに出払っていると言っていた。それが沙慈とその同僚が見た光なんだろう。次回も4機で対抗するんだろうか?
 第一世代のОガンダムを見たいという留美の希望に快く引き受けたイアンは、太陽炉はすでに機体に装着済みだと言っていた。Оガンダムのでもマッチしなくて、エクシアの太陽炉でも上手くいくかどうか……というイアンの視線の先には「ОО」とペイントされているコンテナがあった。

「世界を変える機体……ООガンダム……」

 留美の台詞の後に「Mission Incomplete」という文字が出て一期は終了を迎えた。任務失敗と出た以上、二期の最後は「Mission Complete」で終わらせるんだろうけど。本当にいろいろと気になることを残して幕を閉じてくれたなぁ(苦笑)

 4人のガンダムマイスターで太陽炉を射出した時点でロックオンとティエリアの死は確定したようなものだろう。そう考えると、機体ごと回収されたであろう刹那とアレルヤの生存確率は高いと私は思う。何よりこの二人には生きる理由もあるんだし。
 刹那はまだ知らないけど、彼がアリーと決着をつける必要があるだろうし、アレルヤには新たに「マリー」という知り合いが超兵となって戦っていたという事実が明かされた。あれだけの衝撃を受けていた以上、彼にとって「マリー」は特別な存在なのは明らか。セルゲイ同様に戦ってほしくないと思って、止めさせようと接触を試みるかもしれない。
 そしてルイスと沙慈だね。連絡が途絶えたとはいえ、沙慈はルイスを迎えに行くという約束を必ず守ってくれるだろう。だとしたら、行方をくらました彼女を沙慈が探すのは自然な流れなんじゃないかと。そして再会し彼女がCBに参加していると知ったとき、沙慈がどうするのか、という話にでもなるのかなぁ。

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 総括みたいなものは続きで少しだけ。
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at 23:48, 真神恵, ガンダム

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ツバサ TOKYO REVELATIONS  3話「姫君の視た夢」

JUGEMテーマ:CLAMP

 これ、発売はいつだったっけ? 17日に発売して一週間後に見たんだよね。あ、これは早い方か(笑)

 母親を殺した者の手がかりだった紋様のある服を着た小狼に、戦いを仕掛けなかったから黒鋼は大人だと前の巻で書いたのだけど……一触即発だったよ!(苦笑) しかも小狼はうつし身を通して見てきたくせに、剣を手放さないし(汗) そこへ割って入ったのが侑子さんだった。
 しかし、今は話を聞いている時間はない。ファイは出血多量で今にも死にそうなのではないのか!? 仲間を優先してくれたので、やはり彼は大人だと思ってあげよう(笑) 昴流に抱きかかえられたサクラを見る小狼の目が切ない……。しかしサクラは本物のお姫さまだけあって、姫抱きされる回数が多いなぁ(笑)

 ショック死してもおかしくない状態のファイを助けるのは可能。しかしそれを侑子さんがやると対価が大き過ぎる。ではどうすれば、と思ったら、昴流が都庁の地下を満たすほどの水を侑子さんに願っていた。昴流と神威の次元を超える力は侑子さんによって得られたものだったんだね。そのときは何を対価にしたんだろう? しかし、侑子さんは本当に知り合いが多いなぁ。
 ともかく、昴流の願いを黒鋼が口にして頼み、その対価を支払う。代わりに依頼したということで、侑子さんは昴流の血をファイに与えるように言っていた。吸血鬼の治癒能力は人間を遙かに凌ぐから、それで傷を治させるということなんだね。でも、ファイには生きる意志がない。ファイの生を望んだのは黒鋼だから、その責任ということで彼はファイの餌になるよう侑子さんに言われていた。
 白モコナ、ずっと泣いているんだね……。昴流の血を飲ませるときに黒鋼の血を混ぜれば、ファイは黒鋼の血しか飲めなくなるらしい。だから黒鋼が死んだらファイも死ぬのと聞いたときにまた白モコナが涙を流していた。死ぬつもりのファイを生き延びさせたのなら、黒鋼も死ぬことは許されないとそういうことなんだね。

「うるせェ!! そんなに死にたきゃ俺が殺してやる!
 だから、それまで生きてろ」

 止めろと言うと、間髪入れずに黒鋼はファイに怒鳴っていた。黒鋼らしい台詞だね。そんな黒鋼にファイは苦笑いしていた。結局血を与えたのは神威だった。身体を創り替わる痛みに暴れるファイを押さえるよう神威は黒鋼に指示し、黒鋼は小狼に姫を抱えていろとベッドから離させた。
 吸血鬼になる前の怪我は治らない。つまり写し身の小狼に奪われた左目は失われたままということなんだね。しかし、原種ではなく後天的に吸血鬼になった者は人間より少し丈夫で長命になるだけなのだという。そしてファイは既に黒鋼の何倍も生きているそうなので、大して変わらないらしい。……何倍も? じゃあ100歳くらいは超えているのかな??
 そんなことも知らないのに餌になるのを承知したのかと神威が呆れて尋ねると、黒鋼はあと数瞬でファイが死んでたからということと、侑子は信用できないが、白モコナが信用して侑子さんに助けを求めたなら自分は白モコナを信じると言い切った。彼は白モコナのことを「モコナ」と呼んだことがないと思う。いつも白まんじゅうだったような……。そしてこのシーンでは「あれ」と呼んでいた。しかし、これほど温かい台詞はないよね。この黒鋼の言葉に早くも涙腺が緩んでしまった私(笑) 白モコナ、嬉しかっただろうなぁ。白モコナは黒鋼が優しい人間だと知っているけど、そういうところを黒鋼は素直に表す人ではないものね。だから、自分を信じていると口にして言ってくれてとっても嬉しかっただろうね。
 黒鋼にしがみ付いて痛みに耐えていたファイは、その後で気絶してしまった。心配する白モコナに「少し眠らせてあげようね」と言う昴流の言葉が優しくて好きだな。そしてサクラを抱えていた小狼は、黒鋼に黙って眼帯を渡していた。そういや彼は最初眼帯をしていたっけ。すっかり忘れていて、意識を取り戻したファイが着けていた眼帯をどこで手に入れたんだろうかと本気でわかってなかった気がする(苦笑)

 次は地下の水。しかしそこへタワーを根城にしている封真以下のメンバーがやってきた。出迎えた都庁側のキャラを見て、白モコナが神威の肩に乗っていたことが一番気になった! ファイを助けてくれたから懐いたのか? 神威も文句を言わずに乗せているというのがまたいい。と、話は進んでいるというのにそんなことを考えていた(笑)
 ええと、都庁は羽根がなくタワーは水が残り少ない。だから都庁へ移り住んでもいいかと封真が取引を持ちかけたんだったね。しかし白モコナは羽根はサクラのものだからと訴えかけた。そのために旅をしているのだものね。そこへ目覚めたサクラがやってきて、羽根については待ってほしいと言っていた。
 まずは水、ということだね。白モコナが出した瓶に入った水は、「xxxHOLiC」で侑子さんが四月一日に入れさせていたもの。しかしTV版はどちらもリンクさせてなかったからなぁ……。春から「継」が始まるのはいいけど、謎を明かしていくのだとしたら、どうするんだろうかと思うよ。密接に関わっていたのがわかってきているというのに。

 都庁の地下に水が溜まっていく。しかし霞月が指摘した通り、瓶の中に入っている水の量とは明らかに違う。侑子さんによれば、瓶の中に入っていた水は自然の水らしい。……え〜っと、カラクリは教えてくれないってことなのね。空汰が瓶を見てどんな構造になっているのかと言っていたが、それに草薙が白モコナが羽根を感知できないような入れ物を持ってることに対して尋ねた。ここで封真も次元を行き来する人間であることと、侑子さんとも知り合いであることが判明した。さらに星史郎の弟であることも。
 星史郎の弟と知って色めき立つ神威に、封真は星史郎がまだこの世界にはたどり着かないから、先に東京での用を済ませようと提案した。そして都庁の水の対価について侑子さんが切り出したとき、黒鋼が返事をすると自分がやると小狼が言いかけた。ところが何と、サクラが声をあげていた。そして自分が眠っている間に起きたことを教えてもらえるように頼んでいた。

 力強い瞳だと思った。今まで三人にただ守られているだけのお姫さまが、初めて自分で何かを成すという話でもあったね。
 出発前、サクラは小狼に謝罪していた。自分が「やめて」と言ったから怪我をしたと、小狼に休むよう告げていた。彼女の言葉で、前巻の怒りはなくなったよ(苦笑) 黒鋼が行けばもっと早くそして難なく対価を支払えただろうに。しかし黒鋼はサクラの意志を尊重していた。「言い出したら聞かない」というのはこの四人に共通していることでもあるよね。

 この東京編は驚かされることばかりだったけど、中でもサクラの扱いに驚いた。そこまでするのかと思ったもの。しかもこれは本当に始まりにすぎなかったんだなと後々思い知らされることになる。でも、それもこの東京でサクラが視てしまったからこそだったんだねぇ……。
 初めて銃を持ったんだろうなと思う。そして今までのサクラだったら、自分を襲ってくる生き物に対してあのように殺傷することができただろうかとも。ただ、初めて生き物を殺したときにはさすがに銃を持つ手が震えていた。エアバイクは早々に使えなくなり、しかも瓦礫に足を挟まれただけでなく、崖から落ちたときに串刺しになるといった重傷を負うなんて、予想だにしなかった。ご都合的な展開に全くならなかったし。
 そしてようやく対価として持ち帰るように言われた卵がある台座の周りには、底は浅いが酸の泉が広がっていたし! それだけでなく、近くにいた怪物の尻尾で壁面に思い切り叩きつけられていたしね。あれでよく骨を折らなかったもんだと思う。
 これから自分は、自分勝手な理由でまた誰かを傷つて奪う。そして自分が行ったことに対してその報いを受ける。しかし、それでも写し身の小狼が無くした心を取り戻したいと決意するサクラの姿に、原作を読んだときもボロボロ泣いていたっけ……。

 この、サクラが一人で目的地へ向かうシーンと、彼女の帰りを待つ三人の様子が交互に描かれていたんだよね。
 まず、白モコナが小狼と話をしていた。閉じ込められて寂しかった?と白モコナは尋ねるが、小狼は写し身に与えた目を通して見ていたからと答えていた。白モコナがすごかったのは、そこで「だったらよけい寂しいよ。だって、楽しそうだったでしょ? モコナたち。苦しいことも辛いこともあったけど、でも、すごく楽しそうだったでしょ!? ……きっと、一緒に旅したかったよね? 皆と!」と泣きながら小狼に言ったこと。本当にやさしい子なんだなと思った。
 そしてファイト黒鋼の関係が変わってしまった。吸血鬼と餌ということではなく、目覚めたファイが黒鋼にかけた一声がすべてを物語っていた。

「おはよう、黒鋼」

 彼は、黒鋼だけは名前で呼んだことがなかった。黒さま、くろぽん、お父さんとか言っていたときもあったっけ? いやまぁ、あえて呼ばせないようにしているのだというのはわかっていたけど、ここでそうなるのかと驚かされた。そして黒鋼もその一言でファイが何を言っているのかを理解していたんだよね……。いつもと変わらぬ笑顔の後にこの台詞だもの。衝撃が大きかったぁ〜。

「これだけは覚えていて。あなたの痛みはあの子たちの痛みでもあるのよ」

 侑子さんとの会話で、ファイは黒鋼とどう話したのかを言っていた。そして黒鋼同様に、侑子さんもそのファイの一言で理解していた。そういや、この時点でファイの過去だけがまだ謎だったんだっけ……。だからこれ以上、黒鋼たちに近づくのはやめるというようなことを話していた。そしてそんなファイにかけた侑子さんがかけた言葉が上記の言葉。本当の意味で早くファイにも仲間になってほしいと思ったよ。
 しかしそれも彼が侑子さんにサクラの様子を尋ねてから動いていくことになる。彼女が外にいると聞かされたときのファイの表情が本気で怒っていた。こういう表情は今まで見せていなかったものね。

 その視線に気づいた黒鋼は、小狼に羽織るための布を渡していた。礼を言う小狼に「お前の意思でそれを着てたワケジャねぇんだろ」と静かに返していた。冒頭は突然のことに黒鋼も敵意をむき出しだったけど、それから小狼を見て、理解してくれたんだね。また小狼も「見ていていたいものじゃないはず」と言って前を隠しているのがねぇ。本当にいい子たちだ……。そして犯人を知っていても何もできないと自分を責める小狼に、お前のせいではないと言う黒鋼は本当にいい男だよ。

 そしてサクラを一人で行かせたことに黒鋼に対して本気で怒っているファイの顔が怖い(汗) 彼女を助けに行こうとして止める黒鋼を睨む目も。
 サクラの覚悟を語り、彼女を信じて待つと黒鋼が言ってもファイは待てないと言い切った。そして止めるのなら戦いも辞さないと瞳を吸血鬼の金色に変えていた。ファイにとって、サクラは本当に大切にしたい存在にまでなっているんだねぇ。

「もし……もしあなたが助けに行ってあなたが傷つけば、
 サクラ……いや、姫はもっと傷つく。
 あなたが姫を傷つけたくないのと同じように」

 二人のやり取りを黙って見ていた小狼は、ファイを真っすぐ見てそういった。小狼の言葉にファイは眼の色を戻して「……本当に同じなんだね。君たちは」と呟いていた。力づくで止めようとしても止まらないファイも、こう言われては確かに行けなくなってしまうよねぇ。
 そこへようやくサクラが帰ってきた。送り出した彼らは彼女の姿に胸を締め付けられたことだろうね。そしてサクラは、自分を待ってくれていた仲間の姿を目にした途端にその場にどっと倒れてしまった。

「ごめんなさい……。ファイさんが辛いときに何もできなくて、ごめんなさい。
 今もきっと私よりずっと、あなたが辛い」
「サクラちゃん……」
「それでも……生きてくれていて良かった」

 全身が痛いだろうに、足なんてもう感覚もないだろうに、それでもファイを気遣うサクラの優しさには涙ばかり零れる。さっきまで死なせてくれなかった黒鋼を絶対に許さないと思っていただろうけど、サクラのこの言葉でそんな暗い感情は和らいだのではないだろうか。そしてサクラが望むのなら生きて彼女の傍にいようと決めたに違いない。

 対価を受け取った侑子さんは、黒幕が誰であるか目的が何か、何のためにそれを始めたのか話せることを話し始めた。その内容よりもやっぱりサクラを大事に抱えているファイの姿に視線が行ってしまう(苦笑) 侑子さんに仕組まれたことと仕組まれてないことがわかるでしょと問われて思わず顔を逸らしたとき、サクラが手を自分の手に重ねてくれたときの優しい笑顔。
 そして極めつけのシーン! 飛王の目的に沿うことになっても行くのか、と侑子さんが確認しても「行きます!」とハッキリ宣言したサクラに、自分も行っていいかと言い出したファイのところから。

「それは、ファイさんの本当の気持ちですか?
 本当にやりたいこと、隠してませんか?」
「本当にしたいことだよ。ビアプリンシア」

 片目を写し身の小狼に取られているから役に立つと言ったファイにサクラがそう聞くと、彼はサクラの手をとって口づけていた。手元に今原作がないのでちゃんと書けないのが残念だ。ビアプリンシアって、我が唯一の姫とかそんな意味だったんじゃないかと。黒鋼が知世を主と決めているように、ファイもサクラにそう誓っているとかそんな感じ。この二人の関係がとても好きだ。今にも消えてしまいそうなファイをサクラには捕まえていてほしいと思う。
 サクラを中心に皆の気持ちがまとまった瞬間だね。そして小狼も。侑子さんに問われると、戻らないかもしれないけど取り戻したいものがある、守れるのなら守りたい、と言ってサクラを見ていた。……そんな小狼にサクラが困惑した表情を浮かべていた。そうだよねぇ。彼女はもう全て思い出していたんだものねぇ。
 EDはこのラストシーンの続きから始まっていたんだね。そんなラストだった。そして・……。

「誰だったんだろう……夢だったのか、幻だったのか、それとも……」

 そんなサクラのラストの台詞で3巻は終わった。

 対価の卵を手に入れ皆の元へ戻ろうとしたとき、手にしていたコンパスは壊れてしまった。それでも自分が血を流して歩いてきた道を辿ってサクラは戻ろうとしていたが、エアバイクに乗っている間は足跡なんて当然あるはずもなく彼女は途方に暮れていた。
 そんな彼女の背後を走る人影が一瞬映ったときまさかと思った。ここ、原作では亡霊が現われてサクラを誘導してくれていたんじゃなかったっけ? それがどうして「CCさくら」のさくらが出てくるの!? 脚本が大川さんなので、何かあるのかと思ってしまうではないか。ただのサービスという可能性の方が高いけど、やっぱり何か関係があるんだと勝手に思っておこうかな〜。
 しかも最後にもう一度描かれていたのが嬉しい。帰り道がわからなくて茫然としているサクラの前にさくら。「絶対大丈夫だよ」という声が頭に聞こえてきたよ(笑)

at 23:09, 真神恵, CLAMP

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ツバサ 23巻 感想

JUGEMテーマ:CLAMP

 毎回驚かされる。一度や二度読んだだけだと感想は書けないと思った。漫画を読み返すことなんてほとんどしないのになぁ(苦笑)

 小狼とその写し身の戦いは、互角だと思っていた。しかし小狼は星史郎との戦いでダメージを喰らっているしなぁ。星史郎は小狼が夢の世界へ向かった後で封真と会話をしていたのだけど、封真によれば彼は最初から小狼に羽根を渡すつもりだったらしい(汗) 気に入った人間を苛めたがると封真は言っていたけど……星史郎、あんたは小学生かっ!(笑)
 その星史郎は、どうやらその後さっさと旅立ってしまったらしい。彼にもどうしても叶えたい願があるそうで、そのために双子を追っているようだった。それは近い将来語られる日が来ると期待して、小狼が戻ってくるまで成り行きを見守っていたのには驚いたな。小狼を気に入っているというのは間違いなさそう〜。では写し身の方はどうなんだろうか?
 封真は星史郎に、写し身の方の小狼に会ったことを話していた。そして兄から聞いていたよりも比べ物にならないくらい彼が強かったとも。弟のその言葉に「迷いのない者は強い。その上、心の痛みも身体の痛みもないなら尚更だ」と返していた。更にファイから奪った魔力も持っていて、しかも使い続けていれば両目が揃った状態のファイを凌いでいたのかもしれないという。

 同じ能力と思ったらそうではなかったらしい。そして小狼は窮地に陥っていた。写し身に攻撃されたとき、小狼の風の魔力で守られていたサクラが「小狼!」と叫んでいた。彼女は写し身を小狼くんと呼んでいたので、あの叫びは小狼に向けたものだったんだね。
 そしてサクラは写し身から小狼を自分の身体を盾にして守ろうとした。サクラが目の前にいるのに、写し身の目的は本当に羽根だけなんだね。しかし飛王が必要なのは身体だけで魂は殺しても構わないの言葉に、小狼はサクラに斬りかかろうとしたのにできなかったところにはちょっと感動した。侑子さんいわく、身体の記憶がそうさせているらしい。これって期待できるということなのでは?
 結局、小狼と写し身の勝負はつかなかった。互いの剣で攻撃を仕掛けようとしたとき、何とサクラが二人の剣に貫かれていた!(汗) サクラ死ぬじゃないかと思ったら、何と今まで一緒に旅してきたサクラは、小狼と同じ写し身だったらしい。まさかこの局面でこんな展開になるなんて思いもしなかった。確かに彼女は東京編以降変わった。それが自分が何者かを知ったからだったとは……。そして小狼を拒絶していたのも、彼が大切に想っているサクラが自分ではないと知っていたからだったなんて。しかし小狼もそれは知っているようだった。それでも彼にとってはサクラは同じサクラなんだろうね。いくら本人が自分は写し身だから小狼のサクラとは違うと思っていても、彼にとってはサクラはサクラだったんだ……。

 物語の始め、サクラは眼の焦点が合わない表情で夢遊病者のようにフラフラと出かけていたシーンがあったけど、それは彼女が写し身で飛王の命令に従っていたからだったんだなぁ。

「わたしも同じだから」

 二人の剣に刺し貫かれたサクラがそう言ったとき、ファイは俯いていた。つまり彼はサクラが写し身であったことを知っていたんだね。そしてここで消えゆくのも知っていた?
 一方で同じ写し身の小狼の反応が……。彼女が自分の腕の中から消えてしまったとき、彼は確かに叫んでいた。それって心はちゃんと芽生えていたということなんだね。大切なものを失って初めてそれがわかるだなんて……。その後彼は姿を消してしまったけど、次に出てくるときはちゃんと心をもった存在であってほしいと思う。

「……私たちは創りものでも……同じ……だから。
 あの二人が生きていてくれれば……終わり……じゃないから……」

 その直後「貴方が……す……」で写し身だったサクラは消えてしまったけど、ここは当然「好き」で間違いないよね。そしてその死に衝撃を受けた写し身の小狼は、サクラの最期の言葉を思い出して小狼が窮地に陥ったときに彼の身代わりになるかもしれないなぁと思った。
 魂は消滅してしまった上に、その身体は何と突如現れたカイルによって連れ去られてしまった。ようやく飛王の条件を満たす状態になったということか。その身体を手に入れたとき、カイルがサクラの本体のことを尋ねると、飛王は写し身のサクラを作り出したときに消滅してしまったと、これまた衝撃的な事実を言っていた。……まぁ、この場合本当に消えてしまったのかなという疑問が残るけど。

 小狼は身体だけ、しかしサクラは心と身体の両方を持った写し身として創られた。だから、飛び散った記憶の羽根はオリジナルと同じもの。しかし写し身を作ったのは万が一のことを考えてと飛王は言っていたんだっけ? それは写し身が死んでもまた作ればいいと思っていたかららしい。替えがきくと思っていたと知って黒鋼たちは怒った。
 侑子さんが黒モコナに話しているのと同じ内容を黒鋼たちにはファイが説明していた。このときの侑子さんの憂い顔が引っかかる。そういえば侑子さんって来るべき日のために願いの叶う店を作っている次元の魔女と呼ばれる、ということ以外は正体が不明だったんだよね。前に飛王が蘇らせたかったのはクロウ・リードなのかと書いたけど、もしかして侑子さんだったりして……。あ、でも彼女は別に幽霊でも何でもなかったからやはり事情を全て知っているから無謀な願いをもった飛王を憂いていただけ? 自分も一瞬でも同じことを考えたとか……。謎がどんどん明らかになっていくというのに、まだまだ明かされていない謎があるんだなぁと改めて思った。

 そこへ小狼が侑子さんいサクラの居場所を尋ねてきた。どちらの居場所かと問うと、小狼はどちらもとキッパリと答えた。そしてそれは黒鋼とファイも同じだった。黒モコナは三人を見て初めて店に来たときと同じだと言っていた。……そうだったっけ? あのときは個々人の目的は違っていて、そのための手段が同じだったから同行しただけだったのに。しかし今回は三人には絆があって、同じ目的を持っているから違うと思うんだけどなぁ。
 サクラの居場所を教える対価がいったいどんなすごいものかと思ったら……何とそれは既に支払われていた! 小狼と誰よりも近しい人が写し身のサクラと同様に自らの記憶を対価として侑子さんは払ってもらったと言っていた。しかも支払ったのが四月一日!?
 確かに「xxxHOLiC」では四月一日が自分に記憶がないと知って愕然としていたっけ。13巻は6月で、今度はドラマCD付きで発売されるらしい……。この商法、いい加減にしてくれないかなぁ。

「そして本人は自分の過去も両親の名前も
 この対価を渡した事さえ忘れている。
 貴方と同じ願いの為に」

 22巻では四月一日が実はクロウ・リードだったりして……と思いつきを書いた。今もそうなんじゃないかなぁと思ってしまう。しかし両親の名前というのが引っかかる。この作品と「xxxHOLiC」の時間軸って同じだったっけ? 違っていたなら実は小狼の未来の息子だった、とかそんな想像もできてしまうなぁと思った(笑) 仮にクロウ・リードだと予想してみたら、小狼が四月一日を「お前」呼ばわりするかなぁと思ったんだよね。それだけのことなんだけど。早くこの謎も知りたいと思う反面、それが明かされると本当に終わってしまいそうになるんでちょっと嫌かもと思う自分もいて複雑(苦笑)

 サクラの居場所、飛王がいるのは切り取られた時間の中の玖楼国。しかもその止まった時間に行ける機会は一度しかないという。
 侑子さんがそれを知ったのは何話だったか背中に羽根が生えた女の子の話があったあの時だったとは……。魔力を持つ者が相手の居場所を知ると自分の居場所も知らせることになるという。店は来たるべき日のために作られたのは既に説明があったけど、その後の「そしてあたしもその日の為にここにいる」という言葉は初めてだったような。しかも意味深な台詞だ。それだと来たるべき日が来てしまったら、侑子さんも消えてしまうと考えてしまうではないか(汗)
 店を維持するだけでマルとモロがいっぱいいっぱいになってしまったのは、飛王に居場所を知られてしまって何らかの攻撃を受けていたからなんだろうか。店の存在が危うくなっているのは「xxxHOLiC」内で語られていたけど、その原因については触れられていたっけ? あちらは一度しか読んでないからちょっと思い出せない(汗)

 敵の本拠地に乗り込むということは、本当にもう終わりなんだなぁ……。次が早く読みたいと思う。

 他には、黒鋼の真名が格好良かったなぁと思った。鷹王だなんて。黒鋼にピッタリな名前だし、私の好きな名前でもあるな。父親の銀竜を何故彼が持たなかったのかと思っていたけど、それはこの時手にするためだったからなんだね。
 知世に必ず戻ってくると主従の誓いを結んでいた黒鋼は、だからこそ必ず生きて戻ってきれくれるだろうと安心できた。また、ファイももう命を投げ出すことなんてしないだろうね。ただ、小狼はちょっと心配かも。無茶しすぎだし。

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at 23:59, 真神恵, CLAMP

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シゴフミ 12話「シゴフミ」

JUGEMテーマ:アニメなんでも

 文歌、髪を切ったんだね。後ろはいいけど前髪は前の方が良かったなと思った。

 警察署の取調室で、文歌は野島刑事に虐待の事実を語り始めた。初めて虐待を受けたのは4歳の頃だった。「芸術の時間」と言ってキラメキが彼女をアトリエに初めて連れて行ったのが4歳の頃で、それから何度も虐待を行われ、事件の日も行われた。
 事情聴取は半月続いたらしい。そしてその間、夏香と要はいつも付き添ってくれていた。要は父親に頼まれたからと誤魔化していたけど、頼まれなくても付き添っていただろうに(笑)
 夏香も明るく文歌に声をかけるのかと思ったら、やる気がなさそうな表情をしていた。彼女は文歌が父親を告訴したことが不満らしい。……夏香は文歌が虐待されていたのをもう知っているはずだよね。それなのにそれが不満なんだろうか?

「お父さんのこと、自分でやらないと前に進めない」
「変わったね、文歌」
「変わらなくちゃ。……ううん、変わるの」

 変わるの。そう言った彼女は高校へ通いだした。……転入できたということは、彼女は高校レベルの学力はあったということかー。制服見ると、彼女は要と同じ学校に入ったらしいね。……もしかして夏香の通う高校って私立高で、こちらは公立高なのかな? そうでなかったら説明つかないものね。文歌にとって今一番信頼できる人間って夏香だから、彼女と同じ学校へ通いたいと思うはずなのでは? よりによって要の高校へ行ってしまうだなんて……。
 教室の前で「よろしくお願いします!」と礼をした文歌は、全く反応がないので視線を上げた。そしてクラスメイトが無表情に自分を見つめているのに恐れを抱いた。
 要のクラスでは文歌の写メールを受けた女子生徒が「美人じゃん!」と騒いでいた。それに気づいた要が「何だ?」と不思議そうにしていると、小竹が説明していた。美川キラメキの娘の写メールが学校中で回っているらしい。ネットにも餌食にされているようだった。彼女が虐待で告訴したことはもう皆に知れ渡っているようだった。……で? それを最初に広めたのって警察関係者? 学校関係者?

 クラスで文歌は一人だった。しかも彼女を写真に撮る者もいた。文歌がそれで止めろと怒鳴れたらまた違っていたかもしれないけど、彼女は何も言わないものね。だから周囲も止めないんだろうな。仮に彼女が強気に言えたとしても、今度は別の方向で何かしそうだ。この学校は。
 話を聞いて要は心配したんだろうね。廊下に出てきた文歌の声をかけていた。呼びかけられて脅えた表情をしていた文歌が、要の姿を見た途端にホッとしていたのが良かった。しかし声だけで気付かないんだなーと思った。
 久し振りに学校に来てどうかな、と照れながら聞く要に、文歌は「楽しいよ? やっぱり来て良かった」と返していた。……その後どうなったのか、画面が変わってしまったのが残念だ。しかし要は今学校内で何が起きているか知ったくせに、文歌の強がりを聞いて大丈夫なんだと安心して戻ってしまったのかもしれないなー。

 フミカが消えてカナカは別の配達人と組んでいたがミスばかりしているようだった。怒ってカナカを地面に突き刺した配達人は、福音局に申請して取り替えてもらうと立ち去った。何でも認証コードを間違えてパートナーを燃やしてしまったらしい。マトマはチアキが燃え尽きた感じだと言っていた。彼女はリサーラのところでフミカを承認させられそうな判例を探し出したのに、肝心のフミカが消えてしまったからだ。

 文歌はその後も葛西家に居候させてもらっているらしい。机の上には小学校の問題集とか中学校の数学問題集がおいてあって、復学後も遅れを取り戻そうとしていたのがよくわかる。しかし今文歌はぼんやりしていた。
 世の中は今、美川キラメキを娘が告訴したことニュースで盛り上がっているらしい。なるほど、マスコミがそうやって受けるネタだと情報を垂れ流していたのか。で、目もとを隠して文歌の写真をネットで公開していたから、学校の生徒はああやって写真を撮ってまわしていたということか。しかも通っているのが何度かネタを提供してくれたあの学校だったと。また周囲にはマスコミ関係者がたむろしているのかもしれないね。
 その中で、番組司会者は親を訴えるなんて辛い決断だったと同情的に言いながら、親を訴えることに批判的なコメンテーターをゲストに呼んでいた(苦笑) ……というか、親を告訴したことが辛いに主眼を置いているんだなと。虐待が理由だったことが辛いことだとは誰も言っていないんだね。
 しかもキラメキの写真提供があの出版社だったよ。つまり、告訴についてもあの事業部長の指示で流させて、本の売り上げ部数を伸ばそうとしたんだね。真実を知る者にとってはこれほど腹の立つことはないなぁ。

 要は勝手なコメントに苛立ち、夏香は皆で旅行したときの写真を見ていた。無表情だったりカナカに呆れていたり、そんな写真ばかりの中で、夏香と共に写っていた写真の一枚でフミカが笑っているものがあった。そのフミカは今はもういない。
 新聞には過熱報道に自粛要請が出たと大見出しで出ているものもあった。その他もこの告訴を扱ったものばかりだった。そしてマスコミは葛西家にキラメキの娘が居候していることを突き止めたのか、大勢が詰めかけていた。
 キラメキは雲隠れとその新聞の一つに書かれていたが、出版社がホテルに匿っていたらしい。そして事業部長は、バッシングと売り上げを秤にかけてキラメキをどうするか対応策を中だと春乃に伝えていた。事件で本の売り上げが伸びればいいが、批判の声が大きくなったから切り捨てるつもりなんだね。部屋にいるキラメキは春乃のおかげで少しはマシになっているだろうけど、今回のことをどう受け止めているんだろうか。

 要と夏香は文歌を待っていた。彼らは変わらず文歌と下校しているらしい。しかし夏香の心はもう文歌から離れているように見えた。フミカがいなくなってしまったからだろうね。彼らはもうフミカが文歌の中に戻ってしまったのだと思っていた。要は受け入れないと仕方がないと言っていたけど……。
 夏香はとうとう要に切り出した。好きになったのはミカの方ではないかと。驚く要にそれくらいわかる、と夏香は話していた。中にミカがいるから文歌に優しくしているのかと。関係ないだろと言った要に関係あると言った夏香は、要に告白していた。何もこのときに言わなくてもいいだろうに……。
 それを聞いていた文歌は、彼らに声をかけず帰ってしまった。文歌がどんどん一人ぼっちになっていく姿は可哀そうで見ていられない。要が自分に優しいのは自分の中にミカがいるからという夏香の話は相当ショックだったろうな。自分に優しくしてくれたわけじゃなかったんだと知って。
 家で夏香は尋ねていた。神社で銃声を聞いたことを。目を見開いた文歌は、気のせいかなと尋ねた夏香に気のせいだと答えてしまった。夏香は夏香で文歌が自分に嘘を吐いたのでショックを受けてしまったが、文歌もこれで自分の最後の味方を失ってしまって弱気になっていた。思わずミカの名前を呼んで、そして今度は自分でやるのだと挫けそうな自分の心を奮い立たせていた。
 葛西家の居間では夏香の両親が部屋の明かりを消して話していた。昼間にマスコミが詰めかけたのは、警察が夏香の父に依頼されて自粛要請が出したからだった。これから自粛要請をするからその前に、ということだったらしい。迷惑な! 詰めかけたって何も言うはずないだろうに。言わなかったら言わなかったで勝手なことを書きあげるんだろうなー。
 それはともかく、当然ながら夏香の母は夏香を心配していた。口には出さないけど、彼らの中ではもう文歌は厄介者としか思えなくなっているだろうな。最初、夏香が家に連れてきたときも、こんなに長い間預かるとは思ってなかったんだろうな。春乃がいたらまだ違っていたのかもしれないけど、今彼女は事業部長の命令でホテルに待機していてそれは無理だし。

 野島刑事と文歌は空港で母を待っていた。母子の感動の再会と思っていたら……。前回のラストで彼女に電話をかけた相手は野島刑事だった。キレイが映ったときにまたもやSE付きでキラキラした表現があった。夫婦そろってこれとは(苦笑)
 さすがあの人と私の子ね。文歌を綺麗になったと喜ぶキレイは、彼女にもっと綺麗になると言った。美しさは強さだから強くなりなさい。私の娘ならできるわよね。そう言ってキレイは去ろうとした(汗) じゃ、というワケで、ってどういうワケだ!!
 文歌にはもう母親しか頼る人間はいない。離婚して別の人生を歩んでいるといっても文歌の母親はキレイしかいない。だから彼女を引き取ってもらうつもりだったというのに、キレイは母親なんてゴメンだ、養育費は送るからと悪びれずに言い切った(汗)

「向いてないのよ。もともと母親なんて」
「だったら……」
「ん?」
「だったらどうして産んだの!? お父さんとの結婚だって!」
「う〜ん。一生に一度くらい女の喜びってのを味わってみたかったから」
「え……?」
「婚約指輪。結婚式。ハネムーン。出産か〜。
 結婚式はまたやってもいいけど、出産は違ったかなぁ」

 父親も父親なら母親も母親だ。いや、キラメキの方は娘に愛情を持っていたのは間違いいないので、キレイに比べたら遙かにマシだと思えた。虐待していたのもキレイに捨てられたためだろうし。それで彼女の憎んでいたなら、彼はまだ人間としての感情は正常なものを持っていたと言える。キレイが全ての元凶だったんだなぁ。
 キレイは、自分はまだ女でいたいと言っていた。自分が美しいのはキレイ自身も思っているんだろうなぁ。しかし人間は老いるものだ。歳老いても、昔は綺麗だったんだろうなぁと思える人はいるけど、このキレイはそうはならない。だって心が醜いから。奔放に生きて男が寄り付かなるときが必ず来る。そのときになって後悔しても遅いんだけどなぁ。娘を愛さない母親がその後幸せな人生を歩めるなんて到底思えないよ。

 完全に独りになってしまった文歌に野島刑事もかける言葉が見つからないようだった。文歌ちゃん、と刑事が呼んだ直後、携帯で写真を撮る音が聞こえた。そのシャッターを切る中には文歌以外を撮るものだってあったけど、文歌は周りの人間の全てが自分の写真を盗み取っているように聞こえてしまい走り去ってしまった。

 要は自室で夏香に電話をかけようとしていたんだろうか? いきなり言われてもわからないと困惑していたところへ、父から電話がかかってきた。行方がわからなくなってしまったが、そうそう行く場所があるとも思えない。自分は空港周辺を捜すと言った父に、要は心当たりを探してみると言って出かけた。

 出版社ではバッシングの声の方が大きくなったからと、キラメキを匿うのはもうやめると事業部長が言いだした。しかし春乃は本はどうなるのかと尋ねていた。キラメキは罪を犯したから償わなくてはならない。しかし作品には罪はない。編集長は犯罪者の本を出すつもりなのかと呆れたように春乃に聞くが、春乃は「はい」と即答していた。
 キラメキの本が売れたから儲けることができた。それで給料を貰ってきた自分たちだって同罪だ。春乃の言葉に編集長は驚いていた。彼女はともかく、あの事業部長までが春乃の説得に応じてくれるのか疑問だけど、少なくとも編集長の方は春乃が無能だという認識は改まったに違いない。

 最初は葛西家。しかし文歌は戻っていなかった。姉は会議中で母にも聞いたが行方は分からないと夏香は答えた。ここではないなら文歌の行く先はキラメキの家か。告白したのに文歌のことばかり考えている要に、夏香は彼を引きとめた。
 要が好きになったミカはもういない。今の文歌はフミの方だ。ミカを撃った子と仲良くなんてできない! 酷い目にあったって自業自得。そこまで言ってしまうとは……。夏香の言葉に何も返さず、要はもう行くと言って彼女に背を向けた。
 好きとか嫌いとかもうそういうんじゃないんだと要は言っていた。単純に放っておけないんだろうね。対して夏香。彼女にとって友だちはフミではなくミカだったとでも言うんだろうか?
 要が去った後、扉に頭をつけて要の言ったことがわからない、フミカはいないのにと呟く夏香の後ろに、いつのまに来たのはカナカが「いるよ!」と断言していた。三年間ずっと自分と一緒だったんだからフミカはいる。

「あたし、あれから考えたの。人間の病気のことはよくわからない。
 でも、フミカは一緒にいたんだ。あたしのパートナーだったんだ。
 いないなんて情けないこと言わないでよ。
 フミカはいるよ、絶対にいる!
 いなかったことになんかしないでよ!」

 スピーカーモードでカナカのその言葉はチアキも聞いていた。そして夏香とチアキの心はようやく晴れた。夏香は走りながら、覚えているに決まっている、自分はどっちのフミカも好きだったとキラメキの家へ走った。

 大嫌いな場所なのに……。結局、文歌が戻る場所はキラメキの家しかなかった。キラメキが出所して、春乃が彼と結婚したらいいのになと思ってしまった。春乃はキラメキにそういう意味での感情は持たないかもしれないだろうけど。ただ、文歌にとっては春乃みたいな人が傍にいてくれたらいいのになと思ってしまった。
 文歌は「結局……」と呟いて、フミカに渡された銃をこめかみにあてた。しかしそこへ扉の閉まる音が聞こえた。顔を上げると目の間にフミカが立っていた。文歌は来るなとフミカに叫んで後ずさった。

「ボクはフミちゃんの弱さ、甘えだから……」
「来るな! 来るなぁ!!」
「結局変わらないんだ。フミちゃんが自分で撃たないと」

 あの時、銃を構えたまま固まる文歌に近づいて、フミカは文歌の手の上から引き金を引いた。つまり夏香が聞いた銃声は、文歌が撃ったものではなく、フミカが自分で撃ったものだったんだ。

 せっかく一人でやろうと思ったのに、どうしてまた出てきたのか。文歌、今度はフミカに当たりだした(苦笑) 出てしまったんじゃなくて自分で出したんだろうに。

「フミちゃんがまた逃げようとしたから」
「嘘だ!」
「要や夏香から逃げた。お母さんのことからも逃げた。そして今」
「逃げてない! 逃げてないよ!」

 そう否定した文歌はフミカの頬を叩こうとした。しかし逆にフミカに殴られてしまった。倒れた文歌は殴られた頬を押さえてフミカを睨み上げた。

「外の世界の人は大人しく殴られてはくれない」
「わかってるよ、そんなこと!! ミカが悪いんじゃない!
 いつも私がやろうとすること横取りして!!」

 フミカに殴られた文歌は、最初に殴られたとき床に転がってチア銃を構えた。どうして自分の勇気が溜まるまで、自分が頑張るまで待ってくれないのか。そう叫んだ文歌はフミカに銃を放り投げた。そして消えたいなら自分ごと撃てばいいと言いだした。そんな風に言われるとは思っていなかったんだろう。フミカは初めて動揺していた。

「友だちが欲しかったのはミカの方じゃない! 嘘吐き! 嘘吐き!
 本当はミカだって生きていたいくせに! 消えたくないくせに!!」

 フミカは文歌に思いをぶつけた。自分も友だちが欲しかった。バスケもやりたかったし、家族も欲しかったし学校にも行きたかった。アルバイトだってしたかったと。呆気にとられていた文歌も同じく自分の言葉をぶつけた。
 押さえこんできた思いを互いにぶつけて、彼女たちは顔を近づけて睨みあった。そしてフミカは互いにぶつけたやりたかったこととはあり得た未来で、それはシゴフミも同じだと呟いた。本当なら出せなかった手紙なのだと。

「大事なことを言ってなかった。
 ボクは本当ならいなかった人格。
 だから消えなくちゃいけないと思っていたけど……。
 ボクを出してくれてありがとう」

 フミカが笑顔でそう言うと、文歌は声をあげて泣き出した。ミカなんか大っ嫌い! そう言って泣く文歌を見て、フミカまで泣き始めた。チアキがキラメキの家に到着したときには、要も夏香が先に来ていて、二人が泣いているのをずっと見ていたようだった。

チアキ「あれ? なに?」
 要 「さぁ?」
 夏香「二人いるね」
カナカ「いいじゃん。それで」
チアキ「ああ。そうだね」

 エンディングではこれまで出てきたキャラが全員出てきた。
 一番いいなと思ったのが文伽と美紅が出会ったところかな。文伽はその後も外に出かけても携帯ゲーム機で遊ぶだけだったけど、偶然拾ったボールで遊んでいたのが美紅たちだった。美紅は自分が姉に声をかけてもらって仲間入りできたというのもあって、文伽にも声をかけて一緒に遊ぼうと誘っていた。文伽が笑顔になったところで画面は切り替わったけど、ゲームをペンチに置いたまま遊んでしまって忘れて帰ってしまう、なんてことになるかもしれないなぁと思った。
 他には森下かな。最初は誰だったのか忘れていた。もっとも彼の場合は別に反省する必要はないと私は思うけどな。嬌声が必要なのはあの三人組なんだし。反撃を食らったら今度は女生徒を標的にしていた奴らは、その後も次々と誰かに危害を加えているんだろうなー。

 キラメキは、顔は出てこなかったのが残念だな。春乃が会いに言って出版された本に関して話をしていたんだけど、発売されてそれが好調だったということなのかな。紡がれた言葉に罪はないと言った春乃の言葉通り、キラメキが罪を犯したものであっても買う人は買うんだろう。興味本位で買った人もいるかもしれないけど、読んでその中身を知って作品はいいと言う人が出てきたかもしれない。
 塔子は告白してその男の子と付き合っているようだ。夏香に二人で送った写真を携帯に送っていた。要と夏香がどうなったのかはわからないけど、三人で下校するのは変わっていないようだね。

「変わってなんかやらないから。
 絶対に、ミカを私の中になんて入れてあげない」

 フミカとすれ違った後に強気な表情では文伽はそう言っていた。チアキの尽力でフミカは配達人を続けられるようになったようだね。でも、本体の文歌は生きているので彼女が成長を続けるのは変わってないのかな。……というか、要と夏香は文歌を待っていたんではないのか?

 6話が放送されなかったのは本当に残念でならないけど、1話を見るまではこの作品がこんなに面白いものになるとは思ってなかったなぁ。フミカに関しては決着はついたけど、いくらでも続けられそうだなぁと思った。
 12話かと思っていたけど、DVDには映像特典でもう1話あるというのが残念。2話ずつ収録で高かったので、そんなものは買えるかと購入は早くから断念していたっけ。でも、後年にボックスになって出たら考えるかもしれない。もちろん、ぼったくり的な値段ではないと思える価格だったら、だけど(苦笑)

at 23:59, 真神恵, 漫画・アニメ

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鋼の錬金術師 19巻 感想

JUGEMテーマ:ガンガン

 セリムがホムンクルスだったとは本当に前は驚かされた。しかも一番容赦なさそうだし。

 雑誌は読んでいないので、表紙に描かれている人物が誰なのかわからなかったなぁ。そしてエルリック兄弟の父親が只者ではないとはわかっていたけど、そこまでだったとは思ってもいなかった。おまけにシン国に錬金術を伝えた人物でもあったと。この謎は既にわかっていたことだったっけ?? ……自分でも思うけどいろんなことを忘れ過ぎているなぁ(汗) だからシリーズものの小説は完結するまで読まないことにしているけど、漫画でもそうしないといけなくなっているような気がする。読み返したらいいんだろうけど、しない理由はもちろんいつもと同じ。
 エドは賢者の石を、石のサイズしか見たことがないと言った後に大きなものだったら多数の人間を犠牲にしているから見たくないと言っていた。彼がその台詞を言ったときに描かれていたのがホーエンハイムだったので、彼が自分の父親の正体を知ったときにどうするんだろうかと思った。
 アニメは地下にいるのがホーエンハイムだったということにしていたんだっけ? 原作はまったく違っていたんだねー。表紙に描かれていたフラスコの中にいたものが身体を得た姿で、セリムは一番最初に切り離された存在だったと。何もかも知っているホーエンハイムだからこそわかったことだったんだね。
 現時点で一番頼りにできるのがホーエンハイムだろうけど、すぐに死んでしまいそうで心配だな。ホムンクルスに血を与えてしまったことで彼は人生どころが人間ですらなくなってしまった。しかもそれ、自分の意思でもなかったんだしね(汗) それでもトリシャと結婚してエドとアルという息子を得て幸せだったろうけど。あれ? でも子を成せたってことはちゃんと人間なのか?

 今回もまた少将がとても格好良かった! ブラッドレイがレイブン少将の話を始めたとき、本気で「誰だったっけ?」と思った(笑) そして会話の内容から少将が誰かを倒していたなぁと。少将の格好よさしか目が行ってなかったから、相手がどんな顔だったのかも名前だったのかも全く覚えてなかったよ。私はリアルでも名前を覚えない人間なので、漫画のキャラを覚えるはずがない(苦笑)
 しかし彼女は大佐のことがどうやら嫌いらしいね。あの会話に笑った。その後での中尉と大佐の会話で、あれだけの合図でどうやったらセリムのことを知らせられるんだろうかと思った。世間話も意味のあるものだったし。

 エドとアルが同時に倒れたときは本当にビックリした。エドの場合、後でキンブリーが持っていた賢者の石が見つかったから、あれで何とかなるんだろうね。しかしアルの場合は……。
 主人公は死なないとは思うけど、この作品もご都合的な展開ではなさそうなので、もっとたいへんな目に遭うんじゃないかとヒヤヒヤする。しかしその反面ギャグも笑えるからすごいなと思う。今回はシリアス面が多かったけど、メイがアルに錬丹術に教えていたシーンは和んだ。

 あとは、ホーエンハイムとイズミが出会ったことで、彼女の寿命が延びたのではないかというのが嬉しい。彼女は旅行中にホーエンハイムと会ったけど、家には軍の人間が呼び出しに来ていたからねぇ。ホーエンハイムが軍部の接触を尋ねたら、イズミが国家錬金術師の話を断ったと言ったから、良かったと彼は言っていたけど、彼女が戻ったときに連れ去られそうで心配でもあるな。
 ただ、まぁ、ホーエンハイムがホムンクルスの弱点を知っているから、エドたちと連携とかそんな風になってくれたらいいなと思うんだけど……。そうはならないのかもしれないね。しかし、自分たちの身体を元通りにするという目的で兄弟は旅をしているけど、物語としてはエドが父親を受け入れるというか素直になるというか、そういうことも描かれるんだろうなと思っているので、その日が来るのを楽しみにしておこうかな。しかし、そういう場合って父親ってのは死ぬってのが定石なんだけども(汗)

 本当に、ラストまであと少しなんだろうなという展開に、次の巻が待ち遠しい。

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at 23:59, 真神恵, 鋼の錬金術師

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CLANNAD 22話「影二つ」

JUGEMテーマ:CLANNAD

 最初の頃は全24話と聞いていたのになぁ。22話が最終話で、あと一話が特別編だって? 何で減ってしまったんだろうか。

 朝になると、まるで渚の心を表しているかのような曇り空だった(汗) 振り返った朋也が見た渚の表情は落ち込んだままだった。今は何も考えるなと言われてもそりゃ渚だもの、それは無理だろう。朋也が古河家に来た翌日の朝、渚は行ってきますの挨拶を早苗と秋生に言うよう促していたが、このときの渚は朋也に挨拶しないでいいのかと言われても無表情のままだった。
 早苗が中学教師をしていたのは聞いていたが、秋生が役者をやっていたのは知らなかった。途中から渚はそう話し始めた。学生の頃から秋生は有名だったらしい。コンクールで優勝もしたことがあるとか。

「写真の中の二人はとても幸せそうでした。
 二人は夢を叶えていたんですから」
「渚」
「そして、それはずっと続くはずだったんです。
 私さえ、いなければ……」
「そりゃ違う! それに、あの二人は今だって幸せの筈だ」
「夢は諦めてしまいました。違いますか?」
「っ!」
「そして今私は、二人の夢を犠牲にして、
 自分の夢だけ叶えようとしているんです。
 ……私は酷い子どもです。恩知らずです。
 岡崎さんにもそうです。自分の夢を叶えるために、
 皆さんの時間をたくさん使わせてしまっています。
「俺たちは好きでやってるんだ。今お前が挫けちまったら
 俺たちのしてきたことが無駄になっちまう。
 皆でここまでやってきたんだ。頑張ろうぜ!」

 マイナス思考に覆われてしまった渚でも、そう言われてしまったら止めるなんて言えないよね。それでもあの元気の無さは見ていて痛々しいなぁ。渚の罪悪感を払拭させるにはどうすればいいんだろう。
 朋也の言う通り、早苗と秋生は今でも幸せなのは明らかだ。渚が素直ないい子に育ったのがその証拠だもの。仮に二人が自分の夢を諦めてしまったことを娘のためにと自分に言い聞かせてきたなら、その無理はいつか娘のせいでという気持ちに変わっていたのは確実だもの。でも、仮にそう言われても、それが真実であったとしても他人の言葉に渚が納得するかどうか……。となると、やはり秋生と早苗が渚が自分を責めるようなことなんてないと言ってあげないといけないんだね。
 というか、教職だったら復帰しようと思えばできるから、そこまで自分を追い詰めることもないと思うんだけどなぁ。秋生の場合はどうとは言えないけど(汗)

 演劇部の順番は午後かららしい。しかし皆どうして部室で待機しているんだろう? せっかくの学園祭なのに……と思っていた。渚の様子がおかしいことに皆気づいているんだろうか? 朋也にお前は今まで通りにしてくれと言われた春原が、緊張しているんだろうと思って渚に落ち着く方法を教えていた。手に人という字を三回書いて飲み込めばいいと。しかし、彼が書いていた文字は「入」だったようで、後ろから覗き込んでいたことみや杏から突っ込まれていた。
 普段ならそれで笑っていた渚も、そんな気分になれないらしく、すぐに落ち込んだ顔に戻っていた。時間までは自由行動ということで、渚と朋也は二人で学園祭を回っていた。登校時に朋也が言った言葉を繰り返して、自分のせいで舞台を駄目にしてはいけないと笑顔を作ったけど、朋也と一緒であってさえ渚に笑顔は戻らなかった。やはり家族の言葉でないと駄目なんだね。おまけに途中ではぐれてしまうし(汗)

 渚を探す朋也は、途中で早苗を見つけた。秋生は来ていないらしい。朋也が見に来てくれるからなぁと漏らすと、早苗は「渚の晴れ舞台を見逃す筈がないです!」と早苗は太鼓判を押していた。普段だったらそうだけど、過去を知られたのを知ってしまったからねぇ。来ないんじゃないかと朋也が心配するのも当然だ。それを知った後の秋生の顔を見るとなおさら。
 渚も朋也を探していて、資料室の前に来ていた。少し躊躇した後中へ入った渚は、朋也から聞いたと言って高校演劇の資料が見たいと宮沢に頼んでいた。彼女は単にお芝居の参考にするんだと思ったから止めるはずもない。しかし資料の前でぼうっと立っている渚に何か感じたのだろう。資料は自由に見てくれたらいいと言って資料室から出てしまった。
 そして宮沢を見かけた朋也は、彼女から渚が高校演劇の資料を見ていると聞いて顔色を変えていた。

 資料室に駆け付けたとき、渚はビデオを無表情に見ていた。傍に近寄った朋也は、彼女が見ているのが秋生の舞台だと気づいた。高校時代、秋生が演じた舞台のビデオが残っていたのだ。演劇コンクールで優勝したから、その時のものなんだろうと渚はポツリと言っていた。

「俺は芝居が、好きだぁーーーっ!!
 俺はこれからも一生舞台に立ち続ける!
 必ずプロの役者になることを、
 この場を借りて誓わせていただきますっ!!」

 渚と同じ高校三年生のときに演劇コンクールで優勝し、そのときのコメントで無邪気に叫ぶ言葉が、未来で自分を責めているのだと娘に思わせるだなんて誰も思う筈もない。
 その後も続きそうな秋生のコメントは、しかしプツリと途切れた。朋也が電源を落としたからだった。そして朋也は「お前はお前だ。今お前にできることをするしかない」と渚を奮い立たせようとしていた。しかし、渚の反応はやはり変わらなかった。

 いよいよ演劇部の順番が回ってきた。しかし幕が上がっても渚は俯いただけだった。最初の数秒なら、それが演出だと思ってもらえる。しかし一向に台詞を言わない渚に春原も椋も杏も渚の様子がおかしいことに気づいた。そして早苗も。
 客席では緊張しているのではという声がし、見守っている智代も心配そうな顔をしていた。ことみも椋も上がっているのではと心配し、杏が一旦幕を下ろすかと提案していた。少し考えたが、朋也は「あいつなら絶対大丈夫だ」と答えていた。
 しかし、渚は舞台にたっていても頭の中にはかつての両親の写真や先ほど見たビデオがグルグルと頭の中を巡り、耐えきれずに涙を零し、遂には顔を覆って泣き出した。幕を下ろそうと春原も言うが、朋也はどうしてもそのボタンがどうしても押せなかった。

「夢を叶えろ! 渚ぁーーー!!」

 そこへようやく駆け付けた秋生が舞台に向かって叫んだ。

「渚っ! バカかお前ェは!!
 子どもの夢は親の夢なんだよ。お前が叶えればいいんだ!
 俺たちは、お前が夢を叶えるのを夢見てんだよ!!
 俺たちは夢を諦めたんじゃねェ!
 自分たちの夢をお前の夢にしたんだ!
 親ってのはそういうもんなんだよっ!
 家族ってのはそういうもんなんだよっ!!
 だから、あの日からずっと……!
 パン焼きながらずっと……!
 俺たちはそれを待ち焦がれて生きてきたんだよっ!!
 ここでお前ェが挫けたら、俺たちゃは落ち込むぞ、てめぇっ!!
 責任重大だぞ、てめぇっ!!
 早苗、お前もいるんだろ? お前も言ってやれ!」
「渚っ、頑張れぇー!」

 さっすが元役者という役どころだね。というかこのシーンでは大泣きだ〜〜。事情を知らない杏たちが戸惑っていると、朋也もブースから舞台袖に下りて叫んだ。

「俺たちもだぞ、渚!!
 俺や春原ができなかったことを、今お前が叶えようとしてくれてるんだ!
 俺たちの挫折した思いも、今お前が背負ってるんだよっ!!」

 自分が愛している人たちの心からの叫びを聞いて、渚は視線を朋也からブースから自分を心配そうに見ている仲間を、そして笑顔で応援してくれる母を、最後に自分を叱りつけてくれた父を見た。そうして涙を拭いた渚は深呼吸した。
 両親の言葉が必要だと思ってたけど、両親だけでも駄目だったんだ……。そこに朋也もいなくちゃいけなかったんだね。というかもう古河家は4人の家族になっていたんだね。

 そして、渚の舞台が始まった。一つ不満を言うのなら、渚の声が普段と同じで台詞を言っているというより呟いているとしか思えなかったことかなぁ。ま、演劇初心者の渚に舞台用の声を出して言えと言っても無茶な話だったのかなぁ。
 渚の舞台は女の子の視点で演じられていた。「ぼく」が宿る前に人形を作った女の子はそんな風に考えていたんだね。となると、「ぼく」視点で今まで描かれてきたのは朋也視点ということになるんだろうか?

 渚の舞台から、終わった世界の話が再び挿入された。前回「ぼく」に頼まれてガラクタを集めた人形を作ったが、それには何も宿らなかった。その子を土に埋めているシーンから始まっていた。
 こちらは「ぼく」視点で始まり、「ぼく」は女の子のいるこの世界にずっといようと決心していた。彼女の傍にずっといて、そしてこの世界から出ていくんだと言っていた。

 演じ終えた渚の顔には明るさが戻っていた。夕方になって、いつもお昼を食べていた場所で渚は続きを思い出したと朋也に話していた。女の子と人形はその世界を出ていくことにしたんだと。人形はもっと遠くに温かくて賑やかな世界を知っていたから。それは先ほど挿入されて「ぼく」が決意したことだね。
 それでどうなるんだという朋也の質問に、長い長い旅をして、その先で女の子が歌を歌いますと渚は答えていた。……朋也、そんなに興味があったのか? 自分も聞いたようなと言っていたあの話はどこに行ってしまったんだ?
 舞台の最後で渚は歌を歌いたいと言っていた。それは渚のやりたいことだったけど、話の通りだったとも言えたんだね。しかし渚はその歌を「だんご大家族」にしていたらしい(笑) 皆拍手をしてくれたが、最後は微妙な雰囲気だったとか。朋也曰く「それまでの感動が台無し」だそうで……。
 朋也は渚の劇を最高だったとコメントしていた。朋也はお世辞を言わない。それを知っている渚は「素直に喜びます」と幸せそうにほほ笑んだ。

 そこへ朋也の父が現れた。渚が彼に招待状を送ったらしい。現れた途端に顔を伏せる朋也を見て、こっちの問題はまだまだなんだろうなぁと思った。朋也の父は、渚のお芝居をいいお話だったねと感想を言った後で、昔のことをいろいろと思い出したと言って顔を背けたままの息子を見ていた。
 少し見つめた後で、父は渚に挨拶して立ち去ろうとした。その後ろ姿に朋也は「あまり飲み過ぎるなよ」と小さく声をかけた。父は驚いた後、嬉しそうな顔をして帰っていった。朋也も今はこれが精一杯なんだね。でも、距離を置いた成果が少しはあったということだ。

 心配する渚に、朋也は明日話もあるから二人で出掛けようと提案していた。そこへ今度は杏が彼らを見つけて声をかけた。打ち上げをしようにも主役と演出がいたら始められないと怒ってた(笑) その後のフォークダンスで春原が妹と踊って不満そうな顔をしていたのには笑えたなー。

 そう言えば、朋也と渚が二人きりで出掛けるなんて今まであったっけ? そして夕方、演劇部の部室に入ると、朋也はこのごろこの学校が嫌いじゃなくなってきたと話し出した。そういや渚と出会う前ってそんなことを言っていたっけ。渚と会って、演劇部の復活に力を貸して、それが自分の夢を渚に託すまでになって……凄い進歩だなぁ。
 笑顔でそれは良かったですと言った渚は、朋也の後ろを見て驚いていた。黒板の日直の文字の下に自分の名前が書いてあったからだった。朋也は渚が休みのときに書いたのを忘れていたと教えていた。渚は気付かなかったと言っていたけど、彼女だけでなく杏たちも全く気付いてなかったんだね(笑)
 少し考えた渚は、その右側に朋也の名前を書いて「お返しです!」とニッコリ笑った。天然というのは怖いなぁ。赤くなった朋也は、話を切り出した。どんな話なのか予想もしていない渚は朋也が話してくれるのを待っていた。しかし、遠回しに言っても渚が気づく筈もなかった。それは朋也も解っていた筈なのに照れくさいんだねぇ。覚悟を決めた朋也は渚に向き直って自分の想いを正直に告げた。

「俺と付き合ってくれ、渚。お前のことが好きだ。
 だから、これからもずっと俺と一緒にいてほしい」

 告白された渚は驚き、そして涙を流しながら朋也に微笑んだ。

 うん、いいラストだった。しかし、ここで終わりなのかとも思った私は欲張りだろうか? それから、感動したその後に流れたEDが「だんご大家族」なので、これは狙っていたのかと思った(笑)



 以下、日記。
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at 23:59, 真神恵, CLANNAD

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機動戦士ガンダムОО 24話「終わりなき詩」

JUGEMテーマ:ガンダムOO

 冒頭から涙だよ……。しかもロックオンの姿が出るたびに。

 なぁんて前回の感傷に浸っていて……今回もやられた。

 前回のラスト刹那の雄叫びで終わっていた。しかしその前に彼はロックオンと出会ったときのこととか、これまでのことを思い出していたんだね。その上でのあの叫びだったんっだ……。刹那、ソレスタルビーイング(CB)に入ったのは2年前だったんだ……。では他の3人はどうなのかと気になる。ティエリアは生まれたときからMS操縦の訓練を受けていたかもしれないだろうけど。ロックオンとアレルヤの腕も刹那より上で、だから彼は訓練経験も短かったから腕が未熟なのも当然だったのだと。14歳でCBに入るまで、彼はどう生きてきたんだろう。
 アレルヤは、スメラギが刹那を紹介すると「まだ若い」と言い出した。そう言うアレルヤだって17歳じゃないかと私は思った(笑) ティエリアの「信じられない……」という台詞にも笑いそうになった。ヴェーダが刹那を選んだとしてもティエリアは不満なんだ。多分、刹那はティエリアより若いからなのかなぁと思ってしまった。
 そして……最初の涙腺の緩み(苦笑) それと14歳の刹那は本当に顔が幼いなぁ……と思った。毎回OPを飛ばさずに見る作品が最近多いなと思った。

 留美も宇宙に上がっていたんだ。国連軍とCBとの開戦を知ったけど、アレハンドロと直接会って話している彼女の身も危ないんじゃないだろうか(汗) どちらが勝つのだろうかと呟いていた留美は、国連軍が勝ったらどう思うのだろうか。

 トレミーではティエリアが刹那を責めていた。「地球に降りたばかりに戦力が分断された」と。……そもそもこれはロックオンを死なせるために地球降下エピソードが入ったようなものだからなぁ。まず死ありきなのでどうあっても彼の死は避けられないものだったのだろうね。
 そしてこれが八つ当たりだと理解してくれる人はもういないんだよね……。しかし、刹那の表情を見ると、彼もティエリアがやり場のない怒りを自分にぶつけているのだと解っているようにも見える。更に言えば、刹那こそ間に合わなかった自分を責めているんじゃないかと。ティエリアの表情があまりにも悲痛だから、自分と同じ気持ちだからあえて受け皿になっている、ようにも見える。……って、彼はそこまで達観はしていないか。
 そこへやってきたスメラギがティエリアの頬を叩いたことに関心してしまった(笑) 実は一番心が強くなったのが彼女なのかもしれない。お酒を飲むシーンが今のところないし。「泣きごとを言う暇があったら手伝って!」というスメラギはちょっと格好良かった。ビリーと会うシーンをもう一度見たいので、彼女にはぜひ生き残ってもらいたいと思う。
 スメラギはティエリアを叱っていたが、フェルトには何も言ってないんだなぁ。前回も書いたけど、彼女の泣く姿は胸が締め付けられるので見たくない……。一緒に泣いてしまうし。また、彼女に抱きしめられていたハロが「フェルト、ゴメン。フェルト、ゴメン」と謝るものだからこちらも涙が堪え切れない! 本当にサポートメカなのかと言いたくなるくらいに人間の感情に適格な反応というか敏感というか……。

 27機中、帰還したのは12機。コーラサワーが戻ってきたときに、カティがそれまで指揮官として厳しい表情をしていたのに、ふっと和らいでいた。しかも「バカ者が」とい言葉には無事を喜んでいる気持ちがこもっていた。これはひょっとするとひょっとするかもしれないね。
 セルゲイもカティも撤退という一致した意見であるのに対し、司令部は増援を送るので到着次第第二次攻撃をするよう命令が来ていたらしい。アレハンドロは国連軍の勝利は必須だと言っていたものね。例えジンクスが全滅していたとしても、その増援で何とかなればいいと思っているんだろう。

「私は完全体の超兵。出来損ないの、被験体E-57に負けるわけにはいかない!」

 パイロットの控え室で、ソーマのモノローグを聞いてサクッとやられて反省しろっ!と真っ先に思った。傲慢にしか聞こえなかったな。逆に言えば、ソーマには完全体であることしか自分に価値を見いだせないんだろうね。これはまだまだセルゲイに人間としての教育をしてもらう必要があるね。ジンクスに乗っていてもダメージを負わされていたというのに、しかもセルゲイのサポートがあるから生き延びてこられたというのに、被験体であるという理由で「出来損ない」なんてよくもい言えたものだ。今回の彼女のこの台詞には本当に何さまだと思った。

 8時間かかるところを6時間に短縮して、キュリオスは飛行ユニットを取り外し、ヴァーチェではなく専用武器を用意してナドレで出撃か……。溜息をついたスメラギは、現戦力で期待できるのは強襲用コンテナとエクシア、GNアームズで、トランザムには制限時間があると困窮していた。そこへティエリアが通信を入れてきて、次の作戦プランを提示するよう要求してきた。息を飲んだスメラギが戦おうというのと返すと「もちろんです」とティエリアは即答した。

ティエリア「敵の擬似GNドライブ搭載型を殲滅させれば、世界に対して
      我々の力を誇示することができ、計画を継続できる」
 スメラギ「リスクが大きすぎるわ。敵の援軍が来る可能性も……」
ティエリア「わかっています。ですが、これはだけの気持ちではありません。
      マイスターの総意です」
 スメラギ「! アレルヤと、刹那も……」
ティエリア「頼みます」
 スメラギ「生き残る、覚悟……」

 ティエリアの一人称が「」だった。CB内では自分を偽るのを止めたのか、それともロックオンを失った悲しみで取り繕っている余裕などなくなってしまったのか。前者であってほしいんだけど……。

 刹那は自室でデュナメスの戦闘記録を見ていた。そしてロックオンを殺したのがアリーであることを知った。そして刹那は、自分の家族のこと、KPSAに所属していた自分に「家族の仇を討たせろ、恨みを晴らさせろ!」と銃を突きつけたロックオンを思い出した。

「命を投げ出して、仇を討ったのか……ロックオン」

 次に刹那は年上の少年兵に「死ぬのが怖いのか!? それは神を冒涜する行為だぞ」と怒鳴られた幼い頃の記憶を思い出していた。

「……死の果てに、神はいない!」

 そして「CBは、俺たちは、存在することに意義があるんじゃねェかってな」と言ったラッセの台詞を目を瞑って反芻した後に、何かに気づいたかのように目を見開いた。

「存在すること。それは生きること。
 亡くなった者たちの思いを背負い、世界と向き合う。
 神ではなく、俺が、俺の意思で!」

 刹那、立派になって……。この台詞を聞いた瞬間にそう思った(笑) 彼はこの世に神はいないと気づいたが、それより先がなかった。しかし、ここでようやく自分がどう進むべきかに気づいたようだった。その思いを胸にどう動いてくれるんだろうね。

 カティとセルゲイの息はぴったりだなぁ。そこへ接近する機影ありという報告が入ってきた。モニターに映ったそれに、最後の最後でそんなものを出すのかと驚いた。あっ気に取られたと言った方が正しいのかもしれない(苦笑) これもCBから接収したのかと呟いたセルゲイの表情は苦々しい様子だった。

 トレミーのブリッジではフェルトが手紙を書いていた。両親とロックオンに、「私は、生き残るから。当分会えないから、ごめんなさい」と書いていたらしい。以前に慰めてもらったときも、ロックオンに生き残ろうと約束していたんだっけ。ロックオンは死んでしまったけど、フェルトはあの時の約束を守る続けることを改めて誓ったんだね。
 そこからクリスティナとリヒテンダールが家族のことを話していた。今まで話さなかったのは守秘義務があったから。クリスティナの言った通り「今さら」だなと思う。見ていて仲間というかもう家族みたいなものなんじゃないかなと思ったもの。またここで沙慈とルイスの別れの場面で流れた挿入歌が聞こえたのがいい。……そういや彼らの出番ってもう一期ではないのか? 沙慈、あんな暗いまま一期は終わりなの!?
 機体の整備が終わったのか、アレルヤとティエリアが話をしていた。ここでもティエリアの「私」が出た。「私」というのが本当のティエリアで、自分を偽るのを止めたで正解でいいのかなー。

ティエリア「それでもやるさ! 私は、ロックオンの仇を討たなければならない!」
 アレルヤ「あまり、熱くならない方がいい」
ティエリア「そうはいかない」

 トライアルシステムもない、粒子貯蔵量も少ないナドレでは不利だとアレルヤは言いかけたのか……。しかしティエリアは強い口調で言い切った。う〜ん、何だかロックオンと同じ末路を辿りそうで不安だなぁ。ロックオンはそんなこと望んではいないのに。
 刹那はハロを抱いてデュナメスの前にいた。そこへフェルトがやってきて、コックピットの中にロックオン宛ての手紙を置いていた。そしてここで突っ込んだ。

何で日本語なの!?

 シリアスなシーンなのにギャグしたいのかと思った。フェルトって日本人だったのか?? 作画ミスとしか思えないんだけど。せっかくいいシーンなのにぶち壊しだよ。

 そこへ敵が現れた。数は13機。その中に大きいのがいる。焦るクリスティナがモニターに映像を出したそれは、金ピカのMAだった。何で金ピカなんだ? 大きさとかMAというより金ピカなことに驚いた(笑) リヒテンダールが戦闘艦なのかと言うと、スメラギはMAだと言っていた。見たことがあったんだろうか?
 それにしても擬似太陽炉が7基もあるよ(汗) ……えーっ!? パイロットはアレハンドロだって!? 見た瞬間、操縦できたのかと思った。あー……でも彼はこの日を夢見て密かに特訓していたのかもしれないねー。
 そして、とうとうトレミーが敵の攻撃で損傷してしまった(汗) 二発目は回避できたのでホッとした。強襲コンテナはMAを攻撃、トレミーは近くの衛星の影に移動させ、キュリオスとナドレはトレミーの防御。
 セルゲイが言った「アルバトーレ」というのがMAの名称なんだね。11対2でどこまで行けるのだろう。ここから先はもうハラハラしっぱなしだった。

 ハレルヤが俺は死にたくないんでなと言って表に出ていた。アレルヤ、いつも詰めが甘いものね。ソーマがアレルヤをナンバーで呼ぶと「はいな〜」と言って銃を構えていたのがいいね。しかしそのまま撃墜できなかったのが残念。ま、完全体云々と言っていたけど、あんな致命的な隙を敵に見せてしまってはね(苦笑) セルゲイが守ってくれて良かったね〜。
 データがないから、MAに擬似太陽炉が7基あると知らないんだ……。攻撃が全然効いてないよ。おまけにトレミーを狙って発射された粒子ビームに、キュリオスが損傷してしまった(汗) これさえなかったらハレルヤは余裕だったのに……。それにしてもアレハンドロ……ジンクスもいるというのになんて攻撃の仕方だ。
 トレミーに直撃し、メディカルルームの影も形もなくなってしまった。出てきたばかりだというのにモレノさん死んじゃった。仮にロックオンが治療していたとしても、結局死ぬことに変わりはなかったんだなぁ……。おまけにGNフィールドが使えなくなってしまった。スメラギは迎撃のために強襲コンテナへ移動していた。
 ナドレはトランザムシステムを起動し、ジンクスを次々と撃破していった。しかし再びMAのビームが襲ってきてナドレも損傷……。咄嗟に回避して直撃は免れたものの、その直後からジンクスの攻撃に晒されることに。

まだだ……。まだ、死ねるかっ!
 計画のためにも……そして、ロックオンのためにも!!


 ティエリアごめん! 前回の感想で戦えなくなるかもと書いてしまったけど、全然そんなことなかったね。それどころか、ロックオンのためにも死ねるかと思ってくれていたのがとてもとても嬉しい。ヴェーダ第一だったティエリアが、計画だけでなく彼のことを大事に思っているのがよく伝わるシーンだった。
 ティエリアによくやったと思う反面。コーラサワーの死も残念に思った。しかも自分がやられた自覚もなく死んでしまうとは。威勢のいいことばかり言っていたのは、自分が今までどんな状況であっても生き残れたからなのかもしれない。ギャグキャラ要員だったからと言って、ロックオンさえ死んでしまう作品だもの。生き残るのは簡単ではなかったんだよ。だとしたら、ソーマ……というよりセルゲイも危険だな。
 しかし大破してしまったナドレでこの後どうするんだろう。

 まだ生きていたのかというセルゲイのモニターには奮戦しているトレミーの姿が映し出されていた。しかし強襲用コンテナからの攻撃はジンクスになかなか当たらない。彼らは非戦闘員だものね。
 ブリッジではクリスティナがデュナメスの太陽炉に不具合があると嘘をついてフェルトをブリッジから退出させた。「フェルトにもう叱られたくないもの!」と生き延びる覚悟のクリスティナのこの言葉は、以前私が苛立った、彼女が戦闘中にパニックになってしまったことだろうね。しかし、被弾したジンクスがブリッジを攻撃してしまった。
 リヒテンダールがクリスティナを咄嗟に庇おうとしていたけど……あれじゃあ二人とも蒸発してしまっただろうなと思った。そのジンクスが死角に行くのを阻止するために、強襲用コンテナをトレミーから切り離したのに、スメラギとイアンと、切り離す直前に状況を尋ねるためにコンテナにやってきてそのまま乗り込んだフェルトは、ブリッジが爆破するのを目の当たりにしてしまった。

 クリスティナを庇ったリヒテンダールの身体は……右側が生身ではなかった。両親は太陽光発電紛争に巻き込まれて死んだと言っていたけど、彼はそのとき身体の半分を失っていたんだね……。フェルトは「皆、いろいろあるんだ」と全員が自身の過去を打ち明けたときに言ってた通り、彼は単に親を失っただけではなかったんだね。こんな身体になってまで生きてきたのは世界を変えるためだったんだ。
 喋るたたびに皆の顰蹙を買っていて、惚れているクリスティナに見向きもされなかったリヒテンダール。最後の最後でいいところを見せてくれたね。

「リヒティ……。バカねぇあたし。
 すぐ近くにこんないい男、いるじゃない……」
「……ホントっすよ」
「見る目ないね、あたし」
「……ほん……と」

 最後に想いが通じて、好きな人に抱きしめられて死ねたのがせめてもの救いだったのかもしれない。そしてクリスティナは助かったようだから、早く合流してと思っていたら……。

「リヒティ応答して! クリス!!」
「スメラギ……さん?」
「クリス! 無事だったのね!? リヒティは!?」
「………………」

 ようやく通信が繋がりスメラギは安否を確認するものの、クリスティナの無言の回答に三人はリヒテンダールの死を知った。

「フェルト……いる?」
「います!」
「もうちょっと……お洒落に、気を遣ってね……」
「そんなこと……」

 戻ってから言えばいいことをわざわざ言うということは、クリスティナも助からないということ(泣) 背中に刺さった大きな破片が致命傷を与えていた。

「ロックオンの分まで……生きてね……」

 フェルトは、お洒落のことを言い出したときは、その意味するところに気づいてなくて戻って言えばいいと思っていたんだろう。しかし、その次のクリスティナの言葉でそれが遺言であることに気付いて涙を流し始めた。そして吐血するクリスティナの声が聞こえた。

「お願い……世界を……変えて……! お願い……!」

 そして二人がいた場所が爆発した。スメラギとイアンがそれぞれクリスティナとリヒテンダールの名を叫び、爆発に声もなく喘いでいたフェルトは、二人よりも遅れてクリスティナの名を絶叫した。

 MAへの攻撃は全く効かなかった。ならば懐に飛び込み直接攻撃をしかけると突撃したものの、先端が突入したところで中からアームが出てきて先端を掴んできた。アレハンドロはここで高笑いをした後で名乗っていた(笑) つまり、自分が勝つと信じて疑っていないということだろうね。ラッセと刹那はコンテナからドッキングを解除して脱出した。

「エクシア、刹那・F・セイエイ、目標を駆逐する!」

 自分の意思で世界と向き合うと言っていたからだろうか。エクシアの次に自分の名前を入れていた。つまり、俺がガンダム、ガンダム=自分ではなくて、ガンダムに乗っている自分という認識にようやくなれたということかなー。
 次回はアレハンドロを倒して一期のラストを迎えるのかもしれないね。もうこれ以上誰も死なないでほしいと思うけど、この作品は何が起こるかわからないからなぁ……。

 アレハンドロについて言えば、名乗ってしまったんだし、その時点でもう死は確定なんじゃないだろうか。それと、彼が出てきたときは必ずと言っていいほどリボンズが傍にいたよね。それが今回全く出番がなかった。なぁんか、リボンズが何かしそう〜。アレハンドロの元にいたのは、リボンズはリボンズの野望を叶えるためなのはもう明白だよね。ヴェーダを掌握したならアレハンドロの利用価値はもうないってことで始末しそう。自分以外は駒だと思っていた自分が駒だったという結末。
 松本さんの声をもっと聞いていたかったなぁと思うが、それも来週までか。まぁ、「スレイヤーズ」がまた放送されるようなので、声の楽しみはそっちで味わうことにしようかな(笑)

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ワンピース エピソードオブチョッパー+冬に咲く、奇跡の桜 感想

JUGEMテーマ:ONE PIECE

 二度の延期を経てようやく行くことができた。社会人だと互いの都合を合わせるのが難しいなと改めて思った。8時に待ち合わせて出発したら、いつもの駐車場に9時に着いてしまった(汗) もっとかかると思っていたのになぁと言うと、友人Hから「各駅停車じゃないから」と言われた。……その通りだ。バスに乗った時間で計算していたよ(苦笑)

 映画館に入ったのは9時40分くらいだった。開始時間は10時。それまでにパンフレットを買おうと、前売り券を買ったときにもらったコインを使って100円引きで購入。こういうサービスはいいね。今後もこういう事してくれないかなーと思った。
 ただ、友人Hが買ったとき、パンフ代500円なのに、コインと500円硬貨を出すと「600円ですね」とそのまま次に並んでいた私の応対を始めた(汗) 兄ちゃん、計算間違いしているよ〜。そんな慌てるような人数がいてるワケでもないのにどうしたんだ? そして私は同じ間違いをされると嫌なので、コイン+400円を出して清算した(笑) ちょうどあって良かったよ〜。スタッフの兄ちゃんも、今度はしっかり確認して「ちょうどですね!」と言っていた。

 前売り券を買ったとき、上映期間が二週間で終わるかもしれないと言われた。今回は映画館で購入したものなのだけど、この前売り券は、その映画館でしか使えないものだったんだよね。だから、スタッフも何度も何度も確認してきた。だから、毎年3月末の日曜に見に行く予定にしていたのを、最初は9日にしていたんだよね。
 以前上映していた映画館にはサイトがなくて、確認するのは電話しか手段がなかった。しかもとても愛想が悪かった! しかし、昨年から映画館が変わった。今回はサイトがあったので、ちょくちょく確認しに行ったよ。そしたら、最終的には私が確認した時点で29日までの上映が確定していた。……それだけ今回は良いものだったのだろうね。レビューを読むと評価も高いし。
 ただ、駐車場が1時間で500円引きというのがなぁ。上映時間は2時間。だったら2時間はサービスしてほしいと思ったよ。ずっと前は上映時間分は取らないサービスだったような気がするのになー。それを言うと友人Hは今は厳しいからねーと言っていた。

 120分の上映だけど、作品のみでは110分。10分間はこれから始まる映画の告知が上映される。いつもは長く感じられて「まだ?」と思っていた。しかし今回は長く感じなかったなー。驚いたのが「ゲゲゲの鬼太郎」の予告。……今の鬼太郎って髪が赤く燃えてグルグル振り回すような技を持っているの? 私が見ている鬼太郎は「墓場鬼太郎」なのでこれには驚いた。まるで「怪物くん」ではないかと(笑)

 映画の内容は、以前TVでも放送したものなので、別にあらすじを書く必要はないだろう。感想は……一緒に見た友人Hと友人K、そして私の三人とも内容はうまくまとまっていておかしくはなかったが、絵が最悪だったなと。「オマツリ」の悪夢再びだよ。友人HなんてあまりのショックにDVDは購入していないもの。
 昨年のアラバスタは原作の5巻分だったっけ? それを90分にまとめようとして失敗していたと思う。原作で色々カットしているのに無理矢理オリジナルシーンを追加していたものね。絵はその前と今回のに比べたらまだ良かったけど。それが今回は2巻分が110分なんだよね? 話は覚えていても何巻分だったかまでは覚えていない……。

 最後の「桜」のシーンより、私はチョッパーの過去話でよく泣いた。一番キたのは、ヒルルクに助けられたチョッパーが、用意されていたパンを口にしたときに涙を流していたところで一緒にダーッときた。目もとに貯まるのではなく流れていたものなぁ……。
 パンフレットには「ハンカチを用意しておいてください」とコメントされていた声優さんが複数いた。いつもだったら、まぁ大丈夫だろうと思っていただろうけど、冬島編だものなぁ。観る前から泣くだろうということはわかっていた(笑)
 いかん。打ちながら思い出したら泣きそうになる(汗) そしていつもながら声優さんたちの演技が素晴らしすぎるんだよ! 作画に関して上記のように書いたが、チョッパーだけはまともに描かれていたんだよね。私が泣いた数々のシーンはもちろんチョッパー絡み。作画云々を考えることがなかったから余計に感動できたんだろうなぁと思った。

 面白かったのはウソップとロビンのシーン。ロビンの役はほぼビビに相当する部分だった。その中で笑ったのは「ウソップのしもやけ」のシーン。しかもロビンが見つけるところのロビンがよかった。そして彼女はビビ以上に容赦がなかった……ように見えた。
 他にはフランキー。敵船を見たときの反応とか、壊れた箇所を見たときの反応とか。今回大いに役どころが変わったのがゾロだったかなー。映画ではこの二人がコンビを組んでいた。
 イッシー20って、最後の方になって実はこうだったと名乗っていたんだっけ? 映画では途中でワポルたちの行いに対して慌てていたりしているシーンがあった。そしてこのイッシー20の中に青野さんがいた。何も考えていなかったから、突如聞こえた声に、そういや毎回何かの役に声をあてていたんだと思い出した。

 反対に残念だったので覚えているのは二つ。くれはの「ドクターストップだよ!」とサンナミ名シーン。あの物陰に隠れてヒソヒソ話す場面がなかったのは残念だった。後は脱出時に気絶しているサンジをナミが膝枕していなかったところ! いや、していたかもしれないけど、サンジは途中で気づいてしまい次に画面に映ったときは座っていたんだもの〜。自分の状況に気づいたらはしゃぎそうな気もするけど、あのときって衝撃が起きて皆がソリの外に出ていたとかそんな風になっていたっけ?
 まぁ、サンナミシーンに関しては新規に一つあったけどね。サンナミというかサンジ→ナミだけど。他には村へ行くときにサンジがナミを背負っていた。これは原作にもあったシーンだけど、小さく描かれているだけだったんだよね。アニメは忘れた(汗) 映画ではこれが正面から描かれていたと思う。だから大きくサンジがナミを背負っているのが見られた。あ、雪崩時のサンジの名シーンはカットされていなかったよ。

 心配だったのがムッシュール。最近問題発言というか、何か自分が何者なのか勘違いしているんじゃないかという発言を繰り返している人が声をあてていると知ってガッカリした。毎回書いていると思うけど、もう芸能人は使わなくていいよ。演技がまったくできなかったとしても、声優さんよりもお金がかかるんだったら無駄以外のなにものでもない。
 とあるブログで読んだ記事では、芸能人が声をあてることには反対の声が半数以上いた。理由はさまざまあったけど、注目すべきは単にアニメファン、声優ファンなだけでなく、一般の人までがそういう反応を返していたという点だ。需要はないので、今後は質を落とすだけのようなことはしなくていいだろう。その分お金は他に回すべきだ。特に作画!!
 問題の人の演技の方は、今までのと比べたら遙かにマシだったかと。ただし聞き取り辛かった。ルフィと闘っているときなんて特に。技を言っているんだろうけど、何を言っているのかわからなかった。友人Hはワポル役の声優(島田敏さん)が上手いからよけいに際立つと言っていたなー。まぁ、ベテラン声優と比べる方が酷な話ではあるけど(苦笑)

 声優さんの演技は素晴らしいと上記した。特に大谷さんは秀逸! もともと上手い人ではあるけど、どんなに上手い人であっても初めて演じるときはまだキャラを探りながら演じている状態だと思うんだよね。でも、今回はキャラを完全に把握している状態でしょ? だから本当にもう「凄い」の一言なんだよね。これは実際に耳にしてもらった方がいい。
 また、くれはの最後の台詞の使われ方がまた良かったなー。なかなか出てこないからどうしたんだろうと思うけど、間を開けていただけだった。その言い方も……これは言うまでもないかな? ドルトンに関しては物足りなかった。それも聞いてもらったらすぐにわかると思う。彼の発言に関しては物足りなかった(笑)

 内容に関してはこれくらいかなー。そして作画に関して。一言でいうと酷過ぎる。110分の長時間で、恐らく納期も短かったんだろうなと思う。TVでの予告を見て、まさか本編でこの作画じゃないだろうと、「オマツリ」と同じことを思ったけど、そのままだった(苦笑) とてもじゃないが、劇場版とは思えないクオリティだった。残念というより腹立たしいと思った。内容が良かっただけに本当に何を考えているのかと。
 作画監督を見てああと思った。最初にTVで作画監督として名前を見たときは、なんて原作そっくりな絵なんだと感動したもんだけど、ここ最近はTVでも酷い作画になっているものなぁ。ま、あんなのでも「オマツリ」は修正されないでDVDになったので、今回のもそのままだろう。上記したサンジの名シーンも、そんな絵なので魅力は半減していると書いておこう。チョッパーの作画だけはマシだったのだけが唯一の救いかな。

 エンディングが流れるとやっぱり帰る人ってけっこういるんだねー。私らは当然最後まで見ていた。レビューではラストにお楽しみがあると書いていた人がいた。エンディングの最後になってあったのを見て、これのことかなーと思っていたらそうではなかった!
 確かにお楽しみはあった! というか、感動したばかりだけどこっちの方が断然いいというか気になった! 作画が綺麗だったなら、「来年の映画はものすごく楽しみだねー」で終わるんだろうけど(笑)
 来年の映画は絵がとても綺麗であること、そしてシャンクスが出ることだけ書いておこう。他にもあるけど、まだ見ていない人は実際に見た方がいいと思う。シャンクスが画面に現れた瞬間、私は身を乗り出していた(笑) 今は毎週池田さんの声を聞いているけど、やっぱりいい声はいいんだよ!

 終了後はスタンプを押すのが恒例だ(笑) 今回は全員の絵ではないのがちょっと残念ではある。そして……今回もあまり綺麗に押せなかったのが残念!

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 映画を見た後のことは続きで書こうと思う。
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at 23:36, 真神恵, ONE PIECE

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シゴフミ 11話「メザメ」

JUGEMテーマ:アニメなんでも

 目覚めた文歌はベッドから降りて……って歩けるのか!? と思ったら2、3歩進んだところで手をついていた。そりゃそうだよ。数年間眠り続けていたのに、身体がついていくはずないよ。その辺り、ちゃんと描いてくれたのは良かった。……まぁ、痩せてガリガリじゃないんだなぁとは思ったけど。
 そこへ夏香と要がお見舞いに病室を訪れた。文歌を見て茫然とし、夏香は文歌の名前を呼んだ。そして「夏香……ちゃん?」という文歌が自分を呼ぶ声に、夏香は涙を浮かべて彼女を抱きしめた。文歌はどうしてこうなっているのかわからず自分を抱きしめる夏香をぼんやりと見て、そして要は我にかえるとナースコールを押した。

 フミカとチアキはその頃、杖の丘にいた。フミカはキラメキを撃った銃をシゴフミだとかつて言っていた。文歌が目覚めてそんなものを送ってどうするつもりなのかと尋ねたチアキに、フミカは自分を撃ってもらうと淡々と答えていた。
 チアキもカナカも笑えない冗談だと言い、マトマも死人である配達人が撃たれても死は得られないとフミカに言っていた。しかしフミカは自分は違うと返した。フミカは文歌のもう一つの人格だから、彼女が否定すればそれが自分の死になるとやはり淡々と答えた。そのために彼女は今までシゴフミ配達人となって文歌の目覚めを待っていた。その決意を変えるなんて並大抵のことじゃないだろう。まぁ、文歌がフミカを否定しなければ問題はないんだけど。

 文歌の目覚めに編集長と事業部長はやはり儲けのことしか考えていなかった。ようやくキラメキの新刊が出るというのに、娘への虐待がばれたら出版できなくなるって……(苦笑) 事業部長の呟きに春乃はチラッと彼を見ていた。
 野島刑事にも担当医から文歌の目覚めの連絡が入っていた。後遺症は見られない、肉体的にも健康だが、記憶がハッキリしていないと彼女は連絡していた。だから事件のことも覚えていない。急ぎ過ぎるのはと言葉を濁す担当医に、野島刑事も事情聴取は回復を待ってからだと答えていた。昏睡するほどのショッキングな出来事だったのだもの。もし文歌がそのことを覚えていたらまた倒れてしまうだろうね(汗)

 夏香と要は記憶を失っている文歌に説明をしていた。ほんの半年だけど同じ中学に通っていたこととか、夏香は自分との出会いとか。しかし文歌はよく覚えていないと謝るだけだった。夏香は、自分の名前は覚えていてくれたんだし、ゆっくり想いだしたらいいよと言う夏香に、文歌は弱々しいとはいえ笑みを向けた。
 記憶を失った人間に対して周囲が思い出してほしいと思うのは当然のことだよね。そして本人も思い出したいと思う。だから、こんなことがあった、あんなことがあったと周囲に言われる度に思い出さないといけないと失ってしまった者は苦しんでしまう。そういう話を聞いたことがある。ゆっくり思い出したらいいと夏香は言っていたけど、思い出させようとして文歌を追い詰めてしまわないだろうかと心配だなー。

 そこへチアキが息せき切って病室にやってきた。先ほどの話を二人にするためだった。自分が消えることを望んでいるとチアキに聞かされて二人は当然驚いた。フミカがそう望んでいるんだと話すチアキに、ならどうしてここに来たのかと要は食い下がった。唇を噛み締める彼女に「チアキさんだって、フミカに消えてほしくないんでしょう!? だから……!!」と必死な要を夏香が唖然と見ていた。
 つまり要は自分が好きになったのがフミカだと気づいたんだろうね。人格が統合されるならまだしも、消えてしまうと聞かされたら必死になるのも当然だ。そして夏香もそれに気づいたのかもしれない。

 仕事へ地上へと降下したフミカが病院へ向かうのをカナカは仕事を先にしようと慌てていた。カナカは文歌が目覚めたことをマトマを通して知ったのかな。だから彼女が文歌の病室へ向かうのを阻止しようとしていた。しかし病室には文歌の姿がなかった。
 文歌は夏香の家で一緒に夕食を食べていた。……春乃がご飯にマヨネーズをかけていたのにひいた(苦笑) 彼女はマヨラーだったんだ。葛西家の家族団欒を見てぼんやりしているのかと思っていたら、文歌はすきやきを食べたことがなかったかららしかった。彼女が口にして「美味しい」と呟いた途端に歓声を上げる葛西家の人たちは、まるで小さな子どもを見守る様子だったねー。

 病室では要が新しい検査のために一週間ほど別の場所に移動したとフミカに嘘の説明をしていた。その後フミカは配達に向かったらしい。
 夏香は強引に連れてきて良かったのかもしれないと要との電話で話していた。文歌はテレビゲームで遊んでいた。テニスのゲームで彼女が特典を取ると、春乃とその父が喜ぶような声をあげていた。彼らに振り返って困惑しながらも笑顔を見せていた文歌を見て、彼女がここの家の子だったら良かったのになぁと思った。しかし彼女は「お客さん」でしかない。だからずっと葛西家にいるなんてことはできないんだよね……。
 文歌を葛西家に連れていったのは正解だったかもしれない。しかしそれは時間稼ぎに過ぎないと要は夏香に話していた。チアキは夏香に心当たりがあると言って、戻ったらしいのだが……。

 チアキはリサーラという女性の元に訪れていた。彼女は福音局の法律に詳しい人らしい。フミカを配達人のままでいられるような方法を探すために訪れたんだね。

 翌日は要が葛西家にやってきた。アルバムを見ながら話している中で、要が中学の時に文化祭でミスかもめ中になったと夏香が面白そうに言っていた。女装して出るものだったらしく、要は「その話はいらないだろ!」と噛み付いた。無理やりと言っていた割には綺麗だったと言う夏香に、やるからには負けたくないからと要は返していた。そんな二人を見て、文歌は見たかったなと呟いた。このとき夏香が文歌の手を握って「二対一〜!」とはしゃいでいた。
 その後の文歌は、夏香に握られた手をさすっていた。これはどういうシーンだったんだろうか? 最初見たとき、触られたからなのかと思ってしまってとても気になるんだよね。握られた手の力が強かったということと思えなくもないけど……。
 そういやここで要が文歌に完全に惚れたシーンが描かれていた。犬に吠えられていた文歌は壁に追い詰められてりるようだった。しかし要が慌てて階段から降りたときには犬が逃げるところだった。追い払ったのは文歌で、そのときの彼女の頬は紅潮していた。犬を追い払った、やったという興奮状態だったんだろうね。勝気な目をした彼女は嬉しそうな顔をしていた。カナも怖かったけど、フミちゃんを守れたと喜んでいたのかもしれない。そのミカの顔を見て要は顔を赤くしていた。
 それを思い出しながら、「喧嘩に勝った男の子みたいな顔してさ」と語る要に、文歌は思い出せないと悲しそうに言って謝った。目が覚めたばかりなんだからゆっくり思い出そう。夏香はそういって要にも同意を求めた。焦ってはいけないと思っていても要は自分が好きになったときのことを覚えていないと言われて相当ショックを受けていた。そしてそんな要を見て夏香も寂しそうな顔をしていた。……まぁ、それはフミカの方なので、人格を統合しない限り文歌が思い出せることはないだろうねー。

 今回の配達先はかつて罪を犯した女性だったようだ。シゴフミが届いたということは、彼女が殺した相手からなんだろうか? 無罪を勝ち取るまでにどれほどの時間とお金をかけて苦労したんだと言った女性に、フミカは「法律は関係ない。心が負った罪は心で償うしかない」と返していた。
 それはフミカ自身のことを言っていた。あっちの文歌もまだ戻ってこないだろうし今日はもう帰ろう、そう言ったカナカはフミカが公衆電話に置いてあった電話帳を開いたので驚いた。どこへかけるつもりなのかと尋ねると、フミカは転院先を探すと答えた。
 カナカは自分が人間になりたいと言っても笑わないで「頑張れ」と言ってくれたフミカが好きだと言った。だから自分のパートナーはフミカがいい。カナカの真摯な気持ちにフミカは「ありがとう」と言って電話帳を元に戻したが、それでも彼女の気持ちは変わらなかった。フミカは、自分は罰を受けなければならないのだと思いつめていた。やはり第三者では誰もフミカを止められないんだね。

 バス停まで要を送ると出かけた夏香を見送って、文歌はアルバムを元に戻そうと夏香の部屋に入った。そして彼女は元の場所に入れたときにそれに気づいてしまった。春乃に借りたキラメキの本を。それを手にした文歌は、著者の名前を見てとうとう思い出してしまった。キラメキと銃とそして半身を。そして目覚める前に何が起きたのか、何をしたのかを。
 一つに戻った方が幸せなのかな。一方、夏香と要はバス停に向かう間に、夏香のそんな質問からミカが消えてもいいのかと口論になりかけた。そこへフミカを探すカナカがやってきた。家の中と周辺を急いで探したが、フミカも文歌も見つからなかった。

 文歌は裸足のまま走り続けた。キラメキを憎んでいるのはフミカの方なので、文歌の中には父親を慕う感情しかない。でも、フミカは撃ったのは自分だと言っていた。だとしたら、ミカがいない状態のフミにはその記憶はないんじゃないだろうか? それがあるとしたら、彼女の方も父親を撃ったのだと見て間違いないのだと思う。
 ミカ、どこにいるの? 出てきて。今までなら呼べばすぐに現れた半身は、その身にいないのだから呼んでもすぐには出てこない。しかし、彼女が昇っていた階段の上にフミカは現れた。一目見て、そして「フミちゃん、ボクがわかる?」と呼びかけた彼女に文歌はミカだと確信して走り出しそして抱きしめた。

「三年振りだね。フミちゃん」
「ごめんね、ミカ。私……お父さんを撃っちゃったの!
 怖くて、辛くて……我慢できなかった。だから……!」
「フミちゃん、謝るのはボクの方だ」
「どうして? だって、私のせいで……」
「キラメキを撃ったのはボクだから」

 目を見開いた文歌は、フミカから離れて茫然としていた。何を言っているの? そう呟く文歌に、フミカは語った。文歌が眠っている間、自分は色んな人に会って、色んな人生を見て色んなものをいっぱい手に入れた。

「フミちゃんは悪くない。悪いのはボクとキラメキ」
「……私は……悪くない……」

 そしてフミカは自分を撃ってと文歌にシゴフミである銃を差し出した。

「それで終わる」

 そう呟いたフミカを愕然と見た文歌は……受け取った銃を発砲した。そこに二人を探していた夏香が文歌を見つけて階段を昇ってきた。何か思い出せないかと思って町を歩いてみたくなった。そう言った文歌に夏香はそうと納得した。そして誰かに会わなかったかと尋ねたが、文歌は誰にも会わなかったと答えていた。後ろには銃を手にして。
 夏香は気付いてなかったけど、彼女に話していたときの文歌の発言は今までは違っていた。記憶を思い出す前はぼんやりしている声だったけど、夏香に話していた声音にはハッキリとした意志があった。
 その後文歌は警察の求めに応じたんだろうか。警察署を訪れていた。事情聴取と言ってもそんなに……と安心させようと話しかける刑事の言葉を遮って、文歌は父を告訴したいと切り出した。「今度は私が撃つの」と言った文歌は、言葉通り決意した表情を浮かべていた。

 どこかで電話を受けた女性が映っていた。まぁ、この時点で出るということは文歌の母なんだろう。

at 23:59, 真神恵, 漫画・アニメ

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